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『'''伯方の塩'''』(はかたのしお)は[[愛媛県]][[松山市]]の[[伯方塩業]]株式会社が[[1973年]](昭和48年)から製造・販売している[[塩]]。粗塩、焼塩の2種類があり、通常特に断りが無い場合は粗塩を指す<ref>[[#しおり|しおり]]、p.3。</ref>。姉妹品としては[[フルール・ド・セル]](塩の花)、ローストソルトがある。
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[[ファイル:Hakata Salt Mfg.Inc. Omishima Plant.jpg|thumb|right|200px|伯方塩業大三島工場]]
  
== 概要 ==
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'''伯方塩業株式会社'''(はかたえんぎょう)は、「'''[[伯方の塩]]'''」(はかたのしお)を製造・販売している[[企業]]である。
[[1971年]](昭和46年)[[4月]]に成立した「塩業近代化臨時措置法(塩専売法)」により、従来[[日本人]]が行っていた流下式[[塩田]]製法が全廃され、イオン交換膜製塩への切り替えが起こり、製塩業は化学工業化された<ref>[[#しおり|しおり]]、p.2。</ref>。[[1806年]](文化3年)から続いていた[[伯方島]]の塩田も[[1971年]](昭和46年)[[12月]]に廃止となり<ref>[[#伯方の塩|伯方の塩]] - [http://www.hakatanoshio.co.jp/hakatanoshio/seto_seien.html 瀬戸内海沿岸の近年の製塩]</ref>、松山市でこれに疑問を持った[[菅本フジ子]]、[[西本友康]]らによって自然塩存続運動が起こる。菅本らが塩田製塩の存続を訴え、5万人の署名を集めて関係各省へ訴えた結果、[[1973年]](昭和48年)、専売公社は「[[メキシコ]]・[[オーストラリア]]から輸入される天日海塩を用いること」などを条件として塩田製法を用いた塩の販売が認可され、「伯方の塩」が生まれた<ref name="genryo">[[#伯方の塩|伯方の塩]] - [http://www.hakatanoshio.co.jp/thought/ 「伯方の塩」の想い]</ref>。塩専売法は[[1997年]](平成9年)に廃止され、日本においても海水からの塩の直接採取が認められるようになったが、伯方の塩にはメキシコの[[ゲレロネグロ]]、オーストラリアの[[プライス (南オーストラリア州)|プライス]]のものが用いられている<ref name="genryo" />。
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== 製法 ==
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== 年表 ==
伯方の塩は、太陽熱で蒸発結晶させたゲレロネグロあるいはプライスから輸入した海塩を日本の[[海水]]で再融解して作られている<ref>[[#しおり|しおり]]、p.18。</ref>。商品名である[[伯方島]]の工場のほか、[[大三島]]、[[明浜町]]で製造が行われており、伯方塩業では商品名について、「『伯方の塩』は伯方で作られた塩という意味ではなく、伯方の塩田を復活させたいという当時の消費者運動の思想から生まれたもの」と説明している<ref>[[#しおり|しおり]]、p.16。</ref>。
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== 成分 ==
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[[1971年]](昭和46年)4月16日に塩業近代化臨時措置法が成立<ref name="nissyoku-2003-5-9-4D">“伯方塩業、「伯方の塩(粗塩)」を30周年で限定増量”. [[日本食糧新聞]](日本食糧新聞社). (2003年5月9日)</ref>。
100gあたりの主要成分を以下に記す<ref>[[#しおり|しおり]]、p.17。</ref>。
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{| class="wikitable sortable"
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! 名称 !! 伯方の塩(粗塩) !! 伯方の塩(焼塩)
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| [[水|水分]] || 2.8g || 0.06g
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| [[ナトリウム]] || 37.5g || 38.6g
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| [[マグネシウム]] || 110mg || 70mg
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| [[カルシウム]] || 90mg || 80mg
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|-
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| [[カリウム]] || 50mg || 30mg
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| [[塩化ナトリウム]] || 95.2g || 98.0g
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|}
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== 備考 ==
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同年内に従来の製塩法であった流下式塩田製塩は全廃され、翌年[[1972年]](昭和47年)からは日本国内では全面的にイオン交換膜による工業的な製塩に切り替えられることになった<ref name="nissyoku-2003-5-9-4D" />。
* 本品を製造・販売する伯方塩業大三島工場と同じ今治市にあるしまなみ製菓が100%伯方の塩を使った「伯方の塩飴」を製造している。
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こうした化学的な製塩法への切り替えに疑問を持つ人々が集まり、伯方島にあった流化式塩田の存続を目指す運動が行われ、約5万人の署名を集めて国会や関係省庁などに陳情活動などを展開した<ref name="nissyoku-2003-2-5-8B">“第6回ファベックス2003:伯方塩業、消費者運動から生まれた自然塩”. [[日本食糧新聞]](日本食糧新聞社). (2003年2月5日)</ref>。
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そうした運動を受けて、[[1973年]](昭和48年)6月に自由販売塩としての製造・販売が認められることになり<ref name="nissyoku-2003-2-5-8B" />、
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同年8月13日に創業した<ref name="seikyo-np-2013-4-20">“伯方塩業=20%増量商品を販売 40周年キャンペも実施”. [[生協流通新聞]] (アド・バンクセンター). (2013年4月20日)</ref>。
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伯方の塩は[[メキシコ]]産または[[オーストラリア]]産の輸入した天日塩田塩を、瀬戸内海の海水で溶かした後[[再結晶]]化して生成する方法を採用し、瀬戸内海のにがり成分を含む塩に仕上げている<ref name="nissyoku-2012-8-8-9">“塩特集:主要メーカー動向=伯方塩業”. [[日本食糧新聞]](日本食糧新聞社). (2012年8月8日)</ref>。
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[[2010年]](平成22年)に、大三島工場の隣接地に流下式枝条架併用[[塩田]]を復活させた<ref>http://www.hakatanoshio.co.jp/shintyaku/detail.php?rec=102{{リンク切れ|date=2012年12月}}</ref>。従業員が塩田による製塩を体験して技術を伝承し、そのよさを製品に生かしていくことが目的であるとしている。
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== 年表 ==
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* [[1973年]](昭和48年)8月13日 - 創業<ref name="seikyo-np-2013-4-20" />。
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* [[1996年]](平成8年)12月17日 - 明浜工場完成<ref name="nissyoku-1996-12-27-9C">“伯方塩業、明浜工場が竣工・披露”. [[日本食糧新聞]](日本食糧新聞社). (1996年12月27日)</ref>。
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* [[2000年]](平成12年)5月 - 大三島工場完成<ref name="nissyoku-2000-5-24-15C">“伯方塩業「大三島工場」完成”. [[日本食糧新聞]](日本食糧新聞社). (2000年5月24日)</ref>。
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* [[2013年]](平成25年)1月7日 - 松山市大手町に本社を移転<ref name="seikyo-np-2013-1-5">“伯方塩業=本社・社屋 完成で移転”. [[生協流通新聞]] (アド・バンクセンター). (2013年1月5日)</ref>。
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== 営業所 ==
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* 本社・伯方工場 - [[愛媛県]][[今治市]]伯方町
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* 明浜工場 - 愛媛県[[西予市]]明浜町。1996年(平成8年)12月17日完成<ref name="nissyoku-1996-12-27-9C" />。
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* 大三島工場 - 愛媛県今治市大三島町。2000年(平成12年)5月完成<ref name="nissyoku-2000-5-24-15C" />。
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* 松山本社 - 愛媛県[[松山市]]
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== 業務 ==
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* 「伯方の塩」の[[製造]]・[[販売]]
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== CMとそのパロディ ==
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[[CMソング]]として「はあぁぁあかったっのっ、し・お!」のフレーズが親しまれている。歌を担当しているのは[[演歌歌手]]の[[高城靖雄]]で、彼の持ち歌である『男龍』(作詞:[[荒木とよひさ]]、作曲:[[岡千秋]])の一節の歌詞を替えたものである<ref>[http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20130205/Techinsight_20130205_71200.html CM『伯方の塩』の元歌は演歌だった。本人が『いいとも』で生歌披露。]</ref>。このCMソングの替え歌が[[原西孝幸]]([[FUJIWARA]])、[[増田英彦]]([[ますだおかだ]])など多数の芸人にギャグとして用いられている。
  
 
== 関連項目 ==
 
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* [[伯方塩業]]
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* [[伯方の塩]]
 
* [[/Sandbox]]
 
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== 脚注 ==
 
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== 参考文献 ==
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== 外部リンク ==
* {{Cite book|和書|author=[[伯方塩業]]|title=伯方の塩しおり|ref=しおり}}
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* [http://www.hakatanoshio.co.jp/index.php 伯方塩業]
* <div id="伯方の塩">{{Cite web|author=伯方塩業|url=http://www.hakatanoshio.co.jp/|title=伯方の塩|language=日本語 |accessdate=2010年7月17日 }}</div>
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[[Category:今治市の企業]]
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[[Category:塩業]]

2015年2月2日 (月) 20:01時点における版

伯方塩業株式会社(はかたえんぎょう)は、「伯方の塩」(はかたのしお)を製造・販売している企業である。

年表

1971年(昭和46年)4月16日に塩業近代化臨時措置法が成立[1]

同年内に従来の製塩法であった流下式塩田製塩は全廃され、翌年1972年(昭和47年)からは日本国内では全面的にイオン交換膜による工業的な製塩に切り替えられることになった[1]

こうした化学的な製塩法への切り替えに疑問を持つ人々が集まり、伯方島にあった流化式塩田の存続を目指す運動が行われ、約5万人の署名を集めて国会や関係省庁などに陳情活動などを展開した[2]

そうした運動を受けて、1973年(昭和48年)6月に自由販売塩としての製造・販売が認められることになり[2]、 同年8月13日に創業した[3]

伯方の塩はメキシコ産またはオーストラリア産の輸入した天日塩田塩を、瀬戸内海の海水で溶かした後再結晶化して生成する方法を採用し、瀬戸内海のにがり成分を含む塩に仕上げている[4]

2010年(平成22年)に、大三島工場の隣接地に流下式枝条架併用塩田を復活させた[5]。従業員が塩田による製塩を体験して技術を伝承し、そのよさを製品に生かしていくことが目的であるとしている。

年表

  • 1973年(昭和48年)8月13日 - 創業[3]
  • 1996年(平成8年)12月17日 - 明浜工場完成[6]
  • 2000年(平成12年)5月 - 大三島工場完成[7]
  • 2013年(平成25年)1月7日 - 松山市大手町に本社を移転[8]

営業所

  • 本社・伯方工場 - 愛媛県今治市伯方町
  • 明浜工場 - 愛媛県西予市明浜町。1996年(平成8年)12月17日完成[6]
  • 大三島工場 - 愛媛県今治市大三島町。2000年(平成12年)5月完成[7]
  • 松山本社 - 愛媛県松山市

業務

CMとそのパロディ

CMソングとして「はあぁぁあかったっのっ、し・お!」のフレーズが親しまれている。歌を担当しているのは演歌歌手高城靖雄で、彼の持ち歌である『男龍』(作詞:荒木とよひさ、作曲:岡千秋)の一節の歌詞を替えたものである[9]。このCMソングの替え歌が原西孝幸FUJIWARA)、増田英彦ますだおかだ)など多数の芸人にギャグとして用いられている。

関連項目

脚注

  1. 1.0 1.1 “伯方塩業、「伯方の塩(粗塩)」を30周年で限定増量”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年5月9日)
  2. 2.0 2.1 “第6回ファベックス2003:伯方塩業、消費者運動から生まれた自然塩”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年2月5日)
  3. 3.0 3.1 “伯方塩業=20%増量商品を販売 40周年キャンペも実施”. 生協流通新聞 (アド・バンクセンター). (2013年4月20日)
  4. “塩特集:主要メーカー動向=伯方塩業”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2012年8月8日)
  5. http://www.hakatanoshio.co.jp/shintyaku/detail.php?rec=102[リンク切れ]
  6. 6.0 6.1 “伯方塩業、明浜工場が竣工・披露”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1996年12月27日)
  7. 7.0 7.1 “伯方塩業「大三島工場」完成”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2000年5月24日)
  8. “伯方塩業=本社・社屋 完成で移転”. 生協流通新聞 (アド・バンクセンター). (2013年1月5日)
  9. CM『伯方の塩』の元歌は演歌だった。本人が『いいとも』で生歌披露。

外部リンク