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刺殺された湯浅栞さん(22)の元交際相手、岡逸人(23)の身柄が確保されたのは、千葉県市川市の事件発生現場から300キロ近く離れた[[伊豆諸島]]・[[八丈島]](東京都)の港だった。 | 刺殺された湯浅栞さん(22)の元交際相手、岡逸人(23)の身柄が確保されたのは、千葉県市川市の事件発生現場から300キロ近く離れた[[伊豆諸島]]・[[八丈島]](東京都)の港だった。 | ||
2015年1月10日 (土) 14:54時点における版
市川女性刺殺事件とは、2013年11月27日、千葉県市川市のJR本八幡駅にて、湯浅 栞さん(ゆあさ しおり、22歳)が元カレの岡 逸人(おか はやと、23歳)に刺殺された事件である。
目次
事件発生
「キャー」。夕闇迫る繁華街に悲鳴が響いた。
2013年11月27日夕、市川市八幡で女性が刺され死亡した。人通りが絶えないJRの駅前で女性が男に襲われ倒れた。「救急車を呼んで」と叫ぶ悲痛な声が街の喧噪を破った。容疑者逃走中の報に、近くの駅を多くの生徒が使う私立学校はスクールバスを手配するなど対応に追われた。
死亡したのは同市大洲2の無職、湯浅栞さん(22)。湯浅さんは男性(35)と一緒におり、男性は「男は20~30センチぐらいの文化包丁を持って逃げた」と話している。男がJR本八幡駅の構内に通じる階段を駆け上がったとの目撃情報もある。
現場はJRと京成、都営地下鉄に囲まれた繁華街で、飲食店やオフィスビルが立ち並ぶ。下校中の中高生や退社後の会社員らが足を止め、鑑識作業をする捜査員を見つめた。県立高校1年の男子生徒(16)は「こんな近くで事件があって怖い」と話した。
市は事件から約1時間後、防犯メールのほか、ネット交流サイト「フェイスブック」や短文投稿サイト「ツイッター」を通じて市民に事件を一報。「犯人はまだ捕まっていないので注意を」と呼び掛けた。
被害者・湯浅栞さん
千葉県警に3度のトラブル相談「近く入籍予定」での悲劇
千葉県市川市の繁華街で刺され死亡した湯浅栞さんは、自分の連れ子の長女(3)と交際中の男性(35)と一緒にいたところを襲われた。湯浅さんは近く、この男性と入籍する予定だったとみられるが、元交際相手から復縁を迫られるなどのトラブルを抱えていたようだ。幸せを目前にした悲劇に、周囲は衝撃を受けた。
「元交際相手から復縁を迫られ困っている。別の男性とも金銭トラブルがある」。千葉県警市川署捜査本部によると、湯浅さんは9月、2人の男性について計3回、同署に相談していた。元カレからは復縁を迫られ、勤務先キャバクラ店の自分の常連客から借りた金の督促にあっていた。暴力的なトラブルの相談内容は確認されていないが、同署は2人に口頭で警告した。
このうち復縁を迫った20代の男性とは事件後、連絡が取れていないという。この男性は10月、市川市の路上で騒いでいるところを同署に保護され、言動がおかしいとして保健所に通報されていた。
湯浅さんは27日午後4時ごろ、交際中の男性と一緒に車で市内の保育所へ長女を迎えに行き、その帰りに現場付近の宝くじ売り場へ寄って車を降りたところ、刃物を持った男に襲われた。交際中の男性は車内で待っていたという。
湯浅さんは黒い靴が片方脱げた状態で、その場にあおむけに倒れ、多数の通行人らが見守る中を救急車で病院に搬送された。交際していた男性は事件直後、捜査本部に「湯浅さんと近く入籍する予定だった」と話したという。
湯浅さんの住まいは、市川市内の住宅街にある2階建てアパート。交際中の男性と長女の3人で暮らしていた。事件後、湯浅さんらが住む2階の部屋はカーテンが閉め切られ、室内から犬の鳴き声が漏れ聞こえた。
近所に住む男性理容師(32)によると、湯浅さんは2カ月ほど前に引っ越してきたといい、「茶色い髪が肩まで伸びたきれいな人だった」と話す。
湯浅さんと中学の同級生だった女性(21)は「明るくてかわいい、活発な子。とてもショックだ」と力なく語った。
「俺だ、俺だ」と岡容疑者、犯行認める。捜査員、フェリー到着待ち構える
刺殺された湯浅栞さん(22)の元交際相手、岡逸人(23)の身柄が確保されたのは、千葉県市川市の事件発生現場から300キロ近く離れた伊豆諸島・八丈島(東京都)の港だった。
28日朝、フェリー到着を待ち構えていた警視庁八丈島署員に任意同行された岡は、 女性を刺したことについて「俺だ、俺だ」と話したという。
八丈島署などによると、岡は事件現場での目撃情報に近い、黒いニット帽に黒のダウン姿。フェリー到着後、約10人の乗客に下船を待ってもらい、全員の名前を確認したところ、千葉県警から連絡を受けていたのと同じ名前の保険証を持った男がいた。
「八丈島に入るかもしれない」という情報を受け、八丈島署は港や空港を警戒していたという。八丈島空港の売店で働く女性は「写真を持った警察が人を捜しているようだった。 本当に八丈島に逃げてきているなんて」と驚いた様子だった。
この事件に対するネット反応
- この人3歳の娘いるのに元彼2人とトラブっててって…何だかなぁ……
- 言っちゃ何だが、この女性、男にだらしなすぎなんじゃないの?22歳で3歳の子供がいて、今彼の前に2人の男性とトラブルって・・・。
- 22で3歳の子がいて交際した男性が沢山いる女性ってどういう生き方してきたんだろう?
- 亡くなった女性には申し訳ないが、二人の男性との交際トラブル&金銭トラブルを抱えながら、また別の男性と結婚を前提に交際中って、ちょっとねぇ…
- 小さいお子さんもいるんだから、もっと慎重に生活すべきだったと思う。
- 一人の男性とは金銭トラブル、一人の男性とは縁のもつれ、未婚で娘がいて、新しい男性と同棲。その娘は誰の子というのも謎。
- 可哀想だけど19歳で産んでて父親の他に、警察沙汰になるほどの男性2人に、新しい婚約者か。う~ん。
- 金銭トラブル抱えてて結婚は慎重になるけどな・・・
- 市川で起きた22歳刺殺された女性って、その年齢で3歳の子供がいるんだから、どういう女か想像できるよね…。
- 男性ふたりと交際トラブルがあったんでしょ。異性関係がだらしないから殺される。この女は自業自得。
- 異性関係がグダグダで股が緩いと、最後はこうなるだけの話しだわ
- 待て待て、22歳で娘3歳、父親じゃない同居男性が通報、復縁を迫る男と金銭トラブル男で、各1名ストーカーて。 どんなんよ。
- 湯浅栞さんはキャバクラのNo2ホステス。結婚する予定でいた殺害当時一緒にいた男性は会社経営者。金銭トラブルのあった相手はお店の客。
裁判
検察側「復縁拒否で憎しみ」弁護側「長女に会えず悩む」焦点は刑の重さに。市川女性刺殺初公判
公判が2014年5月20日、千葉地裁で始まった。岡逸人(24)側は起訴内容を認め、焦点は刑の重さに絞られた。冒頭陳述で、検察側は復縁などを拒否された岡被告の身勝手な考えから事件が起きたと指摘。一方、弁護側は「単純なストーカー殺人ではない」とした上で「自分になついていた湯浅さんの長女に会えないことに悩み、なぜ自分ばかりが不幸になるのかと、当時はかなり追い詰められていた」などと情状を訴えた。
検察側の冒頭陳述によると、岡は2012年ごろから湯浅さんとその連れ子の長女(3)と同居していたが、湯浅さんが別の男性と交際を始めたため、昨年9月に別居。検察側は「岡は復縁や長女との再会を求めたが拒否された。家族からも湯浅さんをあきらめて働くように言われ、厄介払いされていると感じた。すべて湯浅さんのせいと思い、一方的に憎しみを募らせて殺害を決意した」と述べた。
弁護側は「被告は家族の愛情に飢えていた。復縁したいとの気持ちもあったが、長女に会いたいとの気持ちの方が強かった。長女への思いから、体重が減ったり何度も自殺を試みていた」などと当時の岡の胸中を説明した。
岡は11月26日、果物ナイフを持って長女の保育園近くで待ち伏せしたが、湯浅さんの車を見失い殺害を失敗。翌27日午前、果物ナイフに加えて新たにペティナイフも入手すると、同日午後、保育園から湯浅さんの車をタクシーでJR本八幡駅近くまで尾行した。午後4時半すぎ、駅近くの歩道で、湯浅さんの真後ろから声を掛け、振り返った湯浅さんと向き合う形になったところで、右側腹部をペティナイフで1回強く突き刺して殺害した。
岡は犯行後、電車で竹芝桟橋に向かい、フェリーで父親の墓がある八丈島を目指したが、ヘリコプターで先回りするなどしていた捜査員に身柄を確保された。
丸刈りで法廷へ現れた岡被告は、上下グレーのスエットに茶色のサンダル履き。黒縁眼鏡をかけ、視線はまっすぐ前を向いていた。罪状認否ではしっかりとした口調で「間違いありません」と答えた。
両足先をそろえ、手を膝に置き背筋を伸ばして着席。検察側が証拠提出した現場の見取り図などがモニターに表示されると、身を乗り出しながら見つめる場面もあった。
検察側は「悔しい。守ってやれなかった私の責任」などと無念の思いを語った交際相手の男性の供述調書を朗読。岡は動揺することなく、終始落ち着いた表情で聞き入った。
被告に懲役20年求刑。検察側「あまりに身勝手」論告求刑公判
殺人と銃刀法違反の罪に問われた元交際相手の住所不定、無職、岡逸人(24)に対する裁判員裁判の論告求刑公判が2014年5月22日、千葉地裁(佐々木一夫裁判長)であった。
検察側は「あまりにも短絡的で身勝手な考え方に基づく残忍な犯行」として懲役20年を求刑。弁護側は「真摯に反省している」として懲役11年が相当とした。
検察は「自分の思いに相手が従うはずという、ストーカーに共通の心理。長女の面前でちゅうちょなく強く突き刺しており非人間的行為だ」と指摘した。
遺族の代理人弁護士は「長女へ真の愛情があるならば、目の前で母親を刺すなどできるわけがない。単なる執着」と非難。公判中の供述も自己の正当化に終始しているとして「自己愛や救いようのない未熟さがある。可能な限り重い刑を」と意見を述べた。
弁護側は最終弁論で「事件の2か月半前まで湯浅さんらと同居し、仕事や育児に一生懸命取り組んでいた。経緯には同情の余地がある」と主張。「犯行時、心理的に追い詰められ、我が子のようにかわいがっていた長女が視界に入らないほど、冷静さを失っていた」などと情状酌量を求めた。
岡は最終意見陳述では「被害者や遺族にご迷惑をおかけしたことをこの場を借りておわびする。ちゃんと罪を償って、もし(刑務所を)出られるなら賠償したい」と声を震わせた。
「殺してやりたい」両親、感情あらわに
湯浅さんの両親は、被害者参加制度を利用して意見陳述した。父親は岡に対し「許されるなら、私の手で殺してやりたい」と語気を強め、母親も「一生刑務所で暮らしてほしい。(犯行日の)11月27日がこの世からなくなればいい」と感情をあらわにした。
母親は「娘はきょうだい3人でよく遊び、おじいちゃんのことが大好きだった」と湯浅さんの生い立ちを振り返り「長女を一生懸命育て、若いのに頑張っている自慢の娘だった。もう一度会い、抱きしめたい」と声を詰まらせた。
元交際相手に懲役16年。千葉地裁
殺人などの罪に問われた元交際相手の住所不定、無職、岡逸人に対する裁判員裁判の判決公判が2014年5月26日、千葉地裁であり、佐々木一夫裁判長は懲役16年(求刑・懲役20年)を言い渡した。
検察側は、復縁や長女との再会を湯浅さんに拒否されたことなどから、一方的に湯浅さんへの憎しみを募らせたとした上で、「短絡的で身勝手な考え方に基づく残忍な犯行」と指摘。弁護側は「犯行時、心理的に追い詰められ、冷静さを失っていた」などと情状酌量を求め、懲役11年が相当と主張していた。