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『'''機動戦士ガンダム THE ORIGIN'''』(Mobile Suit Gundam: THE ORIGIN)は[[安彦良和]]による[[漫画]]作品。[[ガンダムエース]]で連載中。
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『'''機動戦士ガンダム THE ORIGIN'''』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)は、[[安彦良和]]作の[[漫画]]作品。原案は[[矢立肇]]・[[富野由悠季]]、[[メカニックデザイン]]は[[大河原邦男]]。[[アニメ]]『[[機動戦士ガンダム]]』(アニメ版で安彦はキャラクターデザインと作画監督を担当した)をベースに、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジを施した作品である。[[ガンダムシリーズ]]専門誌「[[ガンダムエース]]」創刊号より連載。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
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作者は『ファーストガンダム』とも呼ばれる原作アニメに、作画ディレクターおよび[[キャラクターデザイン|キャラクターデザイナー]]として深く関わっており、また歴史上の人物や神話を元にした漫画作品を数多く手がけた実績もある。それらで得た経験を元に『ガンダム』という半ば神話化した作品を再構築する作品であるともいえる。
  
== 関連項目 ==
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本作はTVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされた[[ルナツー]]攻防戦やセント・アンジュのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども<!--台詞をいちいち挙げることは著作権の点で議論中であるため差し控えたいが-->多くが生かされ登場している。一方で、現在の視点からすると不自然であったり、現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。
*[[機動戦士ガンダムUC]]
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== 執筆の経緯 ==
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本作は当初、[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]によって海外向けに『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。作者・安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであり、また安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムと言う物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院する事となり、手持ちぶさたに『ガンダム』の物語の[[ネーム (漫画)|ネーム]]を切り始めたところ一気に[[ザビ家#ガルマ・ザビ|ガルマ・ザビ]]戦死のくだりまで描き進められた事、さらに[[富野由悠季]]本人からも「自分も楽しみにしてるから好きにアレンジして欲しい」と言われた事で、本作の執筆を決めたとのことである。
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本企画は初めに[[講談社]]へ持ち込まれたものの様々な経緯により[[角川書店]]にて行われることとなった。
  
== 外部リンク ==
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本作は当初、一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなおアムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは既存の漫画雑誌には連載が出来ないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌「ガンダムエース」が創刊された。当初は季刊であったが、その後ペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された。また当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。
*[http://www.kadokawa.co.jp/ web KADOKAWA]
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== アニメ版との差異 ==
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=== モビルスーツの変更点 ===
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[[地球連邦軍]]側の[[モビルスーツ]]については大きな設定の見直しが行われ、[[ガンタンク]]が10年以上前に量産化された大型[[主力戦車]]であり、[[ガンキャノン]]は[[ザクI]]に対抗して開発・実戦投入された[[地球連邦軍]]初の量産型モビルスーツとされた。デザインはこの設定を前提に原作のメカデザイナーであった大河原がデザインを見直して安彦に提供している。アニメ版において、地球連邦軍では当初宇宙戦艦[[ホワイトベース]]に搭載された3機の試作機しかモビルスーツが存在せず、それらばかりが活躍しているという点は不自然であるとしばしば指摘されていたが、安彦もインタビューで同様の認識を示して変更したものである。量産機であるため、物語の主な舞台となるホワイトベースにも、ガンタンクとガンキャノンは物語開始時点において複数が稼動可能な状態で搭載されている。
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また主役機[[ガンダム (架空の兵器)#ガンダム (Ver. ORIGIN)|ガンダム]]や、ジオン軍側のモビルスーツについても安彦の考え(例えばザクについては「兵器なのだから、マシンガンの弾薬を使い尽くした後、近接戦用の[[ヒートホーク]]以外の武装が徒手徒拳しかないということはないだろう」と言う趣旨の発言をしている)を元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている。なおこれらの大河原新デザイン(ホワイトベースについても行っている)は、あくまでも安彦の作画のための資料として描かれたものであるため、安彦は必ずしもそのまま使っていない。それゆえ、ガンキャノンが3本指であったり、ガンダムがシールドを逆にマウントしていたりといった新設定も、それが見栄えしなければ随時オフィシャルなものに修正したりといったフレキシブルさも本作の特徴である。
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=== 物語の変更点 ===
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ホワイトベースの乗組員も、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版では[[ブライト・ノア]]以外の[[士官]]が全滅しているという極端な状況であったが、本作では[[中尉]]以下の士官が相当数生存し、相応の役割を担っているという設定になっている(なお、テレビ版では[[士官候補生]]、劇場版では[[少尉]]だったブライトも中尉に階級が見直されている)。またホワイトベースの進路も、北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然なので大陸沿いに[[ジャブロー]]に入ってから他を目指すよう変更されている(そのため[[機動戦士ガンダムの登場人物 民間人#ミハル・ラトキエ|ミハル・ラトキエ]]のエピソードや[[一年戦争|オデッサ・ディ]]は後に描かれる事になる)。そのジャブローの位置も、アニメ版で設定された[[アマゾン川]]流域は地盤が軟弱なため、そこに地下基地を作るのには無理があるとし、シェルターを兼ねられる様な固い岩盤がある[[ギアナ高地]]の地下に再設定がなされている。ジャブローで大改装された後、ホワイトベースは[[ベルファスト]]でのミハルのエピソードを経てオデッサ・デイに参戦、その後再び宇宙に上がっている。
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登場人物の[[階級]]・地位も見直され、先述のブライトの他、[[ルナツー]]司令[[機動戦士ガンダムの登場人物 地球連邦軍#ワッケイン|ワッケイン]]が[[少佐]]から[[少将]]に、[[マ・クベ]]が中央アジア・ヨーロッパ方面司令官・[[大佐]]からジオン軍地球侵攻軍総司令・[[中将]]に、といったように相当の階級に設定されている。地球方面軍司令官だった[[ザビ家#ガルマ・ザビ|ガルマ]]は大佐のままであるが、マ・クベの部下で北米方面の司令官という扱いになっている(アニメ版の[[ニューヤーク]]([[ニューヨーク]])ではなく、[[ロサンゼルス]]駐留)。またアニメ版では軍人だったアムロの父[[テム・レイ]]やミライの父(シュウ・ヤシマ)も民間企業の人間に変更されている(テムの勤務先として[[アナハイム・エレクトロニクス社|アナハイム社]]も登場している)。
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主人公[[アムロ・レイ]]がガンダムの詳細を知ったのはアニメでは地面に落ちていた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあった父テム・レイのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出したことになっているなど、アニメ版制作後に一般化した機器が劇中で活用されている。
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=== エピソードの追加 ===
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ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、[[シャア・アズナブル]]と[[セイラ・マス]]の兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。
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[[ジオン・ズム・ダイクン]]の遺児キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)兄妹と[[ランバ・ラル]]親子との関わり、[[ザビ家]]がダイクン家に代わり[[ジオン公国|サイド3]]の実権を掌握する過程、公国制を布いたジオンと地球連邦間の確執から来る緊張感、キャスバルが公国軍のエース「[[シャア・アズナブル]]」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦から[[ルウム戦役]]に至る[[一年戦争]]前半期などのエピソードが表現豊かに描かれている。
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これらのオリジナルエピソードでは、安彦漫画で頻繁に見られる政治劇や陰謀などの人間ドラマが緻密に描かれており、低年齢層向けであったアニメ版を基にして描かれたジャブロー編以前のパートよりも、更に作者本来の持ち味が反映されている。
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=== その他 ===
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; 第一話のアムロ
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: 作者は連載直前のインタビューで、「アニメ第一話のように、偶然コックピットが開いてアムロが乗り込んで、というのはおかしい。今度の連載ではそこも上手く演出する」と語っていた。しかし実際の連載では、本作でもアムロがガンダムに乗り込む様子については(先に挙げたような設定の見直しで説得力を上げているものの)、基本的にはアニメ版と同様の描写であった。
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; コアファイター
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: さらに同インタビューにて、「コア・ファイターは玩具化のための設定。リアリティがないから使わない」と語り、当初コア・ファイターはガンダムに内蔵されていなかったが、ジャブローでガンダムを大改造する際にアニメよりも脱出ポッドシステムとしての色彩をより強めたものとして内蔵されている(本作では、ジャブロー以前にコア・ファイターが汎用戦闘機として登場しており、それとの差別化のため、この内蔵機は「コア・ポッド」と呼ばれている)。
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; 作画のアレンジ
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: 本編の作画に関しては、キャラクターは全員わずかだがアニメ版からアレンジされている。ランバ・ラルや黒い三連星などは等身が上がり、シャリア・ブルのように年齢も風貌も一新された者も居る。モビルスーツは全体的に太めでがっしりとした体形で描かれており、脚が長く腰高な現代風のスタイルとは一線を画している。
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; キャラクターの年齢
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: 本作では年齢もアニメ版とは異なっていて、シャアやガルマ、ブライトらは25歳前後とされている。これはアニメ版放映当時は、子供向けであるアニメにおいて二十歳を過ぎたキャラは“おじさん”扱いであり、キャラのほとんどを二十歳前後にしか設定できなかったことから見直されたものである(ただし、これら引き上げられた年齢設定は、正式に数字での発表はされていない。本編の中で、おおよその年齢が推定できるような描写がされている)。
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== 本作オリジナルキャラクター ==
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{{節stub}}
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=== 地球連邦軍 ===
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;ヴェルツ大尉
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:ガンダム01号機のテストパイロット。サイド7に侵入したザク小隊を発見、応戦するが、ザクの核融合炉を撃ってしまい、それによって発生した爆発によって機体ごと焼失する。
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;ウィリー・ケンプ中尉
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:ガンダム02号機(アムロの乗機)の正規のテストパイロット。自機に向かう途中でザクの攻撃により死亡。
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;ラウル中尉
 +
:ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。[[ランバ・ラル]]部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
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;ワッツ少尉
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:ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。まだ若く気弱な性格。ランバ・ラル襲撃で負傷し、その後やってきたマチルダによって搬送され、ホワイトベースから離れる。
 +
;ベンジャミン・アダムス曹長
 +
:ホワイト・ベース機関長。職人肌の壮年男性。
 +
;キム伍長
 +
:ホワイト・ベース隊のガンタンクパイロット。ガルマ隊との交戦中に戦死。
 +
;ニカウとヤン
 +
:共にホワイト・ベース隊のガンタンククルー。ニカウがパイロットでヤンはガンナー。ランバ・ラル隊との交戦で戦死。
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;ダニエル・シェーンベルグ兵長
 +
:ホワイト・ベース隊のガンキャノンパイロット。後に戦死したリュウに代わりガンタンクのパイロットを務める。ガンキャノンでテキサスコロニーに侵攻中、シャリア・ブルに乗機を撃破され、戦死する。
 +
;マグダレナ・ロッシ少尉
 +
:ホワイト・ベース隊の技術担当仕官でオムル達の上官。
 +
;エトゥル・ベオルバッチェ曹長
 +
:ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。トルコ出身。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後オデッサ戦にて戦死。
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;ミカエル・ロドリゴ軍曹
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:ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。通称ドン・ミッチ。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後ジブラルタルでの掃討戦でシャアと交戦し戦死。
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;ウォン・チャン伍長
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:ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後マッドアングラー隊に対しコアファイターで出撃するも撃墜され戦死。
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;リツマ曹長
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:ホワイト・ベースの乗員で眼鏡の女性下士官。通信要員であるフラウ・ボゥの交代も行なう。
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=== ジオン公国軍 ===
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;アッシュ軍曹
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:サイド7に侵入したザク小隊の分隊長。分隊を率いて偵察行動中にガンダム01号機と遭遇、果敢に挑むもビームライフルの直撃により爆死。
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;ガルシア・ロメオ少将
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:[[ジャブロー]]攻撃軍司令官。プライドが高く[[マ・クベ]]を激しくライバル視しているが、実力はいまひとつ。
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:シャアのもたらした情報に基づき大部隊を率いてジャブローを強襲、自ら移動砲台[[アッザム]]に搭乗しジャブローに攻め込むが、連邦側の陽動に引っかかって工事区画に誘い込まれ、[[落盤]]を起こされてあえない最期を遂げた。レビルには「定見の無い男」と酷評された。
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:「ガンダムエース」の元編集長[[古林英明]]がモデル。その憎めないキャラクターから読者の人気は高く、2004年8月28日に[[バンダイミュージアム]]でガルシア追悼式が行われている。
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;ネクラソフ少尉
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:オデッサ作戦においてマ・クベの命により[[レビル]]乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機のパイロット。
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;オチョア曹長
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:同機の爆撃手。小心者で対空放火に堪えられずタイミングより早く核ミサイルを発射してしまう。
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=== その他 ===
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;アストライア・トア・ダイクン
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:[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍#ジオン・ズム・ダイクン|ジオン・ズム・ダイクン]]の妻でキャスバル・アルテイシア兄妹の生母。元はサイド3のナイトクラブ「エデン」の歌姫だったが、当時一介の政治活動家だったダイクンと恋仲になる。[[クラウレ・ハモン|ハモン]]や[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍#クランプ|クランプ]]とも旧知の仲。ダイクン暗殺後はローゼルシアによって幽閉状態に置かれ、地球へ逃れた子供達のことを案じていたが、親子は再会することなく心労の為に半ば衰弱死するような形で病死し、このことがシャアを復讐へ走らせる動機になる。
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:アニメ版製作当時の富野由悠季による構想を記載した通称「トミノメモ」に名前のみ登場していたが、本作で初めてその姿が描かれた。
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;ローゼルシア
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:ダイクン派の大物の女性。ダイクンの古くからの同志であり、彼を愛していたが子供を授からなかったことから、彼の子を産んだ故に妻となったアストライアを激しく恨んでいた。心臓の持病を抱えており、アストライア幽閉から間もなく発作で死亡。劇中の台詞・言動から察するに彼女や屋敷の人間達はザビ家に対してなんら疑いは持っていなかった様子だったようだ。
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;テアボロ・マス
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:キャスバル・アルテイシア兄妹の養父で[[アナハイム・エレクトロニクス社|アナハイム社]]を商売敵とする実業家。旧知の[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍#ジンバ・ラル|ジンバ・ラル]]のために地球に逃れてきた彼と兄妹を引き取る(この時、キャスバルとアルテイシアは名前がエドワウとセイラに変わる)。その事に関しては最初はあまり乗り気ではなかったようだが、妻に先立たれて商売一筋に生きていたテアボロは、エドワウ・セイラの2人を実子同然に可愛がるようになり、2人を無理矢理担ぎ出してザビ家に反抗しようとするジンバに対して強く非難するほどになる。兄妹を監視していたザビ家によりジンバが暗殺された際、自身も重傷を負ってしまい「これ以上2人を守ってやれない」と自分の無力を嘆いていたが、友人シュウ・ヤシマの薦めで、ザビ家に恭順の意志を示すため、サイド3に近く監視の目が届きやすい「テキサス・コロニー」に移住する。ルウム戦役時の暴動で病状が悪化し息を引き取る。セイラはテアボロを父として強く慕っており、彼の死後感謝の言葉を述べている。
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;シュウ・ヤシマ
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:[[ミライ・ヤシマ]]の父親でヤシマグループの長。テアボロの友人で、彼らの移住先として紹介したテキサス・コロニーの所有者でもある。それまで軍需産業を請け負っていたヤシマカンパニーを民生企業へ転換させ、その第一号として[[サイド7]]の建造を進めていた。物語序盤のザクのサイド7攻撃により死亡。
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;シャア・アズナブル
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:テキサス・コロニー管理者の息子。エドワウ(キャスバル)と瞳の色を除いて瓜二つの容姿を持つ。
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:ルウムの寄宿学校に通っていたが、ジオンのプロパガンダに影響されてジオン士官学校を受験、合格する。しかし入学のためジオンに向かう途中、キャスバルの策略により彼の身代わりで「エドワウ・マス(キャスバル)」として謀殺され、キャスバルは「シャア・アズナブル」になりすまして士官学校へ入学する。
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;ロジェ・アズナブル
 +
:シャア・アズナブルの父親でテキサス・コロニー管理者。温厚な人物で、ジオン士官学校に進学する息子に批判的。テキサス・コロニーでエドワウとセイラの正体を知る数少ない人物。ルウム戦役時に妻ミシェルと共にジオンに移住しようとするが、乗船したジオン行き宇宙船がシャア(キャスバル)の駆るザクに沈められて妻共々死亡。
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;ユウキ
 +
:サイド2の首都バンチ「アイランド・イフッシュ」に住む少年。日系の血が流れており、地球・日本への留学を控えていた。ブリティッシュ作戦時に自警団の一員として警備に就いていたが、ジオン軍の注入した[[毒ガス]]により恋人のファン・リーと共に死亡。イフッシュは地球への[[コロニー落とし]]に使用された。
 +
 +
==単行本==
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=== 通常版 ===
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# 始動編
 +
#* 単行本第1巻 ISBN 9784047134539
 +
# 激闘編
 +
#* 単行本第2巻 ISBN 9784047135031
 +
# ガルマ編
 +
#* 単行本第3巻 ISBN 9784047135185
 +
#* 単行本第4巻 ISBN 9784047135451
 +
# ランバ・ラル編
 +
#* 単行本第5巻 ISBN 9784047135574
 +
#* 単行本第6巻 ISBN 9784047136113
 +
# ジャブロー編
 +
#* 単行本第7巻 ISBN 9784047136472
 +
#* 単行本第8巻 ISBN 9784047136809
 +
# シャア・セイラ編
 +
#* 単行本第9巻 ISBN 9784047137141
 +
#* 単行本第10巻 ISBN 9784047137462
 +
# 開戦編
 +
#* 単行本第11巻 ISBN 9784047137714
 +
#* 単行本第12巻 ISBN 9784047138056
 +
# ルウム編
 +
#* 単行本第13巻 ISBN 9784047138506
 +
#* 単行本第14巻 ISBN 9784047138834
 +
# オデッサ編
 +
#* 単行本第15巻 ISBN 9784047139206
 +
#* 単行本第16巻 ISBN 9784047139879
 +
# ララァ編
 +
#* 単行本第17巻 ISBN 9784047150751
 +
 +
=== 愛蔵版 ===
 +
# I   始動編 - ISBN 9784048538091
 +
# II  ガルマ編 - ISBN 9784048539630
 +
# III ランバ・ラル編 - ISBN 9784048540940
 +
# IV ジャブロー編 - ISBN 9784048541954
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愛蔵版は通常版の2巻分を1巻にまとめ、連載時のカラーページをカラーのまま収録してある。ただし、通常版第2巻収録の激闘編1-4は、始動編5-8と章名が変更になっている
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=== 参考文献 ===
 +
* 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 9784047136441
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== 関連項目 ==
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*[[機動戦士ガンダム0079]]-同時期に[[電撃大王]]で連載されていた、同じくファーストガンダムを原作とした漫画。
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{{ガンダムシリーズの書籍}}
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[[Category:ガンダムシリーズ漫画作品|しおりしん]]
 
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[[Category:宇宙世紀]]
 
[[Category:宇宙世紀]]
14行目: 178行目:
 
[[Category:ガンダムエース]]
 
[[Category:ガンダムエース]]
  
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[[it:Gundam Origini]]

2024年4月24日 (水) 16:47時点における最新版

継続中の作品
この「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」はまだ完結していない作品や番組に関する記事又は節です。ある程度ストーリー・番組内容がまとまってから編集するようにしてください。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN
[[Image:|0|]]
ジャンル
漫画:
作者 安彦良和
作画
出版社 角川書店
その他の出版社
掲載誌 ガンダムエース
レーベル
発売日
発表期間 2001年6月 - 連載中
巻数 既刊・通常版17巻 愛蔵版4巻
話数
その他
テンプレート使用方法 ノート

機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)は、安彦良和作の漫画作品。原案は矢立肇富野由悠季メカニックデザイン大河原邦男アニメ機動戦士ガンダム』(アニメ版で安彦はキャラクターデザインと作画監督を担当した)をベースに、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジを施した作品である。ガンダムシリーズ専門誌「ガンダムエース」創刊号より連載。

概要[編集]

作者は『ファーストガンダム』とも呼ばれる原作アニメに、作画ディレクターおよびキャラクターデザイナーとして深く関わっており、また歴史上の人物や神話を元にした漫画作品を数多く手がけた実績もある。それらで得た経験を元に『ガンダム』という半ば神話化した作品を再構築する作品であるともいえる。

本作はTVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされたルナツー攻防戦やセント・アンジュのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども多くが生かされ登場している。一方で、現在の視点からすると不自然であったり、現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。

執筆の経緯[編集]

本作は当初、サンライズによって海外向けに『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。作者・安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであり、また安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムと言う物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院する事となり、手持ちぶさたに『ガンダム』の物語のネームを切り始めたところ一気にガルマ・ザビ戦死のくだりまで描き進められた事、さらに富野由悠季本人からも「自分も楽しみにしてるから好きにアレンジして欲しい」と言われた事で、本作の執筆を決めたとのことである。 本企画は初めに講談社へ持ち込まれたものの様々な経緯により角川書店にて行われることとなった。

本作は当初、一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなおアムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは既存の漫画雑誌には連載が出来ないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌「ガンダムエース」が創刊された。当初は季刊であったが、その後ペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された。また当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。

アニメ版との差異[編集]

モビルスーツの変更点[編集]

地球連邦軍側のモビルスーツについては大きな設定の見直しが行われ、ガンタンクが10年以上前に量産化された大型主力戦車であり、ガンキャノンザクIに対抗して開発・実戦投入された地球連邦軍初の量産型モビルスーツとされた。デザインはこの設定を前提に原作のメカデザイナーであった大河原がデザインを見直して安彦に提供している。アニメ版において、地球連邦軍では当初宇宙戦艦ホワイトベースに搭載された3機の試作機しかモビルスーツが存在せず、それらばかりが活躍しているという点は不自然であるとしばしば指摘されていたが、安彦もインタビューで同様の認識を示して変更したものである。量産機であるため、物語の主な舞台となるホワイトベースにも、ガンタンクとガンキャノンは物語開始時点において複数が稼動可能な状態で搭載されている。

また主役機ガンダムや、ジオン軍側のモビルスーツについても安彦の考え(例えばザクについては「兵器なのだから、マシンガンの弾薬を使い尽くした後、近接戦用のヒートホーク以外の武装が徒手徒拳しかないということはないだろう」と言う趣旨の発言をしている)を元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている。なおこれらの大河原新デザイン(ホワイトベースについても行っている)は、あくまでも安彦の作画のための資料として描かれたものであるため、安彦は必ずしもそのまま使っていない。それゆえ、ガンキャノンが3本指であったり、ガンダムがシールドを逆にマウントしていたりといった新設定も、それが見栄えしなければ随時オフィシャルなものに修正したりといったフレキシブルさも本作の特徴である。

物語の変更点[編集]

ホワイトベースの乗組員も、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版ではブライト・ノア以外の士官が全滅しているという極端な状況であったが、本作では中尉以下の士官が相当数生存し、相応の役割を担っているという設定になっている(なお、テレビ版では士官候補生、劇場版では少尉だったブライトも中尉に階級が見直されている)。またホワイトベースの進路も、北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然なので大陸沿いにジャブローに入ってから他を目指すよう変更されている(そのためミハル・ラトキエのエピソードやオデッサ・ディは後に描かれる事になる)。そのジャブローの位置も、アニメ版で設定されたアマゾン川流域は地盤が軟弱なため、そこに地下基地を作るのには無理があるとし、シェルターを兼ねられる様な固い岩盤があるギアナ高地の地下に再設定がなされている。ジャブローで大改装された後、ホワイトベースはベルファストでのミハルのエピソードを経てオデッサ・デイに参戦、その後再び宇宙に上がっている。

登場人物の階級・地位も見直され、先述のブライトの他、ルナツー司令ワッケイン少佐から少将に、マ・クベが中央アジア・ヨーロッパ方面司令官・大佐からジオン軍地球侵攻軍総司令・中将に、といったように相当の階級に設定されている。地球方面軍司令官だったガルマは大佐のままであるが、マ・クベの部下で北米方面の司令官という扱いになっている(アニメ版のニューヤークニューヨーク)ではなく、ロサンゼルス駐留)。またアニメ版では軍人だったアムロの父テム・レイやミライの父(シュウ・ヤシマ)も民間企業の人間に変更されている(テムの勤務先としてアナハイム社も登場している)。

主人公アムロ・レイがガンダムの詳細を知ったのはアニメでは地面に落ちていた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあった父テム・レイのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出したことになっているなど、アニメ版制作後に一般化した機器が劇中で活用されている。

エピソードの追加[編集]

ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、シャア・アズナブルセイラ・マスの兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。

ジオン・ズム・ダイクンの遺児キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)兄妹とランバ・ラル親子との関わり、ザビ家がダイクン家に代わりサイド3の実権を掌握する過程、公国制を布いたジオンと地球連邦間の確執から来る緊張感、キャスバルが公国軍のエース「シャア・アズナブル」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦からルウム戦役に至る一年戦争前半期などのエピソードが表現豊かに描かれている。

これらのオリジナルエピソードでは、安彦漫画で頻繁に見られる政治劇や陰謀などの人間ドラマが緻密に描かれており、低年齢層向けであったアニメ版を基にして描かれたジャブロー編以前のパートよりも、更に作者本来の持ち味が反映されている。

その他[編集]

第一話のアムロ
作者は連載直前のインタビューで、「アニメ第一話のように、偶然コックピットが開いてアムロが乗り込んで、というのはおかしい。今度の連載ではそこも上手く演出する」と語っていた。しかし実際の連載では、本作でもアムロがガンダムに乗り込む様子については(先に挙げたような設定の見直しで説得力を上げているものの)、基本的にはアニメ版と同様の描写であった。
コアファイター
さらに同インタビューにて、「コア・ファイターは玩具化のための設定。リアリティがないから使わない」と語り、当初コア・ファイターはガンダムに内蔵されていなかったが、ジャブローでガンダムを大改造する際にアニメよりも脱出ポッドシステムとしての色彩をより強めたものとして内蔵されている(本作では、ジャブロー以前にコア・ファイターが汎用戦闘機として登場しており、それとの差別化のため、この内蔵機は「コア・ポッド」と呼ばれている)。
作画のアレンジ
本編の作画に関しては、キャラクターは全員わずかだがアニメ版からアレンジされている。ランバ・ラルや黒い三連星などは等身が上がり、シャリア・ブルのように年齢も風貌も一新された者も居る。モビルスーツは全体的に太めでがっしりとした体形で描かれており、脚が長く腰高な現代風のスタイルとは一線を画している。
キャラクターの年齢
本作では年齢もアニメ版とは異なっていて、シャアやガルマ、ブライトらは25歳前後とされている。これはアニメ版放映当時は、子供向けであるアニメにおいて二十歳を過ぎたキャラは“おじさん”扱いであり、キャラのほとんどを二十歳前後にしか設定できなかったことから見直されたものである(ただし、これら引き上げられた年齢設定は、正式に数字での発表はされていない。本編の中で、おおよその年齢が推定できるような描写がされている)。

本作オリジナルキャラクター[編集]

地球連邦軍[編集]

ヴェルツ大尉
ガンダム01号機のテストパイロット。サイド7に侵入したザク小隊を発見、応戦するが、ザクの核融合炉を撃ってしまい、それによって発生した爆発によって機体ごと焼失する。
ウィリー・ケンプ中尉
ガンダム02号機(アムロの乗機)の正規のテストパイロット。自機に向かう途中でザクの攻撃により死亡。
ラウル中尉
ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。ランバ・ラル部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
ワッツ少尉
ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。まだ若く気弱な性格。ランバ・ラル襲撃で負傷し、その後やってきたマチルダによって搬送され、ホワイトベースから離れる。
ベンジャミン・アダムス曹長
ホワイト・ベース機関長。職人肌の壮年男性。
キム伍長
ホワイト・ベース隊のガンタンクパイロット。ガルマ隊との交戦中に戦死。
ニカウとヤン
共にホワイト・ベース隊のガンタンククルー。ニカウがパイロットでヤンはガンナー。ランバ・ラル隊との交戦で戦死。
ダニエル・シェーンベルグ兵長
ホワイト・ベース隊のガンキャノンパイロット。後に戦死したリュウに代わりガンタンクのパイロットを務める。ガンキャノンでテキサスコロニーに侵攻中、シャリア・ブルに乗機を撃破され、戦死する。
マグダレナ・ロッシ少尉
ホワイト・ベース隊の技術担当仕官でオムル達の上官。
エトゥル・ベオルバッチェ曹長
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。トルコ出身。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後オデッサ戦にて戦死。
ミカエル・ロドリゴ軍曹
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。通称ドン・ミッチ。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後ジブラルタルでの掃討戦でシャアと交戦し戦死。
ウォン・チャン伍長
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後マッドアングラー隊に対しコアファイターで出撃するも撃墜され戦死。
リツマ曹長
ホワイト・ベースの乗員で眼鏡の女性下士官。通信要員であるフラウ・ボゥの交代も行なう。

ジオン公国軍[編集]

アッシュ軍曹
サイド7に侵入したザク小隊の分隊長。分隊を率いて偵察行動中にガンダム01号機と遭遇、果敢に挑むもビームライフルの直撃により爆死。
ガルシア・ロメオ少将
ジャブロー攻撃軍司令官。プライドが高くマ・クベを激しくライバル視しているが、実力はいまひとつ。
シャアのもたらした情報に基づき大部隊を率いてジャブローを強襲、自ら移動砲台アッザムに搭乗しジャブローに攻め込むが、連邦側の陽動に引っかかって工事区画に誘い込まれ、落盤を起こされてあえない最期を遂げた。レビルには「定見の無い男」と酷評された。
「ガンダムエース」の元編集長古林英明がモデル。その憎めないキャラクターから読者の人気は高く、2004年8月28日にバンダイミュージアムでガルシア追悼式が行われている。
ネクラソフ少尉
オデッサ作戦においてマ・クベの命によりレビル乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機のパイロット。
オチョア曹長
同機の爆撃手。小心者で対空放火に堪えられずタイミングより早く核ミサイルを発射してしまう。

その他[編集]

アストライア・トア・ダイクン
ジオン・ズム・ダイクンの妻でキャスバル・アルテイシア兄妹の生母。元はサイド3のナイトクラブ「エデン」の歌姫だったが、当時一介の政治活動家だったダイクンと恋仲になる。ハモンクランプとも旧知の仲。ダイクン暗殺後はローゼルシアによって幽閉状態に置かれ、地球へ逃れた子供達のことを案じていたが、親子は再会することなく心労の為に半ば衰弱死するような形で病死し、このことがシャアを復讐へ走らせる動機になる。
アニメ版製作当時の富野由悠季による構想を記載した通称「トミノメモ」に名前のみ登場していたが、本作で初めてその姿が描かれた。
ローゼルシア
ダイクン派の大物の女性。ダイクンの古くからの同志であり、彼を愛していたが子供を授からなかったことから、彼の子を産んだ故に妻となったアストライアを激しく恨んでいた。心臓の持病を抱えており、アストライア幽閉から間もなく発作で死亡。劇中の台詞・言動から察するに彼女や屋敷の人間達はザビ家に対してなんら疑いは持っていなかった様子だったようだ。
テアボロ・マス
キャスバル・アルテイシア兄妹の養父でアナハイム社を商売敵とする実業家。旧知のジンバ・ラルのために地球に逃れてきた彼と兄妹を引き取る(この時、キャスバルとアルテイシアは名前がエドワウとセイラに変わる)。その事に関しては最初はあまり乗り気ではなかったようだが、妻に先立たれて商売一筋に生きていたテアボロは、エドワウ・セイラの2人を実子同然に可愛がるようになり、2人を無理矢理担ぎ出してザビ家に反抗しようとするジンバに対して強く非難するほどになる。兄妹を監視していたザビ家によりジンバが暗殺された際、自身も重傷を負ってしまい「これ以上2人を守ってやれない」と自分の無力を嘆いていたが、友人シュウ・ヤシマの薦めで、ザビ家に恭順の意志を示すため、サイド3に近く監視の目が届きやすい「テキサス・コロニー」に移住する。ルウム戦役時の暴動で病状が悪化し息を引き取る。セイラはテアボロを父として強く慕っており、彼の死後感謝の言葉を述べている。
シュウ・ヤシマ
ミライ・ヤシマの父親でヤシマグループの長。テアボロの友人で、彼らの移住先として紹介したテキサス・コロニーの所有者でもある。それまで軍需産業を請け負っていたヤシマカンパニーを民生企業へ転換させ、その第一号としてサイド7の建造を進めていた。物語序盤のザクのサイド7攻撃により死亡。
シャア・アズナブル
テキサス・コロニー管理者の息子。エドワウ(キャスバル)と瞳の色を除いて瓜二つの容姿を持つ。
ルウムの寄宿学校に通っていたが、ジオンのプロパガンダに影響されてジオン士官学校を受験、合格する。しかし入学のためジオンに向かう途中、キャスバルの策略により彼の身代わりで「エドワウ・マス(キャスバル)」として謀殺され、キャスバルは「シャア・アズナブル」になりすまして士官学校へ入学する。
ロジェ・アズナブル
シャア・アズナブルの父親でテキサス・コロニー管理者。温厚な人物で、ジオン士官学校に進学する息子に批判的。テキサス・コロニーでエドワウとセイラの正体を知る数少ない人物。ルウム戦役時に妻ミシェルと共にジオンに移住しようとするが、乗船したジオン行き宇宙船がシャア(キャスバル)の駆るザクに沈められて妻共々死亡。
ユウキ
サイド2の首都バンチ「アイランド・イフッシュ」に住む少年。日系の血が流れており、地球・日本への留学を控えていた。ブリティッシュ作戦時に自警団の一員として警備に就いていたが、ジオン軍の注入した毒ガスにより恋人のファン・リーと共に死亡。イフッシュは地球へのコロニー落としに使用された。

単行本[編集]

通常版[編集]

  1. 始動編
  2. 激闘編
  3. ガルマ編
  4. ランバ・ラル編
  5. ジャブロー編
  6. シャア・セイラ編
  7. 開戦編
  8. ルウム編
  9. オデッサ編
  10. ララァ編

愛蔵版[編集]

  1. I  始動編 - ISBN 9784048538091
  2. II  ガルマ編 - ISBN 9784048539630
  3. III ランバ・ラル編 - ISBN 9784048540940
  4. IV ジャブロー編 - ISBN 9784048541954

愛蔵版は通常版の2巻分を1巻にまとめ、連載時のカラーページをカラーのまま収録してある。ただし、通常版第2巻収録の激闘編1-4は、始動編5-8と章名が変更になっている

参考文献[編集]

  • 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 9784047136441

関連項目[編集]


ガンダムシリーズの書籍
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