共振

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共振 (きょうしん) は、エネルギーを有する系が外部から与えられた刺激により固有振動を起こすことである。特に、外部からの刺激が固有振動数に近い状態を表す。共振と同じ原理に基づく現象であるが、電気現象についても「共振」の語が、また、音響の「共振」現象については「共鳴」ということもある。

共振の特性を表す無次元量としてQ値が用いられる。値が大きいほどエネルギーの分散が小さく、狭い振動数の帯域で共振する。

共振のシステムとして、振動する振り子が単純な例として挙げられる。振り子を押して系に振動を励起することにより、振り子はその固有振動数で振動を始める。振り子の固有振動に近い周期で振動を与えると、振動の振幅は次第に大きくなる。しかし、固有振動と大きく異なる周期で振動を与えると、振幅は大きくならない。その意味でも地震に強い家屋とは単に柱が太いとかいうことだけでなく、地震波の周波数に固有振動数が異なるように考慮されていなくては意味はない。それどころか、柱が太いとか、鉄筋が多く基礎に使われていると、逆に地震波のエネルギーをもろに吸収してしまい倒壊しやすいということも考えられるので、頑丈に作ると逆効果のこともありえる。免震構造にすれば無駄な鉄筋その他は省くこともできるので軽量化され良い面もあるので、鉄筋の数が少ないからといって一概に、危険視したり、不安を煽ることはない。要は設計能力による差異が大きいものである。柳は倒れないという諺もある。

共振による現象の例としてタコマナローズ橋の倒壊がしばしば取り上げられる。


電気回路 電気では、コイル、コンデンサを用いた共振回路が有名である。例えばコンデンサとコイルを直列に接続すると、特定の周波数で互いの電位が打ち消し合い、外からはインピーダンス(交流に関する抵抗)が0に見える(直列共振回路)。また、並列に接続すると、互いの電流が打ち消しあい、外からはインピーダンスが無限大に見える(並列共振回路)。このとき、コンデンサの内部に電界として蓄えられたエネルギーと、コイルの内部に磁界として蓄えられたエネルギーが系の内部で互いに移動するため、外部から見た場合にエネルギーの消費は無い。

これらの回路は受信機の選局回路(同調回路)、フィルタ回路などに頻用される。

また、空中線(アンテナ)においては、電磁波の波長と空中線の素子(エレメント)の長さの関係がある一定の条件を満たした場合に、エネルギーの変換効率が最大となる。この現象も共振と呼ばれる。

共振周波数を測定する機器としてディップメータがある。