「ジンククロメート」の版間の差分
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2010年8月19日 (木) 07:49時点における最新版
ジンククロメート(Zinc Chromate)は、クロム酸亜鉛(ZnCrO4)を主成分とする黄色顔料で顔料としてのカラーコードはPigment Yellow 36である。亜鉛黄(あえんき)、ジンクイエロー(Zinc Yellow)とも呼ばれる。黄色顔料のなかでは黄鉛(クロムイエロー)と並んで生産量が多く、日本工業規格(JIS)では黄鉛とともに統一規格の対象として規定している12品目の顔料の1つとなっている。絵具や錆止め塗料に用いられるが、用途により化学組成が異なる。
絵具用ジンククロメート[編集]
絵具に使う場合は「ジンクイエロー」と呼ばれることが多い。化学組成はZnCrO4であり、クロム酸亜鉛そのものを用いる。単独で、或いは白色顔料と混合してレモンイエローの名称で絵具としたり、青色顔料と混合して緑色の絵具とすることが多いが、六価クロムを含んでいるため毒性が強く、近年はあまり使われない。
なおZnCrO4は黄色の結晶性粉末である。
錆止め塗料用ジンククロメート[編集]
塩基性クロム酸亜鉛カリウム(亜鉛黄1種、ZPC、Zinc Potassium Chromateとも呼ばれる)と四塩基性クロム酸亜鉛(亜鉛黄2種、ZTO、Zinc Tetroxy Chromateとも呼ばれる)の2種類がある。ZPCはK2CrO4・ZnCrO4・ZnOあるいはK2O・4ZnO・4CrO3・3H2Oの組成を持つ。一方ZTOはZnCrO4・4ZnOあるいはZnCrO4・4Zn(OH)2の組成を持つ。クロム酸イオンによって金属面を不動態化し、鉄イオンを溶出できない状態にするものである。ZPCは溶解度を大きくし即効性を狙ったものであるため、配合する塗膜形成成分は耐水性合成樹脂が用いられる。ZTOは亜鉛イオンによる金属石鹸生成、可溶分を小さくすることを目的とするので、一般のボイル油を塗膜形成成分に使用することが可能である。
なおZPCは淡黄色の粉末で、ZTOは淡いオレンジ色の粉末である。