飛騨山脈

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テンプレート:山系 飛騨山脈(ひださんみゃく)は、富山県岐阜県長野県に跨って連なる山脈。一部新潟県の部分もある。通称北アルプス木曽山脈赤石山脈と共に日本アルプスを構成する。なお、日本アルプスの名付けの親は、イギリス人鉱山技師ウィリアム・ゴーランド(ガウランド)であるが、彼が最初に日本アルプスと名付けたのは、飛騨山脈のみであった。

地質学的見地

飛騨山脈は、東西から大きな圧力を受け、褶曲により盛り上がってできた山脈である。位置的には、フォッサマグナの西の端になる。山脈が出来たのは、第三紀である。

また、飛騨山脈は、かつて乗鞍火山帯に属すると言われたほど火山が多い。反面、中央アルプス・南アルプスには火山はひとつもない。

なお、現在の火山学地質学では、地名(山名)を使った○○火山帯という呼称は用いず、太平洋プレート或いは、フィリピン海プレートユーラシアプレート北アメリカプレートに沈み込みにより火山が生ずるという理論に基づき、沈み込み帯のユーラシア大陸側に東日本火山帯西日本火山帯火山フロントが帯状に存在するという考え方である。

飛騨山脈は、太平洋プレートが北アメリカプレートの下、さらにその先のユーラシアプレートの下に潜り込むことによりその力で形成されたものである。

地形

その形状は巨大なY字型である。Yの字の中心を流れるのは、日本のV字谷中でもその急峻さと、巨大なアーチ式ダムである黒部ダムで著名な黒部峡谷である。 その西側は剱岳立山などの立山連峰、東側が白馬岳鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰である。

この二つの峰は、南側、すなわち黒部川の源頭部で一体となるが、その接点に位置するのが三俣蓮華岳である。さらに、稜線は東南方へと延び、西鎌尾根を経て穂高連峰へと連なっている。穂高岳からは、西穂高岳の稜線を経て、焼岳、さらに最南端に位置する乗鞍岳へと続く。一方、北方の稜線は、その東側において、白馬岳から朝日岳を経て、最後は交通の難所として知られる親不知から日本海へと落ち込んでいる。

主稜線の東側には、常念山脈と呼ばれる前衛の山々が連なり、唐沢岳餓鬼岳から始まり燕岳大天井岳常念岳と続き、霞沢岳と続いている。松本平安曇平をはじめ、長野県の平地部分から見える多くの峰々はこの常念山脈の山々である。燕岳から大天井岳を経て槍ヶ岳に至るコースは表銀座と呼ばれている。一方、烏帽子岳から鷲羽岳、双六岳を経て槍ヶ岳に至るコースは裏銀座と呼ばれている。

主稜線の樅沢岳から南西方向に分かれ、槍穂高連峰と蒲田川を隔てて笠ヶ岳錫杖岳が対峙している。

植生

北アルプスは、南アルプスに比べて浸食が進んでおり、急峻な山容の山が多い。そのことは、しかし逆に言うと岩盤が露出して土壌の発達が悪く、植物相が貧弱である、ということも意味する。ただし、白馬岳周辺・三俣蓮華岳・双六岳・蝶ヶ岳など比較的なだらかな山容の山では、非常に規模の大きな高山植物の花畑が見られる。特に、積雪量の違いから、南アルプスには乏しい湿性の花畑が北アルプスでは豊富である。

南部と北部では積雪量に相当の差があり、比較的雪の少ない南部では亜高山帯針葉樹林がよく発達しているが、日本海に近い北部の白馬岳付近は大量の降雪のため、亜高山帯針葉樹林は貧弱である。代わりに、低木化したミズナラ(ミヤマナラ)やダケカンバなどの偽高山帯と呼ばれる植生が見られる。森林限界は、南部では2,400-2,500m程度だが、北部では積雪のため森林限界が大幅に下がっている地域もある。

主な山岳

飛騨山脈の地形図。
※表示環境によっては文字がずれることがあります。

後立山連峰

立山連峰

黒部川源流部

主稜線

常念山脈

岐阜県側

乗鞍岳から南への延長線上にある御嶽山までを含めるという説もあるが、一般的には御嶽山は含まれないというのが定説である。

画像

関連項目

外部リンク

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