「Mozilla」の版間の差分

2018年12月16日 (日) 19:14時点における版

{{lang|en|'''Mozilla'''}}（モジラ）は旧[[ネットスケープコミュニケーションズ]]（以下ネットスケープ）や同社が開発したインターネット関連[[アプリケーションソフトウェア]]などいくつかの意味を持つ。現在は[[ウェブブラウザ]]の「{{ルビ|{{lang|en|[[Mozilla Firefox]]}}|モジラ・ファイアーフォックス}}」「{{ルビ|{{lang|en|[[Mozilla Application Suite]]}}|モジラ・アプリケーション・スイート}}」<ref>その後、{{ルビ|{{lang|en|[[SeaMonkey]]}}|シーモンキー}}</ref>を開発する {{ルビ|{{lang|en|Mozilla Foundation}}|モジラ・ファウンデーション}}（以降「ファウンデーション」）を指すことが多い。様々な意味を持つ「{{lang|en|Mozilla}}」の単語には以下のものがある。 =={{lang|en|Mozilla}} プロジェクト== ==={{lang|en|Mozilla Foundation}}=== {{Main|Mozilla Foundation}} 「{{lang|en|Mozilla}}」はしばしば、ネットスケープが次世代の[[インターネットスイート]]を開発するために設立・作成された[[フリーソフトウェア]]及び[[オープンソース]]プロジェクトの名称に冠される。{{ルビ|{{lang|en|Mozilla Organization}}|モジラ・オーガニゼーション}}は新しいスイートを作成することを目的として、1998年に設立された。その後、[[2003年]][[7月15日]]に非営利団体になったファウンデーションに引き継がれ、現在はファウンデーションが {{lang|en|[[Mozilla Firefox]]}} と呼ばれるウェブブラウザと {{lang|en|[[Mozilla Thunderbird]]}} と呼ばれる[[電子メールクライアント]]などの製品の開発及び保守を行っている。[[2006年]]現在、「{{lang|en|Mozilla}}」の商標はファウンデーションが所有している。 ==={{lang|en|Mozilla Corporation}}=== {{Main|Mozilla Corporation}} [[2005年]][[8月3日]]にファウンデーションによって設立された、{{lang|en|Firefox}} や {{lang|en|Thunderbird}} を[[エンドユーザ]]に提供するための税金の支払いの機能を果たす子会社。また、マーケティングや製品の宣伝の監督目的としての役割も持つ。 =={{lang|en|Mozilla Application Suite}}== {{main|Mozilla Application Suite}} [[1998年]]、ネットスケープは、当時人気のあった {{ルビ|{{lang|en|[[Netscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ)|Netscape Communicator]]}}|ネットスケープ・コミュニケーター}} の、大部分のソースコードをフリーソフトウェア及びオープンソースライセンス<ref>{{lang|en|the Netscape Public License}}</ref>の下で公開した。このことは、後に「オープンソース運動」と呼ばれる一連の動きにつながっていくこととなる（[[オープンソース#オープンソース運動の歴史|オープンソース運動の歴史]]参照）。このアプリケーションの名称は「{{lang|en|Mozilla}}」と名付けられた。Mozilla 1.0がリリースされたのは[[2002年]]の[[6月5日]]であった。 この製品は [[Netscapeシリーズ|{{lang|en|Netscape}} スイート]]（バージョン6または7）とその基礎となるコードベース（{{lang|en|[[Gecko]]}}）をベースとしているフリーのオープンソースソフトウェアというのはよく知られている。また、{{lang|en|Firefox}} や {{lang|en|Thunderbird}} といったファウンデーションの主な製品にも含まれているように、たくさんの[[スタンドアロン]]ソフトウェアの基礎にもなった。{{lang|en|Firefox}} などのスタンドアロン製品とこのスイートを区別して、「{{ルビ|{{lang|en|Mozilla Suite}}|モジラ・スイート}}」または「{{ルビ|{{lang|en|Mozilla Application Suite}}|モジラ・アプリケーション・スイート}}」として呼ばれている。 ファウンデーションは既にこのスイートのメンテナンスは行っておらず、{{lang|en|Firefox}} と {{lang|en|Thunderbird}} へと開発の主軸を変えている。このスイートはファウンデーションの非公式ソフトウェアである {{lang|en|[[SeaMonkey]]}} に取って代わっている。このインターネットスイートは {{lang|en|Mozilla Suite}} のソースコードをベースとして {{lang|en|Mozilla}} のコミュニティによって開発されている。 =={{lang|en|Gecko}} を搭載したブラウザーの総称== {{lang|en|Mozilla}} という言葉は[[HTMLレンダリングエンジン]] {{lang|en|Gecko}} を搭載したブラウザーを指すことが多い。 たとえば、あるウェブサイトで「{{lang|en|Mozilla}} のブラウザが使える」と書いてあるとき、それは {{lang|en|Mozilla Suite}}、{{lang|en|[[Mozilla Firefox]]}}、{{ルビ|{{lang|en|[[Camino]]}}|カミノ}}、{{ルビ|{{lang|en|[[Netscape Navigator 9]]}}|ネットスケープ・ナビゲーター}}など、{{lang|en|Gecko}} を搭載したブラウザで閲覧できることを意味する。 ただし、ブラウザーの[[ユーザーエージェント]]名に記される「<code>Mozilla</code>」という表記は異なる意味を持つ。 この {{lang|en|Mozilla}} と言う記述はあくまで、「{{lang|en|Mozilla}} 相当の機能を持っている」というような意味であり、現在ではウェブブラウザーだという程度の意味でしかない。 これは、{{lang|en|Netscape Navigator}} のシェアが非常に高かった頃の名残である。当時はユーザーエージェント名が {{lang|en|Mozilla}} でないブラウザーを弾くウェブサイトが少なくなかった。そこで多くのブラウザーはユーザーエージェント名に {{lang|en|Mozilla}} を冠し、あたかも{{lang|en|Netscape Navigator}} でアクセスしているかのように見せかけた。その習慣が現在も残り、多くのブラウザーは今もユーザーエージェント名に「<code>Mozilla/4.0</code>」のような記述を残している。{{lang|en|Internet Explorer}} のユーザーエージェント名が {{lang|en|Mozilla}} の名を含むのもその為である。 古いアクセス解析プログラムなどでは、ユーザーエージェント名が「<code>Mozilla/5.0</code>」から始まるものを[[Netscapeシリーズ|{{lang|en|Netscape}}シリーズ]]のバージョン5と判断した物もあったようだが、それは誤りである（そもそも {{lang|en|Netscape}} のバージョン5は開発が中止されている）。 =={{lang|en|Mozilla}} アプリケーションフレームワーク== {{main|{{仮リンク|Mozillaアプリケーションフレームワーク|en|Mozilla application framework}}}} {{lang|en|Mozilla}} とは {{lang|en|Mozilla}} アプリケーションフレームワークという意味合いで、複数の[[オペレーティングシステム]]で動作する[[クロスプラットフォーム]][[アプリケーションフレームワーク]]のアプリケーションを書くときに使われる。それは {{lang|en|Gecko}} レイアウトエンジンがもっとも大きなものであり、{{ルビ|{{lang|en|[[XUL]]}}|ズール}}のユーザーインターフェイスツールキット、{{lang|en|Necko}} ネットワーキングライブラリなどのコンポーネントもこれに当てはまる。これは {{lang|en|Mozilla}} ベースのブラウザやアプリケーションの核として組み立てられる。 =={{lang|en|Mozilla}} コードベース== {{lang|en|Firefox}} や {{lang|en|Thunderbird}}、{{ルビ|{{lang|en|[[XULRunner]]}}|ズールランナー}}のような {{lang|en|Mozilla}} ソフトウェアプロジェクトのソースコードは[[Concurrent Versions System|CVS]][[リポジトリ]]が集合的にマネージメントしている。この大きなコードベースは {{lang|en|Mozilla}} コードベース、{{lang|en|Mozilla}} ソースコード、もしくは単に「{{lang|en|Mozilla}}」と呼ばれる。 {{lang|en|Mozilla}} コードベースは元々は {{ルビ|{{lang|en|Netscape Public License}}|ネットスケープ・パブリック・ライセンス}}で提供されていた。ライセンスが1.1にバージョンアップする際に {{ルビ|{{lang|en|[[Mozilla Public License]]}}|モジラ・パブリック・ライセンス}}（MPL）に変更した。[[フリーソフトウェア財団]]などの[[GNU General Public License|GPL]]ライセンスモジュールとMPLライセンスモジュールは法律的に組み合わせることはできないが、この理由のためにMPLは開発者では使わないことを推奨していた<ref>[http://www.gnu.org/licenses/license-list.html#MPL {{lang|en|GNU comments on MPL}}]{{en icon}}</ref>。この問題を焦点に当て、ファウンデーションは[[2003年]]にGPLと[[GNU Lesser General Public License|LGPL]]の下で新たにMPLのライセンスを策定をした。<ref>[http://www.mozilla.org/MPL/relicensing-faq.html {{lang|en|Mozilla Foundation MPL Relicensing FAQ}}]{{en icon}}</ref> =={{lang|en|Netscape Navigator}} のコードネーム== {{Main|Netscape Navigator (ネットスケープコミュニケーションズ)}} 歴史上、{{lang|en|Mozilla}} の名称が内部的なコードネームとして使われ始めたのは {{lang|en|Netscape Navigator}} である。ジェイミー・ザウィンスキー<ref>{{lang|und-Latn|Jaime Zawinski}}</ref>がネットスケープ社に勤務していた頃、この名前が会議の議題とされた。{{lang|en|Mozilla}} の名称は {{ルビ|{{lang|en|Mosaic Killer}}|モザイク・キラー}} の短縮形<ref>[http://www.jwz.org/gruntle/nscpdorm.html {{lang|en|the netscape dorm.}}]{{en icon}}</ref>で、意味合いはこのプロジェクトが発足した当時人気のあった {{ルビ|{{lang|en|[[Mosaic]]}}|モザイク}}をウェブブラウザのトップの座から落とすことと、{{ルビ|{{lang|en|Godzilla}}|ゴジラ}}の名前を参考にしていることからとしている。 ==ネットスケープ社のマスコット== {{lang|en|Mozilla}} はすでに解散したネットスケープの前の会社名であるモザイクコミュニケーションズのマスコットでもある。 選考当初、様々なマスコットの形が出され、その中にヘルメットを被った[[宇宙飛行士]]もしくは {{ルビ|{{lang|en|spaceman}}|スペースマン}}というのがあったが、結果としてゴジラのような名前でうまくいけると考えられ、ゴジラに似たトカゲが選ばれた。このゴジラに似たトカゲは1994年にデイブ・タイタス<ref>{{lang-en-short|Dave Titus}}</ref>によって描かれた。 それから {{lang|en|Mozilla}} はネットスケープのウェブサイトの早期から目立つように置かれた。しかしながら、顧客にプロジェクトがアマチュアの集団ではなくプロの集団であると認識してもらう必要があったため、その画像は削除された。その {{lang|en|Mozilla}} はネットスケープ社内で使われ続け、しばしばその画像が描かれた[[Tシャツ]]を社員に与えたり、[[マウンテンビュー]]にあるネットスケープ社の敷地の壁に飾られていた。 ネットスケープコミュニケーションズが1998年にウェブ辞書のサイトであった {{ルビ|{{lang|en|NewHoo}}|ニューフー}}を買収し、{{lang|en|Mozilla}} プロジェクトの類似点を要因として {{ルビ|{{lang|en|dmoz}}|ディーモズ}}<ref>{{lang-en-short|Directory of Mozilla}}</ref>というニックネームで呼ばれている {{ルビ|{{lang|en|[[Open Directory Project]]}}|オープン・ディレクトリー・プロジェクト}}にイメージを一新させた。{{lang|en|Mozilla}} のイメージはネットスケープコミュニケーションズが [[AOL]] によって買収、解散したにも拘わらず、{{いつ範囲|今日|date=2013年9月}}まで {{lang|en|Mozilla}} のサイトの全てのページに留まっている。 ==ユーザーエージェント名== {{main|ユーザーエージェント}} HTTPリクエストヘッダ中で、クライアントからサーバへクライアントの種類を示す情報として、[[ユーザーエージェント]]文字列と呼ばれる文字列が送信される。これを観察すると、ネットスケープナビゲーター（の子孫）では「<code>Mozilla/''バージョン名''</code>」と実行中のオペレーティングシステム等についての幾つかの情報を確認することができる。 ネットスケープブラウザは他のブラウザにはない多くの機能を最初に実装して市場を急速に支配するようになった。そのため、ユーザエージェント文字列内の "Mozilla" などを検出して、ネットスケープでしか動作しない、あるいはそうでなくても、ネットスケープでのみ完全に動作する、といった設計の多くのサイトが作られた。それゆえ、競合ブラウザはそのようなサイトでも動作するようにエミュレート（クローキングあるいは「[[偽装]]」）するようになった。この最初の例が {{lang|en|[[Internet Explorer]]}} がユーザエージェント文字列の最初に{{indent|<code>Mozilla/''バージョン'' (compatible; MSIE ''バージョン'' ...)</code>}}を使うようになったことである。これによって、開発上の主要なライバルであるネットスケープ用のコンテンツを受け取ることができた。それ以来、このユーザエージェント文字列の書式は他のユーザエージェントに真似され、「本家」たる [[Netscapeシリーズ|Netscape]] の開発が終了して久しい今日でさえユーザエージェント文字列中に <code>Mozilla</code> を含めることが続いている。 {{main|ブラウザ戦争}} ==脚注== {{脚注ヘルプ}} <references/> ==外部リンク== *[http://www.mozilla.com/ {{lang|en|Mozilla Corporation}}]{{en icon}} *[http://www.mozilla.org/ {{lang|en|Mozilla Organization}}]{{en icon}} *[http://www.firefox-start.com/ {{lang|en|Ultimate Mozilla Firefox Source Page}}]{{en icon}} *[http://mozilla.jp/ {{lang|en|Mozilla Japan}}] [[Category:オープンソース|Mozilla]] [[Category:ウェブブラウザ|Mozilla]] [[Category:架空のトカゲ|もしら]] [[Category:コンピュータ関連企業のマスコット|Mozilla]] [[Category:Mozilla|*]] [[Category:Netscape|Mozilla]]