田代祭
この項目では、インターネット上で起こった騒動について説明しています。スクリプト「田代砲」については「荒らしプログラム」をご覧ください。 |
田代祭(たしろまつり)とは2ちゃんねるで起こされた”祭り”のこと。悪ふざけとしてのネット投票推進運動が展開された。第一弾は2001年12月ごろに行われている。
タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーへのネット投票
2001年12月9日に田代まさしが風呂場覗きにより逮捕され、同12日には覚醒剤所持・使用により再逮捕された。田代は過去にも女性の下着の盗撮・覗きの容疑で書類送検された前歴があったため、2回目の不祥事に2ちゃんねる上は”祭り”となった。
2ちゃんねるではその後、ニュース速報板などを中心に、「タイム」誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に田代(登録名はMasashi Tashiro)を1位にしようと、同誌ウェブサイトの投票ページへの大量投票が組織的に行われた。同ウェブサイトでは多重投票が可能なシステムとなっており、手動による多重投票はもちろん、スクリプトやツールなど(「砲」と呼ばれる)を利用した多重投票も行われた。
「砲」とは、httpクライアントを利用した投票を効率よく繰り返すためのツールで、代表的なものに「田代砲」、「メガ粒子田代砲」、「25連打田代砲」、「超田代砲」などがある。これらは2ちゃんねる上で「田代兵器」と呼ばれた。これらの「田代兵器」が多数の2ちゃんねらーによって同時使用されたため、同ウェブサイトは一種のDoS攻撃を受けた状態となり、サーバーがダウンする事態に至った(なお、スクリプト「田代砲(田代兵器)」そのものにおける詳細な解説は、荒らしプログラムを参照されたい)。
最終的に「Masashi Tashiro」は、同ウェブサイト上の投票でオサマ・ビンラディンに約2倍の差をつけて1位を獲得した。他にも同ウェブサイトでの投票結果には、ローマ教皇ハドリアヌス7世(Pope Hadrian VII)[1]といった実在しない人物や、この年手首の故障で活躍できなかったノマー・ガルシアパーラ(Nomar Garciaparra)、さらにはナザレのイエス(Jesus of Nazareth)といった明らかに悪ふざけと思われる人名が名を連ねる結果となった。結果、不正な組織票が投じられたと言う事実は明らかであったことから投票は中止され、同年のアメリカ同時多発テロ事件でリーダーシップを発揮したルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長がパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出された。
その後の影響
この騒動によって2ちゃんねる内にお祭り会場板が開設された。2002年以降のタイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーでは、雑誌編集側が指定した人物への投票に限定するようになり、読者が新しい人物を設定して投票できないように投票方式が改良された。
その後も2002年度のタイム誌アジア版の「アジアのヒーロー」の投票、2003年度の東京帽子協会主催「ハットグランプリ2003」の投票などでも「田代まさしをインターネット投票で一位にする」という運動が行なわれ、Yahoo! JAPANのアーティスト・楽曲検索ランキングで上位が田代まさしやシャネルズ、ラッツ&スターで独占されたこともあった。電波2ちゃんねる(現:ちゃんねるぼっくす)のアンケートコーナー「せろ〜ん調査」ではあらゆるアンケートに田代まさし関連の項目が作られ、過重投票により電波2ちゃんねるサーバーをダウンさせたほどであった(その後同サイトはサーバーを交換して復旧するが、せろ〜ん調査は閉鎖された)。
その後も、何かしらのネット投票で、「田代まさし」を1位にするための投票をする者が消えることはない。2007年4月現在もごく少数の2ちゃんねるの「過激派」が同様の活動を続けている。これらの行為は極めて悪質であるが、同一人による多重投票が可能であることなど、ネット投票に於ける問題点に就いても指摘する声が一部であった。
注釈
- ↑ フレデリック・ロルフの1904年のゲイ小説『ハドリアヌス七世』の主人公
関連項目
外部リンク
- 【米TIME紙】田代がビン・ラディン抑え世界一!
- TIME誌「今年の人」に田代まさし!?(ZAKZAK。インターネット・アーカイブによるキャッシュ)
- 1位はなんと?TIME「PERSON OF THE YEAR」投票にネットの“力”(ITMedia)
- 中日春秋(中日新聞。インターネット・アーカイブによるキャッシュ)
- 田代兵器乱射中の画像(インターネット・アーカイブによるキャッシュ)
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