仕組預金

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仕組預金(しくみよきん)とは、銀行に有利な特約を付ける代わりに金利を上乗せされた定期預金のことを言う。

「預金」とは名ばかりの、元本半減もあり得るハイリスク運用である。

概要[編集]

デリバティブが組み込まれて運用される中途解約が不可能な定期預金であり、やむを得ず中途解約した場合、元本を割れ込む可能性がある。日本では円建ての物に関しては預金保険の対象となる。

この仕組預金は、仕組債の外側の箱を預金に変えたものと考えればわかりやすい。仕組債は、証券会社が販売するに際して、十分と言えないまでも証券取引法によってそれなりに厳しく規制されてきた。一方、銀行はそもそもリスク商品を販売することが想定されていなかった為、銀行法証券取引法と比べて緩やかであった。規制がゆるやかな中で元本割れリスクを十分に説明することなく販売された仕組預金は、社会問題にまで発展した為、証券取引法から改正された金融商品取引法は、これまで対象としていなかった仕組預金まで規制を広げている。この規制を受けて、全国銀行公正取引協議会は平成19年4月19日に『仕組預金にかかる表示について』という仕組預金の広告に関するガイドラインを公表した。

仕組預金の例としては、(a)円で預け入れ、そのとき約定した外貨で運用し、満期日に外貨の価値が下がっていれば元本を外貨で払い戻す権利を銀行側が持つ等の二重通貨定期預金、(b)預け入れ期間が二つ設定されており、そのときの市場環境によって満期日を選択する権利を銀行が持つなどの満期日変更特約付定期預金(コーラブル預金)等がある。

外貨建て仕組預金は、預金保険の対象とならず、中途解約の違約金、為替手数料、為替リスク、元本を外貨で払い戻されるリスク、満期日の変更リスクなどのデメリットを顧客が負うことになる。

円建て仕組預金は、中途解約の際には違約金はあるが、預金保険の対象となり、満期まで預けるなら元本は保証される。

気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心[編集]

今、普通預金の金利は0.02%程度。預けていても利息はほとんどつかないに等しい。そんな中、3%や4%といった高い金利を謳っているのが「仕組み預金」だ。しかも銀行が扱っているうえに預金とくれば、安心感も増すに違いない。

だが、安易に信用してはいけないのである。

仕組み預金というネーミングが誤解を招きやすいのだが、これは定期預金や普通預金のような、いわゆる“預金”ではない。デリバティブを組み込んだ金融商品で、リスクもかなり高いのだ。   仕組み預金にはさまざまなタイプがあり、ひと口に説明するのは難しい。ここでは、「ノックイン」条項がついた仕組み債について説明していきたいと思う。ノックインとは、前もって決められた水準を下回ることである。ノックイン型の仕組み預金には、日経平均株価を指標とするもの、外国為替を指標とするものなどがある。期間も1年以下の短期、あるいは3~5年の中期と多様だ。いずれも3~5%といった高い金利を謳っている。

ただし、この金利が運用期間中ずっと維持されるとは限らない。最初の3カ月だけは保証されるものの、それ以降は変動金利になるタイプもあるのだ。   そして、一度でもノックインすると、以後の償還金額(満期に受け取る金額)は保証されずに、変動価格になってしまう。つまり、大きく元本割れする恐れがあるのである。

実態はハイリスクでローリターン

少々わかりづらいので、日経平均を指標とするタイプで説明してみよう。

例えば、ノックイン水準が65%の場合、行使価格が1万円であれば、ノックイン価格は6,500円になる。運用期間中にノックインをしなければ、元金はそのまま償還金額になり、金利がついて戻ってくる。

しかし一度でもノックインすると、それ以降は日経平均に連動して上下する。仮に日経平均が5,000円になれば、基準価格は5,000円になってしまう。元本が半分になるというわけだ。これに金利がついてはくるが、半分になってしまっては、いくら金利がついても損失を取り返すことはできない。

なぜ、こんな仕組みになっているのかというと、ノックイン型には一種のオプション取引が組み込まれているからだ。仕組み預金の購入者は、日経平均連動型ならプットオプション(一定の期日に一定の価格で債券や株式を売る権利)を金融機関に売っているのである。こういわれて即座に理解できる人は、少ないだろう。とにかくハイリスクな商品だといえる。それなのに、こんな難しい仕組みの商品を、銀行の窓口で簡単に説明するだけで売っているのだ。

例えば、日経平均の都合のいい時期のチャートを見せて、「ここまで下がると、元本の保証はなくなります。でも、ここまで下がると思いますか?」と尋ねる。顧客が「まあ、ここまでは下がらないでしょうね」といえば、それで話を進めてしまうといった具合である。

とはいえ、リーマンショックや東日本大震災など、日経平均が5割、6割と下がることが何度もあった。目先の金利に目を奪われずに、リスクをしっかり理解することが大事なのである。

実際、内容をしっかり把握している人は、仕組み預金には手を出さないともいう。

理解できないものに首を突っ込むと、あとで痛い目を見ることになるということだ

外部リンク[編集]