「Amazon.co.jp」の版間の差分
(ページの作成: {{基礎情報 会社 |社名 = アマゾンジャパン株式会社 |英文社名 = Amazon Japan K.K. |種類 = 株式会社 |市場情報 = 非上場 |略称 = アマゾン…) |
(東京都の企業) |
||
215行目: | 215行目: | ||
[[Category:書店]] | [[Category:書店]] | ||
[[Category:日本の小売業者]] | [[Category:日本の小売業者]] | ||
− | [[Category: | + | [[Category:東京都の企業]] |
+ | [[Category:渋谷区]] |
2010年9月2日 (木) 19:02時点における版
アマゾンジャパン株式会社 Amazon Japan K.K.
| |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | アマゾン |
本社所在地 | 150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目15番1号 35 39 31.6 N 139 42 18.9 E |
電話番号 | 0120-999-373 |
設立 | 2000年(平成12年)11月1日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | EC事業 |
代表者 | Diego Piacentini(運営統括責任者) |
資本金 | |
売上高 | 日本法人単体としては非公表。約1500億円と推定(2007年12月期)[1]。 |
総資産 | |
従業員数 | |
決算期 | |
主要株主 | |
主要子会社 | |
関係する人物 | |
外部リンク | http://www.amazon.co.jp/ |
特記事項: |
Amazon.co.jp(アマゾン シーオー ジェーピー)とは、Amazon.comの日本法人アマゾンジャパン株式会社(東京都渋谷区)が運営している通販サイトである。書籍、CD/DVDから家電・ゲームソフト・おもちゃ、キッチン用品・スポーツ用品など多種多様な品目を扱っている。
目次
概要
2000年11月1日にAmazon.comの日本版サイト「Amazon.co.jp」としてオープンして以来、事実上1社が独占的に提供するオンラインストアとしては最大規模を誇るインターネット小売販売である。
開設当初は書籍のみの取扱いであったが取り扱い品目を増やしている。2010年4月現在の取扱商品カテゴリー。
- 本・漫画・雑誌
- DVD・ミュージック・ゲーム
- 家電・カメラ
- パソコン・オフィス用品
- ホーム・キッチン
- 食品・飲料
- ヘルス・ビューティー
- ベビー・おもちゃ・ホビー
- ファッション・時計
- スポーツ・アウトドア
- DIY・工具・車用品
Amazonの特徴は、ポータルサイトを通じて商取引を行うことにある。そのポータルサイトのエンジンであるA9.comには強力なレコメンデーション機能があり、これもAmazonの特徴になっている。レコメンデーションとは、顧客の趣味・嗜好・場合によっては思想信条・性的嗜好などを購入履歴に基づいて割り出し、同様の傾向を持つ他の顧客の購買傾向を踏まえたうえで商品をサイト上やダイレクトメールによって推奨するなどの、営業・宣伝活動を自動で行う機能を意味する。この機能については、米Amazon.comによって行われているサービスと基本的に同じであるため、詳細はAmazon.comの項の「Amazon.comのレコメンデーション機能」の節を参照のこと。
- 年会費を払い会員登録することで、お急ぎ便やお届け日時指定便を含むアマゾン配送センターから発送される商品の配送料が無料になる「Amazonプライムサービス」、Amazonが販売する商品の買い物に使用できる「Amazonポイントサービス」を実施している。
歴史
- 2000年11月1日、Amazon.comの日本版サイト「Amazon.co.jp」としてオープン。
- 2001年5月9日、「Amazonアソシエイト・プログラム」開始。アソシエイト・プログラムとは成果報酬型のアフィリエイトである[2]。
- 2002年11月6日、「Amazonマーケットプレイス」導入。マーケットプレイスとは、第三者である出品者と購入者が売買契約を成立させる場所であり、アマゾンは取引を成立させる場を提供するだけである[3]。
- 2005年11月1日、新物流センター「アマゾン市川FC」が千葉県市川市に開業。旧物流センターの約4倍。[4]
- 2006年6月12日、「Amazon e託販売サービス」開始[5]。e託販売サービスは、販売権を持つ出版社・メーカー(主な利用者は小規模の出版社やインディーズレーベルなどが多い)など向けにアマゾンで委託販売を行う。年会費が必要で、仕入掛率は基本的に商品カテゴリごとに決められており、60%または63%一律となっている[6]。
- 2007年4月24日、「マーチャント@amazon.co.jp」開始。マーチャント@amazon.co.jpは法人向けのサービスで、企業がアマゾンの持つプラットフォームを利用して商品を販売する仕組みである。Amazon.co.jpの中に企業独自の専用ウェブサイトを持てる、独自の配送料金や返品ポリシーの設定ができるなどの特徴がある[7]。
- 2007年10月、新物流センター「アマゾン八千代FC」が千葉県八千代市に開業。[8]
- 2008年4月14日、オープン以来のサイトデザインをリニューアルするテストを開始した。
- 2008年4月24日、「フルフィルメント by Amazon」開始[9]。フルフィルメント by Amazonは、マーチャント@amazon.co.jpを利用している企業の商品をアマゾンの倉庫で保管・管理し、カスタマーから注文を受けるとアマゾンの商品と同様に梱包し直接出荷するサービスである。フルフィルメント by Amazonを利用する場合、保管されている間は保管手数料が、発送される際には配送代行手数料が発生する[10]。
- 2008年11月27日、靴とバックを扱うサイト「Javari.jp」をオープン[11]。
- 2009年、アマゾン・ドット・コム インターナショナル セールスが「本社機能の一部が日本にある」(日米租税条約で定める恒久的施設にあたるものが日本にある)として東京国税局から140億円前後の追徴課税処分を受けたことが発覚した。アマゾン側は「米国に納税している」と主張し日本とアメリカとの2国間協議を申請。アマゾンジャパンも「課税は不適切」とし、日本での納税義務は無いという立場である[12]。
- 2009年8月、新物流センター「アマゾン堺FC」が大阪府堺市に開設される。商品の在庫状況にもよるが、西日本への配達時間が短縮される[13][14]。なお、開設後第1号の商品の発送先は東京都であった[15]。
- 2009年10月16日、「FBAマルチチャネルサービス」開始[16]。FBAマルチチャネルサービスは、アマゾンに出品していない販売業者の在庫商品を在庫保管・商品配送代行するサービスである。
- 2010年6月17日、「Amazone Vine(ヴァイン) 先取りプログラム」開始[17]。Amazon Vineとは、amazonより招待され登録したベストレビュアーが、商品のサンプルを利用しレビューするものである。
- 2010年7月12日、新物流センター「アマゾン川越FC」が埼玉県川越市に開業。[18]
拠点
- 専用倉庫:フルフィルメントセンター(アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社運営)
- アマゾン市川FC (延床面積:62,300m²) - 千葉県市川市テンプレート:ウィキ座標(テンプレート:ウィキ座標、延床面積:16,500m²)
- アマゾン八千代FC (34,145m²) - 千葉県八千代市テンプレート:ウィキ座標
- アマゾン堺FC (67,923m²) - 大阪府堺市堺区築港八幡町
- アマゾン川越FC (38,927m²) - 埼玉県川越市南台
Amazonの特徴
アマゾングループの2007年推定売上高が138億-143億ドルとのことから、約1兆5000億円。日本での売上はグループ全体の10%を占めることから、日本法人単体としての売上高は約1500億円と推定される。また、純利益も日本法人単体としては非公表だが、グループ全体で7800万ドル(約85億円。2007年第2四半期)とのことから、日本法人の純利益は約35億円(2007年12月期)と推定される。
紀伊國屋書店の売上高が1180億円であるのに対し経常利益がわずか4億円(2006年8月)であることと比較すると、Amazonのビジネスモデル(売上高1500億円に対し、純利益35億円)は極めて利幅が大きいことが分かる。これは大量販売・一部の商品(本)を卸しから買い取りにするということで、仕入れ原価を安く抑えているためではないかと推定される要出典。
カスタマーサービス、サポート
最近はカスタマーサービスへも少しは力を入れるようになってきた。以前は、Amazon.co.jpへの問合せ先は非常に入り組んだ場所あるいは領収書にしか書かれていなかったため、電話による問い合わせが難しく不評であった。2006年後半以降「電話でのお問い合わせ」という機能が新たに作成された。これは各ヘルプページなどにある「電話でのお問い合わせ」というリンクをクリックして表示される画面に「電話番号」と「呼び出しのタイミング」(いつ電話をかけて来てほしいか)を入力すると、Amazonから折り返し電話がかかってくるという機能である。従来通りの「Eメールによるお問い合わせ」もそのまま残されている。ただし、携帯電話はこのサービスの対象外であり、携帯電話からはヘルプに記されているカスタマーサービスの番号にこちらから電話することとなる[19]。
そのほか、サイト上の文章の文体も大きく変化している。長い間サイト上(特にヘルプ)、問い合わせに対する回答共に「お客様によってDaibiki Pelikanが選択されました」など、受動態で書かれた英文を機械翻訳したような独特の文体で書かれた文章が随所にみられたが、最近では少なくともサイト上でこのような表現を見ることは少なくなっている。
商品の売主
Amazon.co.jpが取り扱う商品の販売主は、米国ワシントン州法人であるAmazon.com Int'l Sales, Inc.(アマゾン・ドット・コム インターナショナル セールス インク)である[20]。 ただし、マーケットプレイスおよびMerchants @ amazon.co.jp(出店型出品とも呼ぶ)の売主についてはその限りにあらず、商品ページや注文確認時にそれぞれの売主が表示される。日本法人であるアマゾンジャパン株式会社はシステム運営・顧客サービスを担当するに過ぎない。
Amazonマーケットプレイス
Amazonマーケットプレイスとは、アマゾンが提供する第三者間で取引を成立させる場である[21]。 Amazonが販売する商品が在庫切れでも、出品者がマーケットプレイスに出品している場合もある。ただし、出品者がほぼ自由に価格を設定できるため、いわゆる転売屋も出品している。高額で人気のある品薄ゲームソフトやフィギュアなどが、発売元の希望小売価格より高値で販売されることもある。参考価格欄に希望小売価格が表示されるものの、購入者が適正価格を知らないまま不当に吊り上げられた価格で購入してしまうこともある。
- Amazonマーケットプレイスへの出品から入金まで
- Amazonマーケットプレイスへ出品するには、クレジットカードの登録が必須となっている[21]。出品された商品が購入されると、購入者はアマゾンペイメントにより支払いを行う。その後、アマゾンより手数料を控除後の代金が出品者へ支払われる仕組みである。
- Amazonマーケットプレイスからの入金について
- アマゾンは14日毎の支払日を設けているが[21]、最近では出品者への決済代金の振込が「支払保留」と言う名目で30日間~90日間以上の入金遅延が発生している。またアマゾンからの入金遅延の具体的理由の説明は、出品者にメールで一方的な連絡で行われる為に、出品者とのトラブルも発生している。また一部の出品者がアマゾンに説明を求めたが、一方的に退会処分とされる状況が発生しているので注意が必要である要出典。
カスタマーレビュー
カスタマーレビューとは、商品に対して1-5点の評価やコメントが出来るものである。利用者はレビューが参考になったかどうか投票することができ、投票を基にベストレビュアーのランキングが表示される仕組みとなっている。
発売前の商品へのレビュー
過去にはAmazon.co.jpでは発売前の商品にレビューを書き込み評価点数まで付けることが出来た。このため発売前に思い込みや期待値、特定のメーカーの商品の過剰な持ち上げや貶しなどを書いた購入者レビューが多数含まれ、購入後に商品を触って評価した適切な購入者レビューを埋没させており問題視されていた。
2009年7月3日にガイドラインを改定し、発売前の商品は一部商品を除き、原則として禁止となった[22]。但し、商品のサンプルを利用しレビューしてもらうAmazone Vineの対象商品などは例外である。
レビュー削除への批判
作家の水村美苗は、自著『日本語が亡びるとき』に対する好意的なレビューをアマゾンジャパンが削除したことについて、削除の公正さや削除理由の説明不足に関する批判を行っている[23]。なお、個々の不適切なレビューについて、利用者が削除依頼を行える仕組みとなっている。
契約成立時点
売買契約の「成立時点」の定義が通常の社会通念とは異なり、Amazon.co.jpが販売する商品の売買契約成立時点は、注文の発送メール(確認メールではない)が送信された時点である[24]。多くの人に誤解されがちだが、サイトで注文作業が完了した時点ではまだ契約は成立しておらず、契約の申し込みをしたにすぎないということになる。
この方式によってアマゾンが商品を手配できなければ、客の注文を自由にキャンセル(申し込みの不承諾)できることとなる。客側も発送手続きの前であれば自由にキャンセルできる。多くのオンライン通信販売会社では購入ボタンを押したと同時に双方同意したと見なしキャンセルを原則的に認めないシステムを採用しているところがほとんどであること、そして必ずしも商品を確保するとは限らないことに照らすと消費者にも有利な点もあると思われる。ただし、多くの者はその旨が記された利用規約を読まずに利用しているため、客が一方的に不利な取引をしているのが実情である。
商品の予約
Amazonでは、例えば人気シリーズのハリー・ポッターシリーズの1冊であるハリー・ポッターと謎のプリンスが発売された際、発売日の午前中届けを確約するなどのアピールをしていた。一方で、アマゾンヘルプに入荷状況によりキャンセルされる旨が記されているように[25]、予約した商品が確保されず配送されなかったということもよく報告されている。また匿名巨大掲示板群2ちゃんねるでは、アマゾンで注文すればOKと信じていてもなかなか発送されないことを揶揄し、amazon OKをひっくり返したkonozama(コノザマ)というネットスラング[26]とアスキーアートが生まれている[1]。
配送手法・配送業者の指定
在庫のある商品については一定の手数料を支払うことで商品の配達日を確約している。当日お急ぎ便は注文当日、お急ぎ便は注文翌日から3日後の配送を確約している[27]。なお、当日お急ぎ便は配送センターが置かれている関東地方・関西地方でのみ利用可能となっている。また、お急ぎ便サービスを利用した場合でも諸般の事情で配達確約日に到着しないことも当然起こりうる。その場合はお急ぎ便配送料が返金される。商品到着の遅延によって商品が不要になった場合などには、当然返品することが可能である。
通常配送の場合は配送方式や配送業者、配送予定日時をユーザー側から明示的に指定することが出来ず [28]、「できる限り商品をまとめて発送」(旧名称 一括発送)[29]で注文した場合、商品がそろったとき、あるいは商品の一部がそろい残りの商品の確保に時間がかかるとアマゾンが判断したときに発送される[30]。宅配便で発送された場合には発送時期が(商品確保の困難などから)遅れ、長期の不在時に重なるなどのことなければ運送業者側の再配達のサービスを用いることで調整が可能である。
商品のサイズなどからメール便が選択された場合には、梱包が通常の郵便受けや新聞受けには入らないことがあり、その際にドアノブに商品をかけることがある。また、ドアノブがない場合など、玄関扉前に商品を置かれることもある[31]。これらのことにより、最悪品物の紛失・破損などの事態に至る場合があり、そのような報告がいくつかインターネット上でなされている。
返金方法
不良品・手違い品の理由によらずクレジットカードによる支払いを除いて、返金はAmazonギフト券などで行われる[32]。これらはAmazon内でしか通用しない。
ポータルサイトの操作性
長年基本的な操作方法が変化しない、そのほか国内外のAmazonと同様のインターフェイスを持つなど、長期的なユーザーには便利になっている。
購入履歴や商品の評価を元に自動的にパーソナライゼーションを行い、読書傾向・趣味・思想信条・性的嗜好などに合致していると思われる商品を推奨する機能があり、目的外の購買意欲をそそる商品が見つかる可能性が高い(詳細はAmazon.comの項の「Amazon.comのレコメンデーション機能」の節を参照のこと)。
一方で、セッションを終了するログアウト(サインアウト)の方法が他の会員制サイトに比べ分かりにくい。通常の会員制サイトではログアウトまたはそれに類する名称の特定のリンク、またはボタンを押すことで終了処理ができる[33]。これに対して、Amazonでサインアウトするには「本人でない場合はこちら」との表示部にあるリンクを開くか、ヘルプにアクセスしページ右側にあるサインアウトをクリックする必要がある[34][35]。
またショッピングカートにおいて、ギフト包装のようにあらたに課金が発生するサービスについては一括指定が出来るも、「今は買わない」や「削除」などの課金が発生しないサービス、あるいは収益が減るサービスについては一つ一つ時間をかけて削除しなければならない。また、退会は電子メールで連絡することになっている[36]。
購入制限
音楽CDの場合、DVDが付属していれば再販制度対象外のため、ごく一部を除いて値引きされるので、「この商品は人気商品のため、お一人様1個までのご注文に限らせていただきます。」という制限が出ることが多い[37]。
ほしい物リストとプライバシーの問題
Amazonのプライバシーに関する懸念は米国でも以前から指摘されていたが[38] (海外ではウィッシュリストのデフォルト設定は「非公開」となっており、大きい問題にはなっていない)、日本でも「ほしい物リスト」の問題で一気に批判が噴出する事となった。
Amazonには「ほしい物リスト(2008年3月8日に「ウィッシュリスト」から改名された[39])」という機能がある。「ほしい物リスト」作成した際、初期設定を変更しないと世界中に個人情報が公開される仕様になっており、騒動が起きた[40]。公開される情報は、アカウント名(ユーザー登録をする際に「氏名」と書かれている欄に入力した文字がアカウント名になる。ショッピングサイトの特性上、本名で登録しているユーザーが多い)、メールアドレス、住所(リストに住所を登録している場合のみ)、リストに登録している商品、リストから購入した商品などである。 「ほしい物リスト」のページでは、名前かメールアドレスを入力すると「ほしい物リスト」のユーザーの検索が可能となっている。この検索機能でメールアドレスを検索すると簡単にそのユーザーの本名が分かってしまう(本名で登録していた場合)という仕様のために、メールアドレスを公開している大手のサイトオーナーや有名ブロガーのアカウント名があちこちで書き込まれるというトラブルが発生した(なお、公開されたアカウント名が本名であるということを否定している事例もあり[41]、確実に「発覚したアカウント名=メールアドレスの持ち主の本名」というわけではない)。
また、「ほしい物リスト」を「ブックマーク的な機能」として利用していて、外部に本名などの個人情報が公開されているということを知らないユーザーも多い[42]。このようなユーザーが登録している「ほしい物リスト」の商品もユーザーのアカウント名とセットで公開された状態となっているために、アダルトグッズが多数登録されている場合などはそのユーザーの社会的信用が失われる可能性もある。
Amazonの広報担当者は「公開になるという説明は必ず目につくような場所につけている。設定の変更もできるようになっている」としているが、実際には「このリストの初期設定は公開になっています。プライバシーの保護のため、電話番号や番地は表示されませんのでご安心ください。」と表示されるだけで、アカウント名などが公開されるというリスクについては表示されていないという問題は存在する。
ほしい物リストを作成した記憶がなくても、商品画面の「ほしい物リストに追加する」というボタンを1度クリックしただけで、自動的に個人情報が公開される設定の「ほしい物リスト」が作成されてしまうという仕様になっている。商品画面から「ほしい物リスト」を作成してしまった場合は、プライバシーに関する警告などは表示されない。
また「友だちにほしい物リストについて知らせる」という機能もある。これは指定したメールアドレスに自分の名前・メールアドレス・ほしい物リストを送信するという機能であるが、システムの欠陥により悪意のあるコードの含まれたウェブサイトを訪問してしまうと、悪意のあるユーザーが指定したメールアドレスに自分の名前・メールアドレス・ほしい物リストが送信されてしまうというセキュリティホールがあることが発覚した。Amazonにサインインしたままの状態であると、ワンクリックしただけで被害を受けてしまう。Amazonは前述のように他サイトと比較してサインアウトの方法が分かりにくく、ブラウザを閉じてもサインインしたまま(サインインする際に「ブラウザを閉じるとサインアウトする」といったオプションは用意されていない)なので、こういったセキュリティホールの被害を受ける可能性が高いシステムである。
2008年3月12日、Amazonはユーザーからの指摘をもとにした調査を理由として「ほしい物リスト」の検索機能を停止した(閲覧などは可能)。[43]。2008年3月21日になり検索機能が復活したが、デフォルトで外部に公開されるという設定はそのままである。公開されるリストが存在する場合は、ほしい物リストのページに「アカウント名が公開される」といった注意が掲載されるようになったが、商品画面から新規のほしい物リストを作成した場合などは、相変わらずなんの警告も表示されない仕様である。
価格誤表示に対する対応
2008年8月8日から9日にかけて、「カゴメ野菜生活100朝のむ野菜930g*12本」を284円で販売していたため、市価に比べて著しく安い販売であることが判明し注文が殺到した。Amazonはこの件の対応として、
- 注文を全てキャンセルとし、謝罪メールを送付
- さらに苦情があった顧客に対してのみ300円のアマゾンギフト券を送付
また利用規約内には、価格誤表示に対しては「サイトの裁量によりキャンセルできる」と明記してある。
同様の例としては、2008年3月にAmazon.co.ukがiPaqの価格を誤って10ポンド以下(2000円程度)で表示し、このミスを利用した注文をキャンセルしたために顧客から非難を受けたという事例がある[44]。Amazon.co.ukは、このミスを修正するまでUKサイトの一時的な閉鎖を余儀なくされた。
法人税の追徴課税
Amazon.co.jpの商品の売主は日本法人ではなく、米国ワシントン州法人であるAmazon.com Int'l Sales, Inc.であり、同社は日本国内に支店等を有しない。このことから同社は日本で稼得した利益に対して日本の法人税を支払っていなかったが、2009年7月に東京国税局はアマゾンの流通センター内に米国法人の機能の一部が置かれており、これが法人税法および日米租税条約に規定する恒久的施設であるとして、140億円の追徴課税を行った[45]。その後日米当局間で協議が行われている。
脚注・出典
- ↑ 米Amazon.com、第2四半期に利益257%増 - Amazonプライムが好調
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2001年5月9日: Amazon.comで既に大評判の「Amazonアソシエイト・プログラム」5月9日よりスタート!
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2002年11月6日: Amazon.co.jp 第三者間で商品を売買するオンライン市場 新プラットフォーム「Amazonマーケットプレイス」を導入
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2005年11月1日: Amazon.co.jp 事業拡大に伴い、新たに物流センター「アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)」を開業
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2006年6月12日: Amazon.co.jpが 出版社、メーカーの商品を委託販売する新サービス「Amazon e託販売サービス」を開始
- ↑ Amazon.co.jp ヘルプ : 年会費、仕入掛率
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2007年4月24日: Amazon.co.jp 法人向け出店型新サービス 「マーチャント@amazon.co.jp」を開始し、品揃えをさらに強化
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2007年7月31日: アマゾン ジャパン・ロジスティクス、Amazon.co.jpの事業拡大をサポートするため、新たに物流センター「アマゾン八千代FC(フルフィルメントセンター)」を開業
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2008年4月14日: アマゾン ジャパン・ロジスティクス、法人向け出店型サービス「マーチャント@amazon.co.jp」の利用者向けに、在庫保管・商品配送代行サービス「フルフィルメントby Amazon」の提供を開始
- ↑ Amazon.co.jp - フルフィルメント by Amazon 料金
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2008年11月27日: Amazon.co.jpが、靴とバッグ専門の新たなウェブサイト「Javari.jp」をオープン!
- ↑ 「アマゾンに140億円追徴 国税局「日本にも本社機能」」『朝日新聞』2009年7月5日付朝刊、第1面
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2009年3月5日: アマゾンジャパン・ロジスティクス、Amazonの物流規模の拡大、および利便性向上のサポートのため、大阪府堺市に新たに物流センター「アマゾン堺FC(フルフィルメントセンター)(仮)」を開業
- ↑ 西日本初の物流拠点開設 書店業界はアマゾンに戦々恐々
- ↑ 2010年2月6日放送 TBS系「情報7days ニュースキャスター」より
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2009年10月16日:アマゾンジャパン・ロジスティクス、「FBAマルチチャネルサービス」を開始
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース 2010 年6月17日: Amazon.co.jp、「Amazon Vine(ヴァイン) 先取りプログラム」を開始
- ↑ Amazon.co.jp: プレスリリース アマゾンジャパン・ロジスティクス、Amazon.co.jpおよびJavari.jpの事業拡大をサポートするため、新たに物流センター「川越 FC(フルフィルメントセンター)」を開業
- ↑ アマゾン:Amazon.co.jpへのお問い合わせ
- ↑ Amazon.co.jp ヘルプ :特定商取引法に基づく表示
- ↑ 21.0 21.1 21.2 Amazon.co.jp ヘルプ : マーケットプレイス参加規約
- ↑ Amazon.co.jp ヘルプ: コミュニティのガイドラインを見直しました(2009年7月3日更新)
- ↑ asahi.com(朝日新聞社):アマゾン、消された書評 著者・水村さん「公正さ疑う」 「ネット書店アマゾン 消されたレビュー」『朝日新聞』2009年2月17日付朝刊、第13版、第33面
- ↑ Amazon.co.jp ヘルプ : Amazon.co.jp 利用規約 契約の成立
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ: 予約注文、お取り寄せ 予約商品のお届け
- ↑ 全農連P、広田稔/ASCII.jp編集部 (2009年07月13日) 全農連P、広田稔/ASCII.jp編集部 初音ミク・ワンカップPが語る「休止宣言の真相」 ASCII.jp アスキー・メディアワークス 2009年07月13日 p4 [ arch. ] 2009-07-13
- ↑ Amazon.co.jp ヘルプ :お急ぎ便のお届け地域と配達日数
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ: 配送情報
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ : 発送オプションの名称が変更になりました(2010年3月19日更新)
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ : 発送オプション できる限り商品をまとめて発送
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ: メール便の配送状況
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ : 返金
- ↑ 日本語版Wikipediaではログアウトというリンクを開けばよい。
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ : ヘルプページにサインアウト機能がつきました(2008年3月6日更新)
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ: サインアウト
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ: アカウントを閉じる
- ↑ Amazon.co.jpヘルプ : 予約注文・限定版/初回版・特典について
- ↑ 性的指向まで分かる? Amazonの「ギフトお勧め」特許
- ↑ Amazon.co.jp: 「ウィッシュリスト」が「ほしい物リスト」に変更されます(2008年3月7日更新)
- ↑ Amazonの「ほしい物リスト」が初期設定で公開される仕組みが話題に
- ↑ きっこ、アマゾン「ほしい物リスト」騒動での「実名発覚」を否定
- ↑ Amazonの「ほしい物リスト」で本名や趣味がばれる? ネットで騒動に
- ↑ Amazon「ほしい物リスト」の検索機能が停止状態、理由は「調査」
- ↑ http://www.theregister.co.uk/2003/03/19/no_legal_recourse_for_buyers/
- ↑ Yoshio Takahashi, "Tokyo Tax Bureau Imposes Taxes On Amazon.com Japan Operations- Asahi", 東京発Dow Jones,2009年7月4日付,2010年7月20日閲覧。
参考文献
- 横田増生『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場』情報センター出版局、2005年 ISBN 978-4-7958-4342-4
- 松本晃一『アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか』ダイヤモンド社、2005年 ISBN 978-4-478-31214-8
関連項目
配送会社
- 「当日お急ぎ便」・「お急ぎ便」[2]
- 「通常配送」[3]
- 佐川急便(メール便・宅配便)、郵便事業会社、ヤマト運輸、カトーレック(千葉県内のみ)
- 「返品時の集荷」[4]
- 郵便事業会社
競合他社
- ブックサービス - 取次系。かつてはヤマト運輸の子会社。現在、ヤマトホールディングスは持ち株比率を下げており(現在は共同出資会社の栗田出版販売の子会社となっている)、業務提携程度の関係を保つ。
- ビーケーワン - 取次系。公共・学校図書館向け取次会社である図書館流通センターの事業部門のひとつ。
- 本やタウン - 取次系。日販が運営。
- e-hon - 取次系。トーハンが運営。
- セブンネットショッピング - 流通系・ポータルサイト系(セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン&アイ・ネットメディア子会社。Yahoo! JAPANも出資)
- 楽天ブックス - ネットショッピングモール系。
- Jbook - 書店系。文教堂子会社が運営。
- DMM.com - アダルトビデオ通販出身。現在では非アダルト分野にも参入。DMMマーケットプレイスという第三者間売買市場も設置。
外部リンク
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・Amazon.co.jpを利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |