陰謀論
陰謀論'(いんぼうろん、conspiracy theory)または陰謀説(いんぼうせつ)とは、
- 歴史上の出来事は、ある個人・団体の陰謀、策謀に基づき生じた
- ある個人・団体の活動に、目的や内容が隠蔽されている活動がある。
目次
概要
陰謀論は一般に、強い権力をもつ者(一国もしくは複数の国の政府、警察、軍隊、あるいは巨大資本、宗教団体、民族集団など)が一定の意図を持って一般人の見えないところで事象を操作している、とする主張である。具体的には、
などが代表的なものである。
ユダヤ陰謀論
ユダヤ人は、世界の政治、経済、軍事を支配し、強く影響を及ぼしていた事に端を発する陰謀論。
一般庶民にも多数のユダヤ人がいるが、ユダヤ陰謀論者は世界的財閥、報道機関、ハリウッドにユダヤ系の人が多いと主張する。
サバタイ派としてキリスト教やイスラム教に偽装改宗した集団が話題にされる。表向きはキリスト教徒やイスラム教徒を装っているが、実際はユダヤ教を信仰しているとされる。
ユダヤについての補足
- 「シオン賢者の議定書」は偽書であることが判明している。
- 新約聖書の中でキリストは、ユダヤ教の主流となったパリサイ派を激しく弾劾している。
- バビロン捕囚によって成立したタルムードでは、異教徒をゴイムと呼び、ゴイムを殺せ、財産を奪えと諭す。ゴイムは陰謀論やオカルト関連の著作ではしばしば「家畜、豚、獣」などと訳されるが、これは誤訳であり、ヘブライ語では「諸国民、異国人」で「非ユダヤ教徒」を指す言葉である。
- ユダヤ人にはセファルディムとアシュケナジーがいる。セファルディムは本来のユダヤ人でありセムでアジア系、アシュケナジーはユダヤ教に改宗したハザール人の末裔でありヤペテ、白人であるとする。
- イスラエルはアシュケナジーが政治的中心であったが、近年はセファルディムの力が強まりつつある。
カナン、フェニキア陰謀論
ユースタス・マリンズ(Eustace Mullins)[1]によると、
旧約聖書によるとカナン人はハムの子孫とされている。カルタゴはバール神を信仰していた。カナン人は乱交儀式を行ったり、人間を生贄を捧げていたと陰謀論者は主張する。また人さらいも行っていた。カナン人はフェニキア人と名乗るようになる。フェニキアからカルタゴに殖民が行われた。ローマはカルタゴを侵略し滅ぼし、住民を皆殺しにした。作物が育たなくなるように土地に塩を撒いた。
カルタゴの末裔はユダヤ人の中に紛れ込み混血した。ヨーロッパではカナン人に人種的に近い民族がスファラディ系ユダヤ人しかいなかったためである。古代ユダヤ人は農業と牧畜の民族であったのに、近代のユダヤ人は金融と商業の民族である。ユダヤ人はスファラディ(アジア系、セム)、アシュケナジー(白人、ヤペテ)に加えて、さらにカナン(ハム)の血統が含まれるのではないかと主張される。
さらにフェニキア人はヴェネチアに拠点を移したという説がある。現地人より色が浅黒かったので、ヴェネチアの黒い貴族と呼ばれる。資本主義の成立に不可欠な複式簿記、手形などはヴェネチアで発明された。ヴェネチアはキリスト教国家とイスラム教国家の間の地中海貿易を独占していた。ヴェネチアの黒い貴族はヴェネチアからオランダに移動する。地中海貿易から大西洋貿易に移るためである。さらにオランダからイギリスに移動する。世界初の株式会社である東インド会社を設立する。
フリーメイソン陰謀論
石工ギルドから発展した自由・博愛・平等をうたう親睦団体フリーメイソンの会員は、フランス革命やアメリカ独立戦争、ロシア革命など市民革命に関わっている。この事からナチス・ドイツ、大日本帝国など独裁国家に対して戦争をしかけるなどの政治権力をも操っていたとする考え。メンバーには地位の高い者が多く、イギリス王室をはじめフランス革命やアメリカ独立戦争の主要人物や中国の著名政治家の多くが加入していた事もあり、根強く囁かれる説である。
陰謀論におけるフリーメイソンの配置は、新世界秩序の一部であるとするものが多い。イルミナティをフリーメイソンの一部として位置づける事も多い。
この陰謀論には既存の民主主義自体を陰謀の手段とみなし、否定するパターンが存在する。このパターンは偽書『シオン賢者の議定書』にユダヤ人の陰謀として記述されているものと同じである。「シオン賢者の議定書」が作られた当時、フリーメイソンにはユダヤ人が多く参加しており、秘密結社的な団体であったフリーメイソンを攻撃することによって、ユダヤ人を攻撃しようとしたものであると考えられる。
フリーメイソンについての補足
- フリーメイソンのシンボルマークはコンパスと三角定規である。
- その起源には諸説あり、数千年以上前の古代ギリシャにおいて、すでにその組織の存在が認められている要出典。
- フリーメイソンは秘密主義を採用している要出典。しかし、それは入会者に新鮮な驚きを味わってもらうため、ということである。また、アメリカなどではフリーメイソン主催の慈善パーティーやバザーは頻繁に行われており、秘密組織でもなんでもない。
- 陰謀論に対して名誉毀損で告訴すべきという意見と、中傷には沈黙で対応するというフリーメイソンの伝統との対立が激しくなりつつあるという。
イルミナティ陰謀論
イルミナティを陰謀の主体とする考えもある。イルミナティ単独で陰謀を行っているという説と、フリーメイソン内の結社内結社として陰謀を行っているという説に大きく分けられる。
新世界秩序陰謀論
ビルダーバーグ会議、外交問題評議会、王立国際問題研究所、日米欧三極委員会や、存在は公式には確認されていないが「三百人委員会」、「33人評議会」、「13人評議会」等の組織を陰謀論者は総称して「新世界秩序」(New World Order)と呼ぶ。フリーメーソンやイルミナティも大きくはこれに含めて考えられる。
尚、現代世界はG8や世界貿易機関、ワシントン・コンセンサスに握られ、発展途上国の意見が省みられる事が全くない、という批判が反グローバリズム・アルテルモンディアリスム団体を中心になされている。
三百人委員会
ジョン・コールマンの著書『三百人委員会』で知られるようになった。陰謀論者によれば、三百人委員会は立法を担当する。オリンポスの神々にちなんで別名オリンピアンズとも呼ばれる。フリーメイソンの33階級に相当するとされる。日本人のメンバーは大来佐武郎のみではないかと言われている。元々は五百人委員会だった可能性もある。- ↑ ユースタス・マリンズ 『カナンの呪い』 成甲書房 2004年