性急保護

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2008年8月5日 (火) 05:51時点における蒼海 (トーク | 投稿記録)による版

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性急保護(せいきゅうほご)とはウィキペディア日本語版で2008年に実施された壮大な社会実験の一つ。管理者のLoniceraなどが中心となって実行した。

内容は、予告されたが未公開の作品や、沈静化していない事件を扱った記事に対して、性急な編集を理由に、発見し次第、保護を仕掛けるというものである。

ウィキペディアにおいては、記事の性急な編集は、(1)特筆性、(2)中立性、(3)検証可能性、(4)著作権侵害の観点から問題であるとされる。だが、何かしら問題を含む記事はこれら四つの理由で削除すればよいのであって、改めて性急な編集それ自体を禁止の対象にするのは如何なものかという批判もあった。

性急保護においては、性急な編集が起こると予想される記事を、独断で保護することも許される。そのため、無害な記事が多数被害をこうむることとなった。なお、この規定は「不適切な編集の「おそれ」を理由に保護を掛けてはならない」というウィキペディアの保護の方針に反するとの指摘が一部でなされた。

提案された当初はおおむね好意的に受け入れられたようで、仮運用の段階にまで辿り着いた。ところが、実際に運用されてみると数々の欠陥が判明し、撤廃を求める声が優勢となった。というより、単に普通の利用者の間で性急保護の話が知られていなかっただけかもしれない。

岩手・宮城内陸地震の発生に際しては、英語版はいち早く記事の作成を開始したにもかかわらず、日本語版では性急保護を危惧して誰もが編集を躊躇するという異例の事態となった。

ウィキペディアの各所では、性急保護のルールに対して、性急な編集ならぬ性急な保護を禁止しろ、との声が多く上がった。また、記事も許されないと言うなら、建設中のサグラダ・ファミリアも完成までずっと保護にしろという揶揄的なジョークも飛び交った。

ほぼ同時期に主唱者のLoniceraが管理者を解任されたこともあり、仮運用の終了とともに失効。現在(2008年)、復活の目処は立っていない。