「マクロスシリーズ」の版間の差分

提供: Yourpedia
移動: 案内検索
(内部リンク修正)
(LTA:RXYによる悪質なスクリプト荒らしの差し戻し。)
 
(他の1人の利用者による、間の1版が非表示)
(相違点なし)

2020年1月12日 (日) 23:04時点における最新版

マクロスシリーズ」は、『超時空要塞マクロス』およびその続編作品、外伝作品からなるSFアニメロボットアニメである。

概要[編集]

ビックウエスト製作、スタジオぬえ原作[1]のアニメシリーズ。1982年に『超時空要塞マクロス』が放送されて以来、2008年4月現在テレビアニメ3作、OVA5作、アニメ映画3作が作られ、出版・音楽・玩具(プラモデル)・ゲームなど関連商品も多数発売されている。制作の中心的存在はメカニックデザイナー兼演出家の河森正治。その他、コンセプトデザイナーの宮武一貴キャラクターデザイナー美樹本晴彦、メカニック作画監督の板野一郎らも主要スタッフとして貢献している。2008年には25周年記念作品としてテレビシリーズ『マクロスF』の放送が開始された。

それぞれの作品に共通し、物語においてとても重要な部分を占めているのは、「バルキリーと呼ばれる可変戦闘機の高速メカアクション」、「」、「三角関係の恋愛ドラマ」である。これら3つを織り交ぜる独創的なSF感覚が特徴であり、映像と音楽の一体化を重視している。手描きや3DCG作画の限界に挑戦する姿勢や、歌謡曲ロックテクノオーケストラなど多彩な音楽の魅力がファンに支持されている。

作品一覧[編集]

超時空要塞マクロス[編集]

超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-[編集]

マクロスプラス[編集]

  • OVA
  • 劇場版
    • 『マクロスプラス MOVIE EDITION』 1995年
  • 小説
    • 『マクロスプラス』 1巻 著:信本敬子 1996年(小学館)

マクロス7[編集]

マクロス・ジェネレーション[編集]

マクロス ゼロ[編集]

マクロスF[編集]

TVシリーズは全て毎日放送の製作によって、TBS系列で放送された。毎日放送は「ゼロ」を除くOVA作品の製作にも参加しているが、「マクロスⅡ」のTV放送はテレビせとうちをキー局に、テレビ東京系列で放送された。

特徴[編集]

作品世界[編集]

舞台となるのは21世紀銀河系宇宙。地球に墜落した謎の宇宙船とそこから得た超科学(オーバーテクノロジー)により、地球人類は目覚めを促され、宇宙時代へ歩みだすことになる。強大な異星人勢力ゼントラーディ人プロトデビルンと衝突する困難を経ながら、「文化の力」で共生の道を見出し、銀河系各方面へ生活圏を拡げていく。墜落した宇宙船の後の姿こそ作品タイトルの巨大宇宙戦艦 マクロスであり、地球を含む宇宙の歴史を変える「運命の船」となる。さらにプロトカルチャーと呼ばれる太古の科学文明も、種族の起源にまつわる重要な存在として関係する。

時代は主に動乱期の2000年代と繁栄期の2040年代以降に分かれる。キャラクターの世代交代も行われ、地球人とゼントラーディ人の混血二世が人種融合の証として登場する。戦中・戦後世代の感覚差も描かれるが、アイドル歌手リン・ミンメイマクシミリアン・ジーナスミリア・ファリーナ・ジーナス夫妻らは、象徴的なキャラクターとしてシリーズ各所に名を残している。その他、50万年前のプロトカルチャー時代や、動乱期と繁栄期をつなぐ成長期(2010~2030年代)も公式年表で設定が補足されている。作中の年代と主な出来事ついては時系列の節を参照。

シリーズのテーマとしては、戦争や軍隊を背景にしながら文化をキーワードに、異文化間のカルチャーギャップ(カルチャーショック)による時代の変容が描かれる(異文化とは異星人に限らず、現代社会と旧社会、軍人と民間人など環境や価値観の異なる存在の意味も含んでいる)。河森は「戦争という異文化の交流によるカルチャーショックや、それにより変遷していく文化を扱うものとして、武力で決着しない作品をつくれないかと考えたのが最初のマクロスです[2]」と述べ、宮武は「意志の疎通の混乱から生まれるカタルシス、その上で出てくる"人間の軋轢とゴッタゴタと無茶苦茶さ"がマクロスの核なんです[3]」と説明している。この異文化の接触から生まれるもの、または異文化の壁を乗り越えるものとして、ごく日常的な「愛情」や「歌」が普遍的な価値を示している。

「歌」、「恋愛(三角関係)」、「戦争(可変戦闘機)」は三大要素として必ず盛り込まれているのも本シリーズの特徴である。

作品の解釈[編集]

マクロスシリーズについて、メインクリエーターの河森は「本当のことは別にある [1]」という発想から、次のような解釈を示している。

  • それぞれの物語は、架空の世界(マクロスワールド)の歴史的出来事をモチーフにして後から作られた創作作品(フィクション)である。史実をもとに制作されたが、描き方まで史実通りとは限らない[4]
  • テーマ・人物像・ガジェットなどは作り手の演出・脚色によりアレンジされている。同じ出来事をモチーフにしてもテレビ、OVA、映画ではそれぞれ異なった表現法になる。具体例として、『超時空要塞マクロス』テレビシリーズと劇場版の位置付けの違いを参照。
  • シリーズの公式年表は為政者が勝手に書き換えた年表をイメージしている[5]。年表上から作為的に消された「事実」も存在し、『マクロス ゼロ』のエピソードはこれに当たる。[6]
  • 登場するメカも架空の実在機を各作品のスタイルにアレンジして「出演」させたもので、本来の姿は別に存在する。[7][8]性能・装備などは、軍の発表を基に軍事評論家が作った推測データ的な扱いである。[9]
  • フィクションという意識から、作風も一作ごとに変えている。『超時空要塞マクロス』は日常ドラマ、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は舞台劇、『マクロスプラス』は洋画、『マクロス7』は漫画、『マクロス ゼロ』は神話をイメージしており、新作の『マクロスF』は学園青春ものを予定している[10]

兵器・戦闘描写[編集]

『超時空要塞マクロス』で登場した可変戦闘機VF-1バルキリーは、実在の戦闘機に酷似した飛行形態から巨大ロボットに変形するという斬新なコンセプトで人気を博した。以降のシリーズでも同様の可変戦闘機が登場しており、『マクロスプラス』は次期可変戦闘機のトライアル自体が作品の主題となっている。

その可変戦闘機の活躍を更に引き立てたのが「板野サーカス」の異名を持つ板野一郎の作画であり、その視聴者の眼が追いつかないほどのダイナミックな機体の挙動やミサイルの乱舞は、本シリーズの代名詞であると共に、以降のSFアニメの演出にも多大な影響を及ぼしている。『マクロス ゼロ』以降の作品では、板野自身がCGモーションディレクターに転向した事もあり、全面的に3DCGによる描写が導入されている。

時系列[編集]

正史と外伝[編集]

シリーズの公式年表としては、2012年までの「マクロス年表」[11](制作:河森正治)と2046年までの「MACROSS HISTORY」[12](制作:河森正治・千葉昌宏)が書籍上で発表されている。後述の時系列表は「MACROSS HISTORY」の内容を要約したもの。新作『マクロスF』はこの先の2059年が舞台となる。

この公式年表には『超時空要塞マクロスII - LOVERS AGAIN -』(設定では2090年代)や、関連商品の話が載っていないが、これは河森が関与していないために書かれていない。

公式年表[編集]

西暦(マクロスシリーズ)[編集]

作中年 出来事 関連作品
紀元前
100万年代-
50万年代
プロトカルチャーの繁栄と滅亡
宇宙初の知的生命体プロトカルチャーは、高度な科学文明で広大な星間共和国を築くが、遺伝子工学を用いて生みだした代理兵器ゼントラーディ人プロトデビルンの制御を誤り、暴走に巻き込まれて滅亡する。プロトデビルンは封印されたが、残されたゼントラーディ人は敵対する監察軍と50万年以上に渡り抗争を続ける。
マクロス7
西暦1999-
2008年
宇宙船墜落と統合戦争
1999年7月、大破した監察軍戦艦が地球に墜落。地球人類は宇宙からの脅威に備え統合政府を樹立するが、反対勢力(反統合同盟)との間に7年に及ぶ統合戦争が勃発する。この間、墜落艦はSDF-1マクロスとして修復され、オーバーテクノロジーにより対巨人新兵器、可変戦闘機(バトロイド)やデストロイドが開発される。
超時空要塞マクロス
マクロス ゼロ
西暦2009-
2010年
第一次星間大戦
監察軍戦艦を追ってきたゼントラーディ艦隊と地球の間に宇宙戦争が勃発。マクロスは地球から見捨てられ、艦内に南アタリア島市民を収容したまま孤独な逃避行を続けるが、文化の力を知った敵軍のブリタイ艦隊と星間交流を果たす。両者はアイドル歌手リン・ミンメイの歌を絆とし、地球に襲来したボドル・ザーの大艦隊を迎え撃つ。
超時空要塞マクロス
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
西暦
2012年-
2030年代
宇宙移民時代の幕開け
生き残った地球人類とゼントラーディ人の一部は、人種融合と宇宙移民計画を推進。メガロード-01を始めとする移民船団が旅立ち、銀河系内に広大な生活圏を築く。反面、統合政府に反発するゼントラーディ人の暴動や反体制組織の活動が活発化する。2031年、第一次星間大戦の教訓を伝える映画『愛・おぼえていますか』が製作され大ヒットする。
超時空要塞マクロス Flash Back 2012
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
西暦2040年 シャロン・アップル事件
マクロスシティで催された大戦終結30周年記念式典において、ヴァーチャルアイドルシャロン・アップル人工知能が統合軍中枢部を乗っ取る事件が発生。スーパーノヴァ計画でテスト中の新型可変戦闘機2機により暴走が食い止められる。
マクロスプラス
西暦2045-
2047年
バロータ戦役
銀河系中心方面へ航海中の第37次超長距離移民船団(通称マクロス7船団)が、覚醒したプロトデビルン率いるバロータ軍に襲撃される。スピリチアと呼ばれる生体エネルギーを巡る戦いの中で、ロックバンドFire Bomberの熱唱が平和への道を拓く。
マクロス7
マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!
マクロス ダイナマイト7
『超時空要塞マクロスII - LOVERS AGAIN -』
第一次星間大戦後も10年おき位にゼントラーディ艦隊が襲来するが、歌によるカルチャーショック戦法(ミンメイアタック)で撃退する。地球は繁栄期を迎えるが、文化の価値を過信する風潮が生まれる。
2090年代、新たな脅威マルドゥークが来襲。自らの文化を持ち、ミンメイアタックが通用しない勢力の出現で、人類は再び存亡の危機に瀕する。

以上で作品の核心的な内容についての記述は終わりです。

幻の企画[編集]

アドバンスト・バルキリー(Advanced Valkyrie)
1985年末、誌上で告知されたバンダイの模型企画。ガンプラMSVにあたるスピンオフシリーズだが、プランナーの河森はマクロス世界外における可変戦闘機のバリエーション展開を構想していた。21世紀初頭、北米で活動する可変戦闘機テストチームNOVAの物語に並行してプラモデルを発売する予定で、5機種のデザインイラストや試作見本も公表されたが[13]、その後進展がなく商品化は頓挫した。
厳密にはマクロスシリーズの企画ではなかったが、可変戦闘機のバリエーション構想は『マクロスプラス』以降で結実する。幻のデザインとなったVF-X-11やVF-3000も、2001年発売のゲーム『マクロスM3』で陽の目を見た(VF-X-11はVF-9に改名)。河森はその後もマクロスのタイトルを外した可変戦闘機ものを作ってみたいと語っている。[7]
ハリウッド実写映画
1994年、マクロスシリーズの新展開に先立ち「4大プロジェクト」が発表され、OVA(マクロスプラス)、テレビシリーズ(マクロス7)、両作品の劇場版に続き「ハリウッドでの実写特撮映画化を準備中」と告知された。『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』をベースに歌をテーマにした作品で、アメリカでシナリオ検討段階まで至ったものの、実現しなかった。
なお現在、『マクロス』『サザンクロス』『モスピーダ』を再編集した米国版『ロボテック』の実写映画化がワーナー・ブラザーズにより進められている。
マクロス3D(仮)
1999年末に製作発表されたOVA作品。制作はマクロス関連のゲームムービーや『マクロス ダイナマイト7』のOPを手がけたゴンゾ。メカニック、キャラクターを含めフル3DCG作品という触れ込みで、2000年にデモ映像が公開された。しかしその後進展がなく、2002年に『マクロスゼロ』が発表されてからは「3DCG表現の可能性を探るためのテストピース」と説明されるようになった。なお、デモ映像は「マクロス3D VFX」というタイトルでDVD『マクロス20周年プレミアムコレクション』に収録されている。
(主要スタッフ)原案・メカニックデザイン・総監修:河森正治 監督:もりたけし 脚本:佐藤大 キャラクターデザイン:ソネハチ メカニックデザイン・美術設定:宮武一貴

脚注[編集]

  1. ただし『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』にはスタジオぬえは関与していない
  2. ニュータイプ』 2002年9月号 角川書店
  3. 『MACROSS DIGITAL MISSION VF-X 最強攻略ガイド』 小学館 1997年
  4. 史実作品の例:元禄赤穂事件を題材に作られた小説・映画・ドラマなどの忠臣蔵
  5. モデルグラフィックス』 vol.211 大日本絵画 2004年
  6. この『マクロスゼロ』自体も例外にもれず映像作品であるという位置づけがなされており、海面から飛び散った水しぶきがカメラのレンズに降りかかるといった演出が意図的に盛り込まれている。
  7. 7.0 7.1 「グレートメカニック 2」 双葉社 2001年
  8. 『マクロス7』の劇中劇「リン・ミンメイ物語」でVF-19改を加工してVF-1に見せかけたり、『マクロスF』劇中で『マクロス ゼロ』のエピソードが映画化された際にVF-25の映像をCG加工してVF-0に見せた事が示されており、一連の作品の登場機体も同様にして再現された事が示唆されている
  9. 『グレートメカニック 8』 双葉社 2003年
  10. 『ニュータイプ』 2007年7月号 角川書店
  11. 月刊OUT』増刊 『マクロス・パーフェクト・メモリー』 みのり書房 1983年
  12. 『マクロスプラス MOVIE EDITION』『マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』 劇場パンフレット 1995年
  13. 『模型情報』 1985年12月号 バンダイ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

マクロスシリーズカテゴリ
テレビアニメ 超時空要塞マクロス - マクロス7 - マクロスF
OVA Flash Back 2012 - マクロスII - マクロスプラス - マクロス ダイナマイト7 - マクロス ゼロ
アニメ映画 愛・おぼえていますか - マクロスプラス MOVIE EDITION - マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!
ゲーム VF-X2 - トゥルーラブソング - M3
漫画 VF-X2 - マクロス7 トラッシュ - マクロス ダイナマイト7 ミレーヌビート
ラジオドラマ マクロス・ジェネレーション
劇中項目一覧 用語一覧 - マクロスの登場人物一覧 - マクロス7の登場人物一覧 - VF-X2の登場人物一覧
関連項目 ゲーム一覧 - スタジオぬえ - 河森正治 - 毎日放送

テンプレート:毎日放送fr:Macross th:มาครอส