「グーグル八分」の版間の差分
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2007年6月24日 (日) 09:44時点における版
グーグル八分(グーグルはちぶ、Google八分)とは、インターネットの検索エンジンであるGoogle(グーグル)で本来なら上位に表示されるはずのウェブサイトやウェブページが、検閲などにより検索の対象から外れるよう操作され、検索の結果に表示されない状態をいう。村八分になぞらえて呼ぶ言葉である。
目次
概要
グーグル八分は、特定のウェブサイトやウェブページが検索用のインデックスから完全に削除され、Googleの検索で一切表示されなくなる。World Wide Webとは言うが、実際は検索エンジンがポータルサイトとして重要な存在であり、グーグル八分を受けたウェブサイトは、多くの利用者にとって存在しないも同然になる。そのため、特定のウェブサイトを意図的に表示されないようにする操作は、情報のアクセス権 (知る権利)の問題になりうる。また、悪徳商法?マニアックスの管理人であるBeyondによると、グーグル八分の原因になった紛争が解消されたとしても、Googleが当該ウェブサイトを検索結果の本来あるべき位置に復活させることは無いという。
実例
悪徳商法?マニアックス - 日本で初めて明らかになったグーグル八分
悪徳商法?マニアックス(悪マニ)はグーグル八分にされ、Googleで検索しても正しいトップページは現れない[1]。この現象は、日本のドメイン(google.jp)からの検索に限られ、プロキシを使ったり、ドメインを変える(gppgle.com)などして日本以外を通じて検索すると、正しいトップページも表示される[2]。この点について、2004年1月に悪マニ管理人のBeyondがGoogleへ問い合わせると、「日本の法律上、違法情報に該当すると判断され、Google.co.jp及び弊社パートナーサイトから削除させていただきました」との返答があり、グーグル八分の存在が明らかとなる。
元々は株式会社ウェディング(現CELUX LOVER WEDDING(セリュックスラヴァーウェディング))からの名誉毀損罪及び営業妨害罪ではないかとのクレームによりグーグル八分となったのだが、2006年2月以降はグロービートジャパン(グロ社)の申請によって、悪マニのウェブページが大量にグーグル八分される事態となる。これは、悪マニがグロービートジャパン・平和神軍観察会事件の解説を掲載しているためである。
また、ウィキペディア日本語版にある悪徳商法?マニアックスの項目もグーグル八分にされている。
なお、まれに悪マニのグーグル八分は解除されたと報告する者もいるが、google.comで検索した結果を見たことによる勘違いである。
グロービートジャパン(ラーメン花月)
グロービートジャパン(ラーメン花月)に関連するウェブページで大規模なグーグル八分が発生し、2006年時点で上位10件中10件が検閲され別の結果に置き換わっていることが表示されている[3]。グロービートジャパンはグロービートジャパン・平和神軍観察会事件において個人を名誉毀損で民事提訴・刑事告訴して裁判が開かれており、主にその刑事裁判の傍聴記のページなどが表示されない。裁判は継続中だが、関連するページが増えるのにつれてグーグル八分されるページも増え、30以上のページが検閲されている。『グーグル八分とは何か』(九天社)によると、「現在、見つかっているものの中で、最大のグーグル八分」とのこと。なお、グロービートジャパンがグーグル八分の申請をしていることは、2006年9月27日に東京地方裁判所で開かれたグロービートジャパン・平和神軍観察会事件刑事裁判の第13回公判の証人尋問において、グロービートジャパン代表取締役副社長の鶴見嘉弘(本名靏見嘉弘)が認めている。
さらに、グロービートジャパンはWikipediaに強硬なクレームを付け、グロービートジャパンの項目には自社の認める情報以外は記述させないようにしており、また、はてなキーワードの項目も執拗な書き換えを行うなど、ネット上の情報に対する態度は一貫して「自社の宣伝」以外の情報は認めないという態度をとっており、グーグル八分申請との関連性が見られる。他のグーグル八分事例では、グーグル八分されている件数はせいぜい数件であり、「グロービートジャパン」を検索したときの結果の異常性は、突出している。
グロービートジャパンに関しては、以下のページがグーグル八分されていることが確認されているが、これ以外にも存在する。
- グロービートジャパンの社長は、1億円以上の報酬をもらいながらも単なる「お飾り」か??
- グロービートジャパン
- 138万人は知らない、ラーメンの真実
- 新春企画:グロービートジャパン占い
- Yahooがカルト教団騒動で渦中のグロービートジャパンと提携
- 悪徳商法?マニアックス ココログ支店: 2006年1月 バックナッバー
- グロービートジャパンのSPAM大作戦
- 日経スペシャル「ガイアの夜明け」で、グロービートジャパンが紹介!
- 豚そば銀次郎
- 日本平和神軍
- グロービートジャパンのspam疑惑を淡々と記録する日記 - 悪徳商法?マニアックス別館
- 悪の最新情報
- 裁判傍聴記/らあめん花月・日本平和神軍事件の場合
- グロービートジャパンとは - はてなダイアリー
- 平和神軍観察会
- グロービートジャパン会長の異常な言動
- 悪徳商法ポータル
日本国外では
通常グーグル八分は検索する国の法律に従って行われるが、Googleはアメリカ合衆国の企業であるため、同国内の法律によって違法と判断されたサイトは全世界で表示されない。例えばデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に抵触すると判断されたサイトについては、米国からも日本からも他の国からも検索出来ない。日本語のコンテンツであっても同様である。また中華人民共和国でのGoogleでは、同国政府からの要請により、同政府に反する記事を検索しても一切表示されない(中国のネット検閲参照)。
確認方法
特定のページがグーグル八分されているかを確認するには、ページのURLをGoogleで検索すると分かる。URLを検索すると、インデックスに登録されていれば通常はタイトルなどの情報が表示される。しかしグーグル八分されている場合には
Google 宛に送られた法律に関するリクエストに応じて、検索結果のうち 1 件を削除しました。必要に応じて、ChillingEffects.org で削除が発生したことに至った苦情を確認できます。
といった案内が表示される[4]。2006年1月にGoogleの検閲ポリシーが変わり、グーグル八分が行われている場合には、原則としてこのような案内が出るようになっているが、実際に案内文の通り苦情が確認できる事は非常に少ない。
なお、2007年3月現在、Wikipediaのこのページはグーグル八分の対象になっていない。
例外
- robots.txtなどで、サイト側が自ら検索を拒絶している場合には(norobot設定)、グーグル八分に該当しない。
- グーグルのページランクの変更により、検索結果のランキングが急激に変動して、上位のサイトが急に下位になることがある。これを「グーグル八分」と呼ぶ人もいる。しかしこのときはページそのものは検索対象になっているのだから、これはグーグル八分ではない。(ただのランキングの変動である。)
参考文献
- 佐々木俊尚『グーグル Google - 既存のビジネスを破壊する』文藝春秋(文春新書(501))2006年、ISBN 978-4166605019
- グーグルが全世界のウェブ情報を一本化しようとしていること、グーグルの経営モデル、特定企業・米国政府・中国政府による恣意的なグーグル八分の実態、グーグル八分の危険性などが書かれている。
- 吉本敏洋『グーグル八分とは何か』九天社、2006年、ISBN 978-4861671463
- 作者の吉本は悪徳商法?マニアックスの管理人である。グロービートジャパン(ラーメン花月)や、大東建託、探偵ファイル(ガルエージェンシー)、アスキー、朝日新聞などに関するグーグル八分の事例や、弁護士、日本図書館協会の人へのインタビューなどが書かれている。