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2018年2月15日 (木) 22:01時点における版
'''原作破壊'''(げんさくはかい)とは、[[漫画]]や[[小説]]等の[[メディアミックス]]を行う際に、得られる利益を最大化するために用いられる手法のことである。 ==概要== ある作品(原作)をほかのメディアで表現した作品を制作する際に、「大きな変化」を加えることを指す。この「大きな変化」については、 #原作と異なる要素を多く盛り込むこと #原作と異なる印象を受け手に与えるようにすること という2通りの解釈があるが、2.の定義の場合、同じ作品であっても受け手によって異なる印象を受けることがあるため、原作との比較対照によって説明できる1.の定義がよく用いられる。ただし、1.の定義においても、「多く」という言葉が曖昧な言葉であるために、ある作品が原作破壊の手法を用いているかどうかについては必ずしも万人の一致を見ないようである。 なお原作破壊を行うには、スタッフが原作を見たり遊んだりしないのが一番効果的だと言われる。それを雑誌のインタビューで嬉しそうに語ればなお良い。 ==原作破壊の効果== 原作破壊を行うことによるメリットとしては次のようなものが挙げられる。 ;難解であったり、一般の理解を得にくい作品であっても、大衆の支持を得られる :複雑な理論体系に基づいていたり、残酷な描写を持つ作品については、原作破壊の手法を用いれば、そのような設定や描写を変更でき、大衆に支持される平易な作品にすることができる。この技法は、原作の複雑な理論体系を理解出来ない人間にやらせると効果的に行える。複雑でなくて単純な理論体系でも、スタッフが気に入らない場合作品のコンセプトを破壊する。SHUFFLE!、つよきす、夜明け前より瑠璃色な、などの作品は、この技法により、原作の極限られた趣向から更に幅広い層に受け入れられた。 ;原作が未完結であっても完結させられる :漫画等では、原作が完結していないうちにメディアミックスを行うことが多い。このような場合、原作通りに制作していたのでは[[打ち切り]]最終回のようなことになりかねない。原作破壊の手法を用いることでそのような状況から回避できる。 ;知名度の大幅向上 :大胆な原作破壊が用いられた場合、いわゆる「原作信者」と呼ばれる人々によって「俺たちの原作を汚しやがって!」「○○(監督や製作会社の名前など)[[死ね|氏ね]]」、「原作通りにすれば大ヒット間違いなしだったのに……。」などといった言葉が溢れかえることになる。その結果、原作の知名度が大きく向上することになる。また、原作を知らない人々が上記のような原作信者の言葉を聞いた場合、「そんなに原作が素晴らしいというのなら自分も原作に触れてみようじゃないか」という気持ちになる場合があり、これは原作者の直接の利益に繋がる。 :しかしたまに「[[ローゼンメイデン]]」のような特殊なケースが発生する。 ;原作アンチも納得 :監督が原作嫌いがゆえに原作破壊をする例もある。「[[つよきす]]」は強気な娘がヒロインを務めるゲームだが、アニメ版は「強気ッ娘が嫌い」と監督が豪語している。この事から当然アニメ「つよきす~Cool×Sweet~」でもツンデレは存在せず、ツンデレ嫌いにも楽しめる出来となった。他にも原作の「明るい物語」というコンセプトを捨てたアニメ「機動戦士SHUFFLE!SEED」も原作アンチに大絶賛された。 :それ以外にも原作厨が発狂するのを生暖かい目で見て、「やっぱり○○はクソだ」と原作アンチが悦に浸れる。 ;スタッフがゲーム脳になるのを避けられる :ゲームをやると「[[ゲーム脳]]」になると言われているが、原作破壊を効率的に行うには原作に触れないのが一番効率良い。ゲームのアニメ化を進めるスタッフがゲーム脳になる危険が減る。 ;製作時間を減らせる :原作破壊をするためには原作を見なければいいが、原作を見なければその分手間を減らせる。つまりスタッフも製作時間が短くなって良い事づくめである。 ==原作破壊の技法== ここでは、原作破壊でよく用いられる技法について紹介する。 ;設定の追加 :新たな設定を追加することは原作破壊で頻繁に用いられる技法の1つである。これにより、原作の世界観が一変したり、原作ではありえないような展開が登場したりと、原作を知っている人にとっても新鮮な気持ちで楽しむことができる。例えば、ゲーム「[[夜明け前より瑠璃色な]]」の[[アニメ]]化作品「夜明け前より瑠璃色な Cresent Love」においては、主人公が初対面の人の[[鼻]]をつまむ、[[近未来]]を感じさせる[[キャベツ|緑色の球体食品]]が登場するなどのかつてない斬新な設定が追加された。またゲーム「[[SHUFFLE!]]」のアニメ化作品「機動戦士SHUFFLE!SEED」では、ゲーム版の主人公:土見稟とは同姓同名のオリジナルキャラクターを起用しているが、彼の模型船がやたらと登場する。だが、これはみんな鼻くそほじって「あっそ」と軽く流す程度の意味不明な設定だが、多分、[[細田直人|監督]]には深い意味があるのだろう。 :また最近は過去に発表した作品に余計な設定を改変・付け加えてリメイクして発表する最悪なケースがある。 ;設定の削除 :逆に原作に存在する設定を削除することもある。設定が多すぎると、伏線の未回収や話の収拾がつかないなどの恐れがあるからである。特に[[未成年者]]の[[飲酒]]・[[喫煙]]については、[[大人の事情]]としてどの作業よりも優先されるべき問題であるとされ、極力差し替えないし削除が行われている。 ;登場人物の追加 :原作にはいないオリジナルの人物を登場させる技法の1つである。有名な例では声が芸能人だったりアナウンサーなどを使っている。だが毒にも薬にもならない[[要らない子]]である場合が多い。 ;原作の主要登場人物を同姓同名のオリジナルキャラクターへ差し替える。 :原作の主要登場人物を同姓同名の似たような経歴を歩んできた別人格のオリジナルキャラクターへと差し替える技法もある。 :ゲーム「SHUFFLE!」のアニメ化作品「機動戦士SHUFFLE!SEED」では聖人君子の好漢だった主人公:土見稟だが、アニメでは「[[君が望む永遠]]」の鳴海孝之や「[[School Days]]」の伊藤誠を彷彿させるクズ人間である同姓同名のオリジナルキャラクターへ差し替えた。この主人公変化は原作アンチを中心に幅広く受け入れられた。 :この主要登場人物を同姓同名のオリジナルキャラクターに差し替えるという技法は、原作嫌いや原作を見てない人材にやらせると効果的に行える。 ;宣伝を狙う畑違いの人材起用 :最近のアニメ(特に劇場版)で多い技法なのだが、プロの声優を起用せず畑違いのアイドルやお笑い芸人を起用する技法が多い。特に声が変わった[[ドラえもん|某青狸]]の劇場版は酷いケースで、宣伝目的で大根役者を起用する外道の様な技法が用いられている。 :また主題歌にはその作品とは合わないアーティストを起用したり、従来のファンをがっかりさせる事もある。 ;OPとEDを頻繁に入れ替える。 :毎回1クールことにOPやEDを入れ替えるのも原作破壊の一種と言える。特に解読不能な歌を歌うアーティストにOPを任せれば、原作ファンが発狂して知名度向上に繋がる。 :また「[[機動戦士SHUFFLE!SEED]]」の第二期「機動戦士SHUFFLE!SEED DESTINY(SHUFFLE!Memories)」では毎回OPとEDを変えるという、みんなどうでも良いと思ってる手法が使われた。これのどこに意味があるのかは知らんが、的外れの手法が笑いを誘う。まあ実際は多分資金稼ぎとかそういう所。 ;スタッフ・監督の楽屋オチ :監督などスタッフ側が用いる技法で、内輪にしか分からないネタ(いわゆる'''楽屋オチ''')を使い視聴者を置いてけぼりにする技法もある。またスタッフ側の思想で作品を塗り潰す事もオナニーの一環とされる(例、[[鋼の錬金術師]]など)。 ;顔面変形 :作画を原作者と画風がまったく異なるものに担当させることも頻繁におこなわれる。例えば[[西村博之]]は、どんな登場人物も「熱血な、たらこ唇の、まろ顔」に変形してしまうため、可憐な美少女だったはずのヒロインがスポーツ選手になっていたなどの惨事がよく見られた。 ;原作を知らないで作る :原作に触れないで製作するのも原作破壊の基本的な手法の一つである。「[[つよきす]]」・「[[ひぐらしのなく頃に]]」のアニメ作品などは、この手法を用いて製作されている。 :この手法の効果は絶大であり、先入観に捕らわれずに半ばオリジナル化した作品を製作する事が可能となる。また一から世界観やキャラ設定を作る必要が無いので製作時間が短くて済む可能性があり、下手にオリジナル作品を作るのは危ない橋であり、中々偉い人が許可を出さないが、オリジナル作品だと固定ファンがつくので予算が出やすいと思われる。 :また雑誌などのインタビューで鼻高々に「アニメを作るために原作をやってません」という節の発言をすれば、原作ファンが怒り狂う。彼らの怒りっぷりを生暖かい目で見ていた者の中には逆に原作に触れてみようという者が増える。 ;原作をつまらないと思っている人間に作らせる :「夜明け前より瑠璃色な Cresent Love」で使用されている手法。当然、これは原作破壊に繋がる。 ;雑誌インタビューなどの発言で原作や原作ファンを馬鹿にをする。 :スタッフ(主に[[監督]]や[[脚本家]])が雑誌インタビューで原作や原作ファンを馬鹿にしたような発言をすれば効果は絶大である。原作ファンが騒いでくれ、結果的に知名度向上に繋がる。 ;完全オリジナル作品に作り変える :アニメのオリジナル作品は、採算が取れるかどうかは分からないため慎重にならざるを得ないが、原作付きならば一定の利益が見込めるため企画が通りやすいと思われる。結果、監督などスタッフ側はオリジナル作品を作りたいけど、企画を通すためにあえて原作付き作品を選び、原作破壊をすることでオリジナル色を出す。 :「[[舞-HiME|アイドルマスター・ゼノマイヒメ]]」を例に説明しよう。「[[舞-HiME]]」の続編を作りたかったどう作品のスタッフ達だが、企画が通らず悶々としていた。そこに「[[アイドルマスター]]」のアニメ化が舞い込んできて、それを利用して企画を通したのが、「アイドルマスター・ゼノマイヒメ」である。他は「SHUFFLE!」とかもオリジナル作品に作り変えられた例の一つである。同作品は「[[機動戦士ガンダムSEED]]」を彷彿させる出来となっており、原作ファンを怒り狂わせた。 ;レベルが低いスタッフに作らせる :むしろスタッフのレベルが低い方が原作破壊に繋がる。場合によっては、[[かんたん作画]]が暴走して原作破壊にまでなりえる可能性もある。「[[ポケットモンスター (アニメ)]]」がその一つと言える。 ;[[読みにくい文章|地球人に理解不能な言語]]で物語を進行し続ける :映画「[[スター・ウォーズ]]」の外伝ドラマ「[[スター・ウォーズ・ホリデイスペシャル]]」(1978年)がこれに当てはまる。この作品は高い知能を持ってはいるが劇中における標準語を話せない種族“ウーキー”の青年チューバッカの親戚を中心とした物語で、彼らは『ウオーン、ガーッ!ウオッ、オッ、ゥオッ、オーン』と言った感じの咆哮で会話をする。原作では人間種の相棒ハン・ソロがいつも近くに居るので特に問題は無いのだが、この作品はそんなウーキー達が'''二時間に渡り迫真の科白劇を繰り広げ続ける'''と言う内容であり……嗚呼。なお、名誉の為に書いておくが原作者(ジョージ・ルーカス)は製作に殆ど関与していない。念のため。 ;登場人物の年齢を[[登場人物は18歳以上|設定年齢18歳以上]]にする :先に挙げた「[[舞-HiME|アイドルマスター・ゼノマイヒメ]]」だが、コミック版「[[舞-HiME|アイドルマスター・ロリグラシア]]」ではそのアニメ版に対して更に、登場人物の年齢を設定年齢18歳以上にするという原作破壊を行っている。その結果、第1話はアニメ版ではチラ見せ<!-- っていうか映ってたっけ? -->だったペンギンさん付きパンツを子供パンツにして見せまくるという改変が行われ、結果、[[利用者:ひとむら|新たなファン]]<!-- ちなみにコミック版作者の単行本(すべて18禁)は3冊すべて持っています。 -->を獲得した。 ;舞台の時代を変える :「[[時をかける少女]]」のアニメ映画版は、原作の舞台の30年後という設定になっている。それによって、原作をとどめなくなってしまった。しかし古い時代の作品であることを覆い隠せる上、原作を知らない人が見ても面白く鑑賞することができるというメリットもある。 ;特定コーナーを拡大する :「[[Qさま!]]」や「[[ヘキサゴン]]」などといった[[バラエティ番組]]でよく使われる技法。人気のある特定のコーナーを拡充し、他のコーナーを縮小させる。これにより安定した高視聴率が可能になるが、昔見ていた視聴者がクレームをついてしまう。 <!--具体的な例を募集中--> {{節スタブ}} ==関連項目== *[[かんたん作画]] - 原作破壊に含まれないことが多いが、度を超えたものは原作破壊とみなされることがある。 *[[魔法の妖精ペルシャ]] - 最初に行われた原作破壊の実例 *[[月姫]] *[[外道戦記]] *[[ネギぽにだっしゅ!]] *[[デビルマン]] *[[聖闘士星矢]] - 初期の青銅聖闘士(ブロンズセイント)の設定は原作とは異なっているため、原作破壊の一種と思われる。 *[[ポケットモンスター (アニメ)]] {{アンサイクロペディア}} {{DEFAULTSORT:けんさくはかい}} [[Category:芸術]] [[Category:商業]]