ザ・おやじファイト

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ザ・おやじファイト(THE OYAJI FIGHT)は、ボクシングのスパーリング大会である。30歳以上を対象とする。本項では姉妹イベントであるなでしこファイトについても記述する。

概要

30歳以上の男性で、「プロフェッショナル、アマチュアを問わず、ジム及び道場、スポーツクラブ等に所属し日頃からボクシングの練習を行っていて、2分3Rの試合に出場」であれば参加可能。上限は事務局が可能と認めるコンディションであれば特になし。

年齢ごとのカテゴリーを設定し、体重別階級ごとに競技(スパーリング)を行う。プロ同様のタイトルマッチ制度で王座を決定しており、チャンピオンベルトも授与されている。

THE OYAJI FIGHTとtheの後に母音のoが続くが公式名は『ザ・おやじファイト』である。(ジではない)

なでしこファイト

ザ・おやじファイトの興行内で行われる女子ボクシングマッチ。18歳(当初は20歳)以上の女性を対象とする。

ザ・おやじファイトに1 - 3試合挿入する形で行われている(当初は2部構成だった)。

参加選手の中にはJABFと並行して参戦する者や、後にJBCボクサーライセンス取得に至る者もいる。

歴史

B:TIGHT事務局が主催に当たり、元ワタナベボクシングジムマネージャーの瀬端幸男(後のreasonジム会長)が大会プロデューサーに就任。JABFからは何らかの圧力を受けたものの、第1回大会が2006年11月5日新宿FACEで開催された。この大会はNHK日テレのニュースでも取り上げられた。このときの年齢は35歳以上(JABFによるアマチュア選手の年齢制限が35歳未満)であった。

2007年に王座も設定され、初代王座決定トーナメントが組まれた。この年には元世界チャンピオンの小林光二を始め、かつての名プロボクサーも参加しており、注目度も高まった。また、事務局がB:TIGHTから独立し、年齢制限も35歳から33歳(JBCプロテスト受験資格が32歳まで)に引き下げられた。

当初はJPBA加盟ジムの参加もあり、JBCオーナー・トレーナーなどのライセンス保持者の参戦もあったが、2011年頃にJBCからの圧力が掛かり、JBCライセンス保持者の選手・セコンド等参戦禁止、スタッフからも撤退し、JPBA加盟ジムも参加禁止を余儀なくされた(JBCライセンスを保持していない個人がJPBA加盟ジムで練習を行い参加は可)。

2008年には初の地方大会も開催され、チャンピオンカーニバルも開催された。2009年4月26日のモンデール銀座ホール大会では、女子プロボクシング本格始動に合わせるかのように「なでしこファイト」も開催。9月13日の第3回なでしこファイトではJBC女子より先にチャンピオンベルトが作られた

近年の大会は主にモンデール銀座ホールで行われている。

一方で、ザ・おやじファイト専門のジムも登場している。

地方では札幌・茨城・静岡・兵庫・福岡・佐賀・長崎・熊本で開催、中部も予定

年齢別カテゴリー

ザ・おやじファイト
  • R30 30歳以上40歳未満
  • R40 40歳以上50歳未満
  • R50 50歳以上
  • OFB プロボクシングA級・トップアマチュア・その他格闘技上級経験者
  • RF 年齢カテゴリーでマッチメイク不可能な試合
なでしこファイト
  • R20 18歳以上30歳未満
  • R30 30歳以上40歳未満
  • R40 40歳以上

体重別階級

ザ・おやじファイト
  • フライ級 ~51.0kg
  • バンタム級 51.1kg~54.0kg
  • スーパーバンタム級 54.1kg~56.0kg
  • フェザー級 56.1kg~58.0kg
  • スーパーフェザー級 58.1kg~60.0kg
  • ライト級 60.1kg~62.0kg
  • スーパーライト級 62.1kg~64.0kg
  • ウェルター級 64.1kg~67.0kg
  • スーパーウェルター級 67.1kg~70.0kg
  • ミドル級 70.1kg~73.0kg
  • スーパーミドル級 73.1kg~77.0kg
  • ライトヘビー級 77.1kg~82.0kg
  • ヘビー級 82.1kg~
なでしこファイト
  • アトム級 45kg
  • ストロー級 48kg
  • フライ級 52kg
  • バンタム級 56kg
  • フェザー級 60kg

ルール

試合はオープンフェイスタイプのヘッドギアを着用。グローブは事務局が支給するもので、フライ級からミドル級までは14oz、ライトヘビー級以上は16ozを使用する。

内側が5m以上7m31cm以内のリングを使用し、2分3Rで行う。

審判はレフェリーとジャッジ3名。採点はプロ同様の10ポイント制でラウンド・マスト・システムを採用。王座決定戦においてドロー判定を付けたジャッジは優勢を判断して勝敗を決める。

スタンディングダウン・クリーンヒットダウンあり。ツーノックダウン制であるが、1試合にて3度のダウンでKOとなる。

選手の安全などを考慮の上で、イエローフラッグ(一時中断)・レッドフラッグ(中止)が投げ込まれる。

スタッフ

運営
  • 大会実行委員長:郷龍一
  • コミッショナー:小林正博
  • 関東地区事務局長:鮎川博之
  • 関西地区事務局長:戎岡彰
  • 九州地区事務局長:殿村真功
  • 中部北陸地区事務局長:金子謹也
レフェリー・ジャッジ
リングドクター
  • 清水敬樹
  • 小山郁
タイムキーパー
  • 松川武文
リングアナウンサー

過去のスタッフ

レフェリー・ジャッジ
リングアナウンサー

参戦経験のある主な選手

JABF・JBCで実績を残した選手

なでしこファイト参戦後JBCライセンスを取得した選手

歴代王者連続防衛記録

順位 名前 国籍 在位期間 王座 防衛
1 山本裕一 日本の旗 日本 2010年2月28日 - 2017年7月30日 R40ライト級 10
2 尾崎厚志 日本の旗 日本 2007年9月16日 - 2010年10月24日 R40バンタム級 8
3 佐藤昇 日本の旗 日本 2010年8月29日 - 2016年7月31日 R30スーパーフェザー級 7

複数階級制覇

ザ・おやじファイトは、階級が体重別に分類されているだけでなく、カテゴリーも年齢別に分類されていることから、複数階級制覇を遂げ易いシステムになっている。佐藤昇は、R33フェザー級とR30スーパーフェザー級の二階級制覇を遂げている。また、現在、千葉県習志野市立習志野高等学校ボクシング部監督の関茂峰和は、R33フェザー級とR40スーパーフェザー級の二階級制覇を遂げている。なお、関茂峰和のザ・おやじファイトにおける試合には、常に、多くの生徒及びその父兄が大型バスを借り切って、試合会場へ応援に駆け付けることから分かるように、文武両道によるその姿勢で、生徒だけでなくその父兄からも慕われている素晴らしい教師であることが自然と観衆に理解され、このザ・おやじファイトとは、ボクシングの技量を競うだけではない意義のある興行の側面も持ち合わせている。

パウンド・フォー・パウンド

パウンド・フォー・パウンドとは、ボクシングなど格闘技の世界で、全階級のチャンピオンが同じ身長・体重で身長差・体重差がなく戦った場合に、一番強く一番優れていて最強であると目されるチャンピオンに与えられる称号である。このザ・おやじファイトにおいては、岩瀬一茂がパウンド・フォー・パウンドの最強であると目されるチャンピオンである。ジャーナリスト佐藤昇が、岩瀬一茂と対戦して敗れた選手に取材したところ、その選手は「アレのパンチはヤバい。喰らったら脳天まで痺れがきた。意地を根性でダウンしなかっただけ」と回答した。なお、岩瀬一茂は、R40ライト級とOFBスーパーライト級(R30スーパーライト級も含む)とR30ウェルター級の三階級制覇を遂げている。

関連イベント

  • B-UPスパーリングマッチ
    • 17 - 35歳の男性を対象とする。
  • ナイスミドル
    • 40歳以上の男性を対象とするキックボクシング大会。

参考出典

ベースボール・マガジン社「ボクシングマガジン」2008年12月号No.499P199ジムファイルNo.162、ビータイトスポーツジム紹介

関連項目

外部リンク