人づて検索
人づて検索(ひとづてけんさく)とは、ソーシャルグラフを利用した人力検索で、セマンティックウェブの実現方法のひとつであり、蓄積された情報から意味に基づく情報検索とは異なり、六次の隔たりまたは十九次の隔たりの理論に基づき意味の検索を可能とするネットワーク手法。セマンティックウェブでは多くはファイルやページに埋め込まれた詳細な情報を検索エンジンに認識させ、該当しそうなファイルを文脈から読み取り一群で提示する。また、ネットワーク掲示板では質問を公開し閲覧により回答者を集い回答を得る。人づて検索は回答できる人までタスキリレーの形で質問に答える方法を言う。人力検索と同種の検索であるが、ネットワークに仮想トンネリングを構成し、友人から始まり知人を経由してゆくことで、情報の信頼度を高める効果がある。ネットワークのクラスター化と仮想トンネリングにより、チェーンメールのような反社会的行為を排他させる。
解説[編集]
「人づてに聞く・口コミで聞く」というの事を、英語では”hear through the grapevine”と表現する。grapevine [gre'ipvain][グレ'イプヴァイン]「ぶどうのつる」という意味であり、直訳すると「ぶどうのつるを通して聞く」となる。この「ぶどうのつる」こそが現代ではインターネット網に相当し、そしてインターネットにおいて”人づてに聞く”ということは自身の意思で探すことから成り立つ。パソコンなどインターネットを利用することも自身の意思となり、「ぶどうのつるを通して聞く」と言うことは検索または投稿での回答待ち(掲示板、QAなど)を意味する。検索は能動的で回答待ちは受動的として利用者の選択を可能とし、人づて検索はこの前者を意味する。同意語に「人力検索」が日本では広く使われている。しかし、日本での人力検索と、ソーシャル人力検索サービスを提供するアードバーク(Aardvark)社の「ソーシャルグラフを利用した人力検索」では大きな違いがあり「ソーシャルグラフを利用した人力検索」とは「人づて検索」のことである。「人づて検索」とは別名「ソーシャルグラフを利用した人力検索」である。
ソーシャルグラフ[編集]
ソーシャルグラフの概念を提唱したのは米国に在住するエンジニアBrad Fitzpatrick氏(2007年)で、氏は「自分の発言(ログ)」と「自分の関係性(ネットワーク)」という「自分のデータ」は、基本的にユーザーに帰属し、どのサイトでも利用できるようにするべきとの考えであり、現在のSNSなどに代表されるメディア・サービスのプロバイダー企業は、ユーザーの囲い込み合戦をしているのが現実で、何か調べたいことがあれば、検索ではなくてTwitterにつぶやいたりすると、誰かがリンクをくれることを考えれば解る通り、究極的には、ソーシャルグラフはGoogleなどの検索エンジンにも取って代わる可能性がある。自分の同僚や友達になにかをたずねるのと同じ感覚の「口コミ」という強力で信頼性の高い人力検索が立ち上がる可能性が高い。
参考文献[編集]
- 林 信行 (2009) 林 信行 進化するグーグル 株式会社青春出版社 08 2009-15 2010-08-01
- タラ・ハント (2010) タラ・ハント = 2010-08-01 ツイッターノミクス 株式会社文藝春秋 08 2010-03
関連項目[編集]