ビキニアーマー
ビキニアーマー (Bikini armor) とは、ビキニタイプの鎧を意味する[1]。日本では“ビキニ鎧”、英語圏では“Metal bikini”などとも呼ばれる。フィクションに登場する女性キャラクターが装備する。
概要
アーマー(鎧)と名うってはいるが、ビキニ水着と類似した形状を持つビキニアーマーは、“身体を守る”という鎧本来の機能が果たせたデザインになっておらず、完全にフィクションと割り切ったデザインの防具である。
デザインのアレンジとして、モノキニタイプやワンピースタイプやボンデージタイプ、またビキニブラにミニスカートを合わせたタイプなど、比較的露出度が低いものがある。
なお、史実上では露出度の高い女戦士が実戦で活躍したという記録は見つかっていないが、ハンブルク博物館所蔵のローマ時代に作られたビキニの下だけ身に着けたような半裸女性のブロンズ像は勝鬨を上げる女剣闘士を模ったものである(=つまり剣闘士の女は半裸で戦っていた)という説が存在する[2]。
歴史
1930年代 -
アメリカで出版されたパルプ・マガジンの表紙に、金属製に見えるブラジャーを着用している女性のイラストが用いられた。その金属製に見えるブラジャーが後に、女性戦士が着用するビキニアーマーとして用いられるようになったことが考えられる[3]。
Weird Tales 1934年12月号、Margaret Brundageによるイラスト。金属製に見えるブラジャーを着用している。パルプ・マガジンの表紙イラストは、危機的な状況にいる女性が描かれることが多かった[4]。
Fantastic adventures 1943年1月号、Robert Gibson Jonesによるイラスト。ビキニアーマーを着用している女性戦士になっている。
1970年代 -
スケイルアーマータイプのビキニアーマーを着用している『レッドソニア』は英語圏で人気があり、多数の関連コミックが出版された。1973年の『Conan the Barbarian #23』に初登場[5]した際には上半身を覆うチェーンメイル姿だったが、1974年の『The Savage Sword of Conan #1』でビキニアーマー姿になった。
昭和期の日本ではアメリカと同様に、漫画やアニメやコンピュータゲームなどのさまざまな創作物で、セクシーなコスチュームを着用している女性キャラクターが用いられた。これは、男性読者へのサービスという要素に加え、現代日本とは異なる世界観やキャラクターを一目で示すことを兼ねていたことが考えられる。その流れから、1985年のOVA『幻夢戦記レダ』、1986年のアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』、1988年のコンピュータRPG『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のように、刀剣類と合わせるビキニアーマー姿の女性戦士が用いられた。
脚注
- ↑ ページ下の参考資料(外部リンク)を参照。
- ↑ () 古代ローマ、女剣闘士は実在した? ナショナルジオグラフィック [ arch. ] 2016年6月12日
- ↑ ページ下の参考資料(外部リンク)を参照。
- ↑ パルプ・マガジンのリストのWikimedia Commonsを参照。
- ↑ キャラクター自体はロバート・E・ハワードの短編小説『The Shadow of the Vulture』に登場した「Red Sonya」に基づいているが、ビキニアーマー姿になったのはコミックから。
参考資料
- ビキニアーマー文化服装学 ビキニアーマーの定義、パルプ・マガジンに登場する金属製に見えるブラジャーの資料、その他。