アカポス
アカポスとは、アカデミック・ポスト(academic post)の略。代表的なものは大学教員。
また、ポスドクとはポストドクトラル・フェロー(postdoctoral fellow)の略で、博士号(ドクター)取得後に任期制の職に就いている研究者や、そのポスト自体を指す語である。博士研究員とも呼ばれる。博士課程を修了した雇われ研究者のこと。大抵は1年契約で、長くて3~5年の契約である。年収は400万円程度が多い。
オーバードクター問題
アカポスに就けなくてもポスドクの職があるだけましと言われている。1991年、文部科学省(当時の文部省)の大学審議会で大学院学生倍増計画が出された。それ以後大学院生の増加にともなって、定職に就けない余剰博士(オーバードクター)が増えた。
博士号取得者約10万人のうち企業にいるのはわずかに1万人で、大学が7万人。少子化時代に大学や学部、研究室が増えることはないため、博士達がポスアカに就くことはますます困難となっている。
このような状況の下、文部科学省は2009年6月5日、第2期の中期目標素案作りが進む各国立大学に、大学院博士課程の定員削減を要請した。
博士課程とその後の待遇
博士課程時点では、立場はまだ学生のため給料はなく学費を払う立場である。以前は、学費以外、学会費等も自弁の上、指導教授の無理難題に無償で奉仕するのが当然だった。現在は、奨学金制度やティーチングアシスタント制度等の金銭面での考慮が出来てきたが、学費を払う教授の奴隷と思った方が現実には近い。近年アカハラという言葉も広まってきた。
理系だと若き研究者は大半が 博士課程 → ポスドク → アカポス という道筋を辿る。博士課程では、院生に対してTA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)として若干の給料を払うところがある。しかし、かなり恵まれたところでも年間数十万円、授業料と相殺されてトントンくらいなので、生活費は親のスネをかじるかJASSOの奨学金を借りる必要がある。一方、国が募集する学振特別研究員(DC)に採用されると、月額約20万円の給料(正確には研究奨励金と言う)がもらえるが、非常に狭き門である。採用されて1年目に博士号を取得できれば2年目からは月に36万円もらえる。学振を得るにはそれなりの業績が必要。
ポスドクは通常、贅沢はできないが十分暮らしていける程度の給料をもらえる。TAだけでは自活できない。
現在の博士課程の院生たちはどこの研究室に配属されるかで運命が変わってしまう、理不尽な環境に置かれている。ある研究室の学生はみな業績が稼げて就職先(アカポス)は見つかっても精神を病むほどせっつき回されて追い込まれ、また別の研究室の学生は心身は健康でも肝心の業績が上がらなくてアカポスも見つからず、そしてある研究室の学生は業績が全然足りないのにコネでアカポスに就いてるのに別の研究室の学生は業績があってもコネがないばかりにフリーター生活を余儀なくされている。
アカポスになるには
- 旧帝クラスの大学にいることが前提。
- 30歳近くまで定職につけないことを覚悟する。 その際には誰も恨まず諦めること
- 研究室配属時に教授にかわいがられる(期待される)ように教養・専門に関わらず成績表に『優』を並べておく。
- 研究室を選ぶ際には(下記条件)に合致する室にする。6年後くらいに助手(助教)が准教授に昇進しそうなところならなお良し。同期に自分と同程度以上に優秀な学生がいないとさらに良い
- 学士で卒業・修士で卒業の連中には目もくれず研究に取り組む。もちろん論文読み等の勉強も怠らない
- M2の時に学振に申請。DC1に採択される。
- 最近多い博士精神疾患に注意しながら、さらに研究に打ち込む
- 3年できっちりと博士号取得
- アカポスなんて所詮はコネが殆どなことに気づいて愕然とする
研究室を選ぶ際
一番成算の高い研究室を選べ。
具体的には力があり(他大学にも影響力があるような奴がベスト)かつ学生の(進路の)面倒見が良い教授を選べ。その上でお前に才能が伴っていて、その教授に可愛がられてれば なんとかなる。
東大生え抜きは東大に残れないと非常に厳しい。総合的に考えると、割が合わない。
一番ラッキーなケース
- 大学学部(都内有名私大)→修士・博士(東大ロンダ)→都内有名私大の助手
- 大学学部(都内有名私大)→修士・博士(東大ロンダ)→ポスドクand/or海外留学→都内有名私大の講師or助教授
つまり、院で東大へロンダして、母校へ教員として戻るのが王道。