世田谷美人女店員絞殺事件
世田谷美人女店員絞殺事件(せたがやびじんじょてんいんこうさつじけん)は1990年10月に東京都世田谷区で起きた殺人事件である。
死体発見[編集]
1990年10月31日、東京都世田谷区梅丘のマンションの一室で喫茶店員近藤まりさん(20)が8畳間のベッドわきで裸で死んでいるのを訪ねてきた勤め先の上司が見つけ、110番した。北沢署で調べたところ、首を絞められた跡があり、その死に顔はうつろな表情で天井の方を向いていたという。
近藤まりさんは休日の28日正午ごろ、勤め先の喫茶店で1人でいるところを目撃されている。また、夕方には自宅近くのコンビニエンスストアで買い物をしていたのを目撃された後、午後9時ごろには隣室の同僚女性に借りた掃除機を返しに行っていた。そのときの近藤まりさんはTシャツにショートパンツをはいていたという。
殺された近藤まりさん[編集]
殺された近藤まりさんは岩手県大船渡市出身。1985年4月に陸前高田市の高田高校商業科に入学。タイブ同好会に所属していた。「将来は美容師になりたい」と周囲に話していたという。
– 近所の人
1988年3月に卒業後、翌年に上京して渋谷区内の喫茶店に勤め、同店が女子寮として借りていたマンションで暮らしていた。
しかも近藤まりさんは、午前8時から夕方5時の昼の勤務が終わった後、新宿のスナックでアルバイトまでしていた。
“どうしてそんなに働くの”って…聞くと、“昼のお給料だけじゃやってけないもの”っていってましたね。
– 近所の商店主
地方から憧れの東京に出て来た少女から抜けきれない彼女にとって、毎日は刺激的だったに違いない。
– レンタルビデオ店主
やっぱり東京は楽しいよ…
– 近藤まりさん
犯人逮捕[編集]
北沢署は12月29日、別の窃盗容疑で11月15日に高島平署に逮捕されていた五十嵐春夫(24)を殺人容疑で再逮捕した。五十嵐には窃盗の前科があり、仮出獄中の犯行だった。
調べによると五十嵐春夫は10月28日夕方、近藤まりさんの留守中に合鍵を使って玄関から侵入。その後、近藤まりさんが帰宅したので、台所に隠れたが見つかり、外に逃げられそうになったので、手袋をはめた両手で後ろから首を絞めて殺害。さらに、近藤まりさんの死体を8畳間に運んだ後、衣服を脱がせ、裸の死体と性交したという。
判決[編集]
1991年7月24日、東京地裁は検察側の求刑通り五十嵐春夫に無期懲役の判決を言い渡した。