「商号」の版間の差分
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2007年5月19日 (土) 17:19時点における版
商号(しょうごう)とは、商人が営業を行うにおいて自己を表示するために使用する名称。主に商法(以下、本稿において「法」といい、平成17年7月26日法律第87号による改正前の同法を「旧商法」という)、会社法及び商業登記法等において、その取扱いについて規定されている。
商法での商号
商人は、原則として、自由に商号を付けることができる(商号選択の自由。法11条、旧商法16条)。
ただし、以下の制限がある。
- 商号単一の原則
- 商人は複数の商号を保有することができるが、同一営業については同一営業所で複数の商号を持つことはできない。
- 他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止
- 何人も、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない(法12条、旧商法21条)。これに違反した者は、100万円以下の過料に処せられる(法13条、旧商法22条)。
商号は、営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り譲渡することができる(法15条、旧商法24条)。
会社法での商号
会社は、その種類に従い、商号中に株式会社、合名会社等の文字を用いなければならず(会社法6条、旧商法17条、旧有限会社法3条第1項)、逆に会社でない者は商号に会社であることを示す文字を使用することができない(会社法7条、旧商法18条)。さらに、会社のうち特に信用維持が重視される銀行、証券会社、保険会社等金融業者については、各業法(銀行法、証券取引法、保険業法等)において、「銀行」「証券会社」「保険」の文字に関して同様の取扱いとなっている。
また、何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない(会社法8条、旧商法21条)。
自己の商号の使用を他人に許諾した会社は、誤認して取引をした者に対し、連帯して債務の弁済責任を負う(会社法9条)。
商業登記法での商号
商業登記上、以前は商業登記規則により、商号中にアルファベットの使用は認められていなかった(同規則48条の解釈。漢字であれば使用できる字体に制限がないとも解釈できる)。
しかし、平成14年(2002年)11月1日から商号の登記にローマ字(ローマン・アルファベット)、アラビア数字、&(アンパーサンド)等一部の符号の使用が認められることとなった。このため、KDDI(ケイディーディーアイ株式会社→KDDI株式会社)やWOWOW(株式会社ワウワウ→株式会社WOWOW)などがアルファベット使用解禁後に商号変更を行っている。反対解釈として、ギリシア文字、キリル文字、@(アットマーク)等の文字はいまだに使用できない。
また、特殊会社設置のための根拠法において、該当の特殊会社と同名の法人名を商号に使用できないと定義されている場合がある。