中山孝太郎
中山孝太郎(なかやまこうたろう1949年12月16日-)日本の小説家
広島生まれ
法政大学文学部 文学士
東京建築専門学校 一級建築士
幼少期に将来は建築家になるか小説家になるかが夢であった
しかし、うだつがあがらない
1998年、第68回コスモス文学新人賞(長崎市のコスモス文学の会主催)
小説部門に「憔悴した点」が決定し、受賞
著作
「脳裏をえぐる映像」
「ひろしまのデルタを歩くリベラリスト」
「広島西飛行場存続の危機脱出変遷史」
「魚(うお)」
「現れた情景」
「藪を這う」
「気になる紐と首」
「壕の咽び」
「大型の粗大ゴミ」
「運転資金の調達」
など
代表作品
「藪を這う」http://bungeikan.jp/domestic/detail/567/
「争点」http://bungeikan.jp/domestic/detail/1006/
趣味
ニコン、ライカカメラ、読書
所属団体
日本文芸家協会、日本ペンクラブ、安藝文學会員
外部リンク
過ぎ去った昔、幾多の困難があった。
そんな中、短編、中篇の純文学小説を書き続け、
数百の作品がたまるが、中々日の目を見なかった。
だが、1998年、中山が人間の煩悩あるいは、こころの葛藤を
描きぬいた僅か「1センチ4ミリ」を争う世界の作品が、やっと芽生えた。
孝太郎のモットー
中山孝太郎の行動をマーク
カレはどんな生活をしているのか?
ひたすらに生活の事を考えて行動している。
ワークのあらゆることについてである。
基本はノンフィクションであるが、思うようにはいかない。
これが人生であろうか。
だが最後まで諦めてはいけない。自分で己の運命を切り開こう。
為せば成る。
為さねば成らぬ。辛いことが多いと思う。それを乗り越えて楽がある。
まさに天と地は自分の仕切り方に因って、違ってくる。些細な事でも、
その都度運命は変わっている。今日の予定は、
まず計画をしっかり立てたものを、
成る様に実行に移し、地道に努力する。成るまで頑張る。
この世に生かされているかぎりは、突き進まないと天罰が下る。
「ピンチはチャンス」は何度もないはずだ。とにかくやらないことには、
話にならない。
作品の感想
「争点」
思わせぶりで、深刻な出だしで始まるこの小説に、
何事を作者は語りだすのだろうかと一気に話に引き込まれた。
誰にでもその深刻さの度合は違えどおこりうる間違いが
その人の人生の全てを左右してしまうという話は興味深い。
作者が“点”という言葉に主人公の仕事と重ね合わせて
こだわりをみせる所が面白い。
特に点滴の“点”という字を見て脳裏から取れなかったと言う
エピソードはなる程と思う。
最後は、主人公の長年の秘密(悩み)がとけるわけだが、
問題の土地を前にして主人公がへたり込み、
全身の力が抜けるシーンで“一点の世界の大地から、
いままで私が注ぎ込んだ活力よりも遥かなエネルギーの源が
加えられた気がした”というくだりは、
この小説の主題をよく表わした秀逸の文章だと思う。
「藪を這う」
悲しい話でした。主人公である“滝沢”は、
もはや生きている、というだけで、
わずかばかりに残された気力は、生存する為にだけ使われる。
歓楽街に出て残飯をあさる。山の麓の小屋に住み、蛇をとる。
言葉も忘れ、ただ生きているだけの主人公滝沢は、
かつて世話をしてやった黒川に出会い、
彼の恩を忘れない男気によって社会復帰への道が開かれるが、
それすらも、滝沢にとっては、
わずらわしいものでしかなかった。
彼はもう、なにもいらないのだ。そんな滝沢が唯一、心を動かしたのが、
生きていく為ではない、それ以外の行動を起こさせたのが、
車から優しく手を振った女性の存在であった。
滝沢は、彼女を探した。もう一度、彼女に会いたいと思った。
しかし、彼は小屋に戻り、蛇を食べて暮らすいつもの生活に戻るしかなかったのだ。