関東地震のソースを表示

[[File:Great Kanto Earthquake 1923 & 1703 focal area map.png|thumb|right|250px|1923年大正関東地震（赤塗りの領域）と1703年元禄関東地震（赤点線内の領域）の想定震源域（地震調査委員会,2004)]]
'''関東地震'''（かんとうじしん）とは、[[相模トラフ]]を[[震源]]とする[[地震#プレート間地震|プレート境界型地震]]（海溝型地震）である<!--『地学事典』（[[地学団体研究会]]編、[[平成]]8年（[[1996年]]） [[平凡社]]発行、ISBN 4-582-11506-3）の「関東大地震」の説明も同様-->。'''関東大地震'''（かんとうだいじしん）とも呼称される。

狭義には「関東地震」<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/higai/higai-1995.html 気象庁] 過去の地震津波災害</ref>や「関東大地震」<ref name="Usami2003p272">宇佐美龍夫[[#Soran (2003)|『最新版 日本被害地震総覧』]] p272.</ref>は、[[大正]]12年（[[1923年]]）の[[関東大震災]]へと発展した地震を指すが、[[元禄]]16年（[[1703年]]）の地震も1923年の地震と同様に相模トラフに沿って海底に延びるプレート境界の地震と推定され、前者を'''大正関東地震'''、後者を'''[[元禄地震|元禄関東地震]]'''と称する<ref name="Ishibashi1977">[[石橋克彦]](1977): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/30/3/30_3_369/_article/-char/ja/ 1703年元祿関東地震の震源域と相模湾における大地震の再来周期 (第1報)], 地震 第2輯, Vol.30, No.3, 369-374.</ref><ref name="Sangawa2007p137">寒川旭[[#Sangawa (2007)|『地震の日本史 -大地は何を語るのか-』]] p137, p213.</ref><ref>{{Cite web|author=福和伸夫|url=http://www.sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp/~fukuwa/bousai-lecture/bosai-lecture-1-2.htm|title=繰り返しやってくる巨大地震|format=HTML|accessdate=2008-08-01}}</ref>。またこれらは'''相模トラフ巨大地震'''とも総称される<ref name="Ishibashi1994">石橋克彦 [[#Ishabashi (1994)|『大地動乱の時代 -地震学者は警告する-』]] 岩波新書、1994年, pp125-129.</ref>。

== 概要 ==
関東では[[相模湾]]の[[フィリピン海プレート]]と[[北アメリカプレート]]の境界（相模トラフ）を震源とする[[巨大地震]]が繰り返し生じていると考えられている{{誰|date=2015年1月14日}}。有史以前の発生については不明で、歴史記録に残っている地震としては元禄16年（1703年）に[[マグニチュード]]8.1-8.2<ref name="Kawasumi1951">Kawasumi(1951): [http://hdl.handle.net/2261/11692 有史以來の地震活動より見たる我國各地の地震危險度及び最高震度の期待値], 東京大學地震研究所彙報. 第29冊第3号, 1951.10.5, pp.469-482.</ref>の'''[[元禄地震|元禄関東地震]]'''、220年後の大正12年（1923年）にマグニチュード7.9の'''大正関東地震'''（[[関東大震災]]）が記録されている。

また、元禄地震と大正関東地震の間に発生した[[安政]]2年（[[1855年]]）の[[安政江戸地震]]（[[安政の大地震]]）は震源断層が特定されておらず<ref>{{Cite web|author=遠田晋次・中村亮一・宍倉正展ほか(2006)|url=http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/kaishi_21/P063.pdf|title=講演要旨 関東のプレート構造と安政江戸地震の震源|publisher=歴史地震, 第21号, 63|format=PDF|accessdate=2008-08-01}}</ref>、関東地震には含めない。なお大竹(1980)は、この地震の震源域については関東地震の相模トラフより北側の内陸寄りと考えており、[[明治]]27年（[[1894年]]）の[[明治東京地震]]はさらに深い地震と考えている<ref name="Otake1980">大竹政和(1980): [http://ci.nii.ac.jp/naid/110004875051 関東・東海地域のテクトニクスの統一モデルと南関東直下の地震の発生メカニズム], 防災科学技術, 41, 1-7.</ref>（''詳細は「[[南関東直下地震]]」参照''）。

== 中世以前の関東地震と疑われる地震 ==
[[南関東]]の古い[[歴史地震]]の記録は、[[天正]]18年（1590年）の[[後北条氏|小田原北条氏]]の滅亡と[[徳川家康]]の[[江戸]]入城を境にしてそれ以前は[[鎌倉時代]]を除くと極めて少ないため、相模トラフの巨大地震は史料から確証が得られていない<ref name="Ishibashi1994" />。しかし、[[878年]]（[[相模・武蔵地震]]）、[[1293年]]（[[鎌倉大地震]]）、[[1433年]]などにも大被害を伴う地震の記録があり相模トラフで発生した可能性が考えられ、それ以外にも未知の巨大地震が埋もれている可能性があるとされる<ref name="Ishibashi1994" />。[[1257年]]の地震も候補に挙げられている<ref name="Ishibashi1977" /><ref name="hyoka2014">[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/14apr_sagami/index.htm 地震調査研究推進本部(2014)] 相模トラフ沿いの地震活動の長期評価（第二版）について</ref>。

# [[弘仁]]9年7月（[[818年]]）- 『[[類聚国史]]』に記された関東諸国の地震を関東地震に含める場合もある<ref name="Imamura1929a">今村明恒(1929): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1929/1/1/1_1_4/_article/-char/ja/ 關東並に近畿地方に於ける地震活動の循環と大震前の諸現象とに就いて], 地震 第1輯, Vol.1, No.1, 4-16.</ref><ref>『地学事典』「関東大地震」（[[地学団体研究会]]編、[[平成]]8年（[[1996年]]） [[平凡社]]発行、ISBN 4-582-11506-3）</ref><ref>{{Cite web|author=[[山口勝]]|url=http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol57.pdf|title=『なゐふるNo.57』|publisher=[[日本地震学会]]||work=「関東地震と諸磯の隆起海岸」|pages=6ページ|format=PDF|accessdate=2008-10-29}}</ref>が、[[相模国|相模]]・[[武蔵国|武蔵]]・[[下総国|下総]]・[[常陸国|常陸]]・[[上野国|上野]]・[[下野国|下野]]等国とされ[[上総国|上総]]と[[安房国|安房]]が記されていないこと、[[津波]]の被害の記述がないことなどの理由で[[萩原尊禮]]などはこの地震を内陸地震としている<ref name="Hagiwara1982p112">萩原尊礼[[#Hagiwara (1982)|『古地震』]] pp112-117.</ref><ref>{{Cite web|author=早川由紀夫ほか|url=http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/publication/paper/06-Hayakawa.pdf|title=『類聚国史』に書かれた818年の地震被害と赤城山の南斜面に残る9世紀の地変跡|pages=1ページ|format=PDF|accessdate=2008-10-29}}</ref>。
# [[元慶]]2年9月29日（878年10月28日）- 『[[日本三代実録]]』に記された関東諸国の地震（[[相模・武蔵地震]]）は、伊勢原断層の活動時期に合致するとする説と<ref name="Matsda1988">松田時彦(1988): [http://hdl.handle.net/2261/13014 伊勢原断層（神奈川県）の試錐による地下調査－過去約7000年間の堆積環境と元慶2年地震の変位－] 東京大学地震研究所 地震研究所彙報. 第63号第2冊,pp. 145-182.</ref>、館山市の海岸で見出された900年頃と推定される[[津波堆積物]]から相模トラフのプレート境界地震とする説がある<ref name="Fujiwara2010">藤原治ほか(2010):{{PDFlink| [http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/kaishi_26/HE26_108.pdf 千葉県館山市の海浜堆積物に見られる9世紀以降の津波（？）イベント堆積物]  第26回歴史地震研究会, 講演要旨集}}</ref><ref name="Sangawa2007p51">寒川旭[[#Sangawa (2007)|『地震の日本史 -大地は何を語るのか-』]] p51.</ref>。
# [[正応]]6年4月13日（1293年5月20日）- 石橋(1991)は、[[鎌倉]]に大震災をもたらした永仁地震（[[鎌倉大地震]]）が相模トラフのプレート境界型巨大地震であった可能性を指摘している<ref name="Ishibashi1991">石橋克彦(1991): [http://ci.nii.ac.jp/naid/10004725305 1293年永仁鎌倉地震と相模トラフ巨大地震の再来時間], 地震学会秋季大会講演予稿集, No.2, p.251.</ref><ref name="Sangawa2007p62">寒川旭[[#Sangawa (2007)|『地震の日本史 -大地は何を語るのか-』]] p62.</ref>。[[三浦半島]]の小網代湾では、この時期に対比される可能性のある津波堆積物が見出されている<ref name="Shimazaki2011">K. Shimazaki, H. Y. Kim, T. Chiba and K. Satake, 2011, [http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2011JB008639/abstract Geological evidence of recurrent great Kanto earthquakes at the Miura Peninsula, Japan,] ''Journal of Geophysical Research: Solid Earth'', Vol 116, Issue B12408.</ref>。また、同時期の隆起による離水によって形成された岩井低地の浜堤列が見出されている<ref name="Shishikura2001">宍倉正展, 原口強, 宮内崇裕(2001): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/53/4/53_4_357/_article/-char/ja/ 房総半島南西部岩井低地の離水海岸地形からみた大正型関東地震の発生年代と再来間隔], 地震 第2輯, Vol.53, No.4, 357-372.</ref><ref name="Shishikura2005b">宍倉正展ほか(2005): {{PDFlink|[https://www.gsj.jp/data/actfault-eq/h16seika/pdf/boso.pdf 房総半島南西部における離水浜堤列の調査 -大正型関東地震の発生年代の推定-]}}, 活断層・古地震研究報告, 第5号, 51-68.</ref>。
# [[明応]]4年8月15日（[[1495年]]9月3日）- 『[[鎌倉大日記]]』に[[高徳院]]の大仏殿を流失させたと記録される、[[明応地震#明応4年8月15日の地震|明応（関東）地震]]は、[[東海地震]]とされる1498年[[明応地震]]の誤記<ref>武者金吉[[#Shinsaiyobo (1941) |『大日本地震史料 増訂』]]第一巻, p445, p452.</ref><ref name="Usami2003p46">宇佐美龍夫[[#Soran (2003)|『最新版 日本被害地震総覧』]] p46.</ref>、あるいは『梅花無尽蔵』の記録から[[文明 (日本)|文明]]18年（1486年）の時点で大仏は露座であったと記され、『鎌倉大日記』の記録は疑わしいとされてきた<ref>石井進ほか「高徳院」[[#NRCT14|『日本歴史地名大系 神奈川県の地名』]] p282.</ref>。しかし、同日に京都でも地震の記録があり、石橋(1998)は相模トラフ巨大地震の検討候補としている<ref name="Ishibashi1998">石橋克彦、佐竹健治(1998): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/50/appendix/50_appendix_1/_article/-char/ja/ 総合報告:古地震研究によるプレート境界巨大地震の長期予測の問題点 -日本付近のプレート沈み込み帯を中心として], 地震 第2輯, Vol.50, 231-243,{{JOI|JST.Journalarchive/zisin1948/50.appendix_1}}</ref>。金子(2012)は、[[伊東市]]の宇佐美遺跡で確認された津波堆積物が『鎌倉大日記』の記録に整合し、[[北条早雲]]が津波災害の混乱に乗じて[[小田原城]]を奪取した可能性が考えられるとしている<ref name="Kaneko2012">金子浩之(2012)：宇佐美遺跡検出の津波堆積物と明応四年地震・津波の再評価, 伊東市史研究, 10号, 伊東の今・昔, 102-124.</ref>。

== 再来周期 ==
この地震は地震に伴い隆起する特徴を持っていることから、海岸線に残された痕跡から発生周期の解析が試みられている<ref name="Shishikura2003">[[宍倉正展]](2003)：[http://hdl.handle.net/2261/5749 変動地形からみた相模トラフにおけるプレート間地震サイクル], 東京大学地震研究所 地震研究所彙報. 第78冊第3号, 2003, pp. 245-254.</ref>。

松田(1974)らは、元禄地震と大正地震は断層破壊部分が互いに相補的な関係にあるとし、[[房総半島]]南端における段丘に見られる地震時隆起量、沼面高度および平時の平均沈降速度から、元禄+大正型の巨大地震の周期を700-1200年程度と見積もった<ref name="Matsuda1974">松田時彦, 太田陽子・安藤雅孝・米倉伸之，(1974): [http://ci.nii.ac.jp/naid/10003542820 元禄関東地震(1703年)の地学的研究]，垣見俊弘, 鈴木尉元編「関東地方の地震と地殻変動」, ラテイス, 175-192.</ref>。宍倉(2003)は、房総半島南岸の離水海岸地形から、波食棚の幅の広い元禄型の巨大地震は約2300年程度、大正型の地震は400年程度の再来間隔と見積もった<ref name="Shishikura2003" />。

一方、石橋(1977)は、元禄地震は大正地震の断層破壊部分を含み相補的ではなく、また地震の間隔が海食作用が十分に行われない程度に短い場合は明瞭な平坦面が形成されない場合があるとして、200-300年程度の可能性もあり得るとした<ref name="Ishibashi1977" />。瀬野(1976)はプレートの相対運動と地震時断層滑り量から大正型地震の再来周期を220年前後と見積もり<ref name="Seno1976">瀬野徹三(1976): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/29/2/29_2_197/_article/-char/ja/ フィリピン海プレートのユーラシアプレートに対する回転運動の pole の位置], 地震 第2輯, Vol.29, No.2, 197-200.</ref>、瀬野(1977)は房総南部の段丘の隆起量と地震時隆起量、地震直後の回復的変動量、地震間の沈降量を加味して大正型地震の再来周期を180 - 400年程度、元禄型地震は950 - 2500年程度と見積もった<ref name="Seno1977">瀬野徹三(1977): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/30/3/30_3_253/_article/-char/ja/ 南関東、西南日本外帯の地震性地殻変動区における巨大地震の再来周期], 地震 第2輯, Vol.30, No.3, 253-264.</ref>。

藤原(2012)は関東地震が、878年[[相模・武蔵地震]](元慶地震、M 7.4) 、1293年[[鎌倉大地震]](永仁地震、M 7.0程度) 、1703年元禄地震（M 8.1）、1923年大正地震（M 7.9）で有るならば最短220年、最長415年とし<ref>{{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou88/12_19.pdf 津波堆積物から見た関東地震の再来間隔]}} 地震予知連会 会報第88巻</ref>、瀬野徹三は元禄と大正の関東地震はほぼ最短の間隔で発生したと考えている<ref>{{Cite web|author=瀬野徹三|url=http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/seno/terms/kanto.eqs.html|title=関東地震の再来周期|format=HTML|accessdate=2008-08-01}}</ref>。ただし、上述の通り元禄関東地震以前の記録はほとんど残っていないため、正確な周期については不明である。大正関東地震の震源域の南端は神奈川県西部から[[野島崎]]付近までである{{要出典|date=2015年1月14日}}。一方、元禄関東地震の震源域には房総半島南東沖も含まれ、このような地震は約2000年周期で発生すると推定されている{{誰|date=2015年1月14日}}。

この房総半島南東沖の震源域について約2000年より短い周期で繰り返し地震が発生してきた可能性があることが、[[産業技術総合研究所]]の海溝型地震履歴研究チームの調査により、2011年9月に[[日本地質学会]]で発表されている。房総半島南部沿岸の[[地質調査]]により従来の約2300年の周期と一致しない隆起痕が複数発見されたことによるもので、詳細な発生周期の解明には陸上だけでなく[[海底調査]]なども必要としている。地震の規模についてはM8級クラスの可能性がある。また、元禄関東地震については「大正型」の震源域に加えて、房総半島南東沖の「外房型」の震源域による[[連動型地震]]の可能性も指摘している<ref name="Shishikura2012">宍倉正展(2012): {{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/kaihou88/12_20.pdf 12-20 相模トラフ沿いの海溝型地震の新しい解釈]}}, 地震予知連絡会会報, 第88巻</ref><ref>[http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110909dde001040036000c.html 首都直下地震：想定外の震源域　房総南東沖、海溝型M8級痕跡－－産総研発見]（毎日新聞 2011年9月9日夕刊）</ref><ref>[http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011090901001074.html 房総沖に新たな震源域か　関東大震災と同規模も]（共同通信/47NEWS 2011年9月9日）</ref>。

[[地震調査研究推進本部]]は、2004年時点では「相模トラフ沿いのM8程度の地震」として1703年、1923年の2地震から発生確率を評価していたが、2014年の同本部による「相模トラフ沿いの地震活動の長期評価（第二版）」では、「相模トラフ沿いのM8クラスの地震」の発生確率の評価として、1293年、1703年、1923年の3地震の発生年代を用いた場合と、参考扱いとしてこれらに意見の分かれる1495年の地震<ref name="Kaneko2012" />を加えた4地震を用いた場合の30年以内の発生確率をBPT分布に従うと仮定して評価している<ref name="hyoka2014" />。房総半島南部ににある河岸段丘の沼面を形成するような元禄型関東地震は最大クラスをMw8.6（津波断層モデルではMw8.7）とし、その発生年代は藤原(1997-99)らによる研究<ref name="Fujiwara1997">藤原治ほか(1997): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/36/2/36_2_73/_article/-char/ja/ 房総半島南部の完新世津波堆積物と南関東の地震隆起との関係]，第四紀研究，36巻, No.2, 73-86.</ref><ref name="Fujiwara1999">藤原治ほか(1999): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/38/1/38_1_41/_article/-char/ja/ 房総半島と三浦半島の完新統コアに見られる津波堆積物], 第四紀研究, Vol.38, No.1, 41-58.</ref>からB.C.5200年、B.C.3000年、B.C.1000年、1703年とし、平均発生間隔は2300年とされた<ref name="hyoka2014" />。

{| class="wikitable" style="margin:0 auto; text-align:center"
|+ 発生確率等の評価（地震調査委員会）
|-
| rowspan="2" | 領域 || rowspan="2" | 様式 || colspan="4" | 評価時点の30年以内の発生確率
|-
| colspan="2" | 2004年1月1日<ref name="hyoka04">{{PDFlink|[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/04aug_sagami/sagami.pdf 相模トラフ沿いの地震活動の長期評価]}} 地震調査研究推進本部地震調査委員会 平成16年8月23日</ref> || colspan="2" | 2014年1月1日<ref name="hyoka2014" />
|-
| 大正型関東地震 || プレート間地震 || M7.9程度 || ほぼ0 - 0.8% || rowspan="2" | M7.9 - 8.6 || ほぼ0 - 5%
|-
| 元禄型関東地震 || プレート間地震 || M8.1程度 || ほぼ0% || ほぼ0%
|}

== 他の地震・自然災害との関連 ==
過去の関東地震やその可能性が指摘される地震を前後にしていくつかの巨大地震・[[噴火]]が発生している。1495年の地震が関東地震である可能性を唱えた金子(2013)らは、相模トラフと南海トラフで巨大地震が連動しているケースがあるとし<ref name="Nikkei">中島岳男, 石辺岳男, 藤原治, 金子浩之「特集：首都直下地震」『日経サイエンス』[http://www.nikkei-science.com/201304_032.html 2013年4月号], p49.</ref>、石橋(2014)も、相模、南海の両トラフにおける巨大地震の繰り返しのリズムは独立だと思われるが、相模トラフ沿いの固着が外れたことが南海トラフ断層面へのフィリピン海プレートの最後の一押しとなる可能性があり、タイミングが合えば連鎖的になり得るとしている<ref name="Ishibashi2014">石橋克彦[[#Ishabashi (2014)|『南海トラフ巨大地震 -歴史・科学・社会 』]]岩波出版、2014年, p177.</ref>。

元禄関東地震の4年後の[[1707年]]には、相模トラフと隣合う[[南海トラフ巨大地震]]である[[宝永地震]]とその直後に歴史上最後の[[富士山]]の噴火である[[宝永大噴火]]が起きている。安藤(1974)や<ref name="Ando1974">安藤雅孝(1974): 東海沖か房総沖で大地震, 科学朝日, 34, No.3, 34-37.</ref>、茂木(1980)は<ref name="Mogi1980">Mogi, K., 1980, Seismicit in western Japan and long-term earthquake forecasting, ''Earthquake Prediction, Maurice,  Ewing Series'' 4, 43-52. A. G. U.</ref>、1703年元禄地震によって南海トラフのカギが外れ、1707年宝永地震につながったとする説を唱えている。また、[[日本海溝]]付近における連動型地震とされる[[869年]]・[[貞観地震]]の9年後には前述の[[相模・武蔵地震]]（伊勢原断層、或いは相模トラフにおける地震とされる）が発生しており、さらにその9年後の[[887年]]には南海トラフの巨大地震の可能性が指摘される[[仁和地震]]も発生している。この他、南海トラフの巨大地震である[[1498年]]・[[明応地震]]の3年前には、南関東で起きていた可能性が指摘される前述の1495年の地震（震源域は相模トラフ、或いは文献の記述は明応地震と混同されているなど諸説あり、[[明応地震#明応4年8月15日の地震]]参照）もある<ref name="Kaneko2012" /><ref name="Nikkei" />。

なお、関東地震に分類されない1855年の[[安政江戸地震]]においても、南海トラフ沿いで1年前に[[安政東海地震]]及び[[安政南海地震]]という連続した巨大地震が発生している。

== 元禄関東地震 ==
{{main|元禄地震}}
元禄16年11月23日（1703年12月31日）午前2時頃発生。規模は河角(1951)によればM8.2<ref name="Kawasumi1951" />、[[中央防災会議]]の首都直下地震モデル検討会による元禄関東地震断層モデルではMw8.5と推定されている<ref name="shutochokkajishinmodel">{{PDFlink|[http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/senmon/shutochokkajishinmodel/pdf/dansoumodel_01.pdf 首都直下地震モデル検討会]}} 首都直下のM7クラスの地震及び相模トラフ沿いのM8クラスの地震等の震源断層モデルと震度分布・津波高等に関する報告書</ref>。

このタイプの地震は房総半島南方沖を震源域とし、笠原(1973)のモデルによれば、相模トラフに平行な逆断層として、1923年関東地震の震源域を含みさらに外洋に伸びていたと考えられている<ref name="Kasahara1973">笠原慶一, 山田重平, 安藤雅孝(1973): [http://kn.ndl.go.jp/ef05162a-4b30-42cc-88b3-1a911eb23daa 南関東の地殻変動-展望と作業仮説-], [[#Tokyo Univ. (1973)|関東大地震50周年論文集]], pp103-116.</ref><ref name="Sato1989a">佐藤良輔、阿部勝征、岡田義光、島崎邦彦、鈴木保典[[#Sato et al. (1989)|『日本の地震断層パラメーター・ハンドブック』]]鹿島出版会、1989年, pp123-124.</ref>。宍倉(2005)は、元禄タイプの地震は大正関東地震タイプの数回に1回の割合で連動し発生していると考えている<ref name="Shishikura2005">宍倉正展(2005): {{PDFlink|[https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/05_01_04.pdf 海岸段丘が語る過去の巨大地震]}}, 地質ニュース605号, 12-14</ref>。

本地震の震度分布<ref name="Usami1984">東京大学地震研究所 宇佐美龍夫 {{PDFlink|[http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou24/07_02.pdf 「元禄地震の震度分布」]}} 1984年</ref>は大正地震に大変類似し、相模湾以北の隆起・沈降の様子も類似している<ref name="Ishibashi1977"/>が、今村(1931)は本地震において房総半島南部の隆起量がより大きいことを指摘しており<ref name="Imamura1931">今村明恒(1931): [http://doi.org/10.14834/zisin1929.3.71 關東大地震に伴へる地塊運動と其後の運動經過に就いて], 地震 第1輯, Vol.3, No.2, 71-88.</ref>、また[[紀伊国|紀伊]]尾鷲や[[土佐国|土佐]]など遠方に波及した津波や、外房における津波が特に著しく、外房沖への震源域の伸びに整合するとされる<ref name="Ishibashi1994" /><ref name="Hatori1973">羽鳥徳太郎, 相田勇, 梶浦欣二郎(1973): [http://kn.ndl.go.jp/ef05162a-4b30-42cc-88b3-1a911eb23daa 南関東周辺における地震津波], [[#Tokyo Univ. (1973)|関東大地震50周年論文集]], pp57-66.</ref><ref name="Hatori1976">羽鳥徳太郎(1976)：[http://hdl.handle.net/2261/12610 南房総における元禄16年(1703年)津波の供養碑 : 元禄津波の推定波高と大正地震津波との比較], 東京大学地震研究所 地震研究所彙報. 第51冊第2号, 1976, pp. 63-81.</ref><ref name="Satake2008">佐竹健治ほか(2008): {{PDFlink|[http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/rzisin/kaishi_21/P037-045.pdf 元禄関東地震の断層モデルと外房における津波]}}, 歴史地震, 第23号, 81-90.</ref>。[[九十九里浜]]を襲った津波は遡上高3m程度（羽鳥の推定は5 - 6m）と推定されるが、射流となって3 - 4km程度内陸まで遡上し襲ったため3千人以上の犠牲者を出した<ref>[[都司嘉宣]]|[[#Tsuji (2011)|『千年震災 -繰り返す地震と津波の歴史に学ぶ』]]p49, p143, p188.</ref>。

== 大正関東地震 ==
{{main2|地震の被害|関東大震災}}
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}}

金森(1971)のモデルによれば、震源域は三浦半島の延長線方向の相模トラフに平行な右横ずれの[[衝上断層|低角逆断層]]とされる<ref name="Kanamori1971">金森博雄(1971): [http://hdl.handle.net/2261/12575 関東地震(1923年)の断層モデル], 東京大学地震研究所彙報. 第49冊第1/3号, 1971.9.30, pp. 13-18</ref><ref name="Sato1989b">佐藤良輔、阿部勝征、岡田義光、島崎邦彦、鈴木保典『日本の地震断層パラメーター・ハンドブック』鹿島出版会、1989年, pp141-151.</ref>。武村(1996)も、P波の初動分布による震源メカニズムは、金森(1971)が指摘する通りフィリピン海プレートの沈み込み方向から判断される北北東に34°傾斜する節面が断層面と考えられ、横ずれ成分を多く含むことを支持するとしている<ref name="Takemura1996">武村雅之, 浜田信生(1996): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/49/2/49_2_141/_article/-char/ja/ 近地観測点における1923年関東地震によるP波波形の特徴], 地震 第2輯, Vol.49, No.2, 141-168.</ref>。地震調査委員会は発生要因をフィリピン海プレートの沈み込みによって生じたプレート境界での北米プレートの跳ね返りとしている<ref name="hyoka04" />。

=== 前震 ===
以下は本震発生以前の近い時期における関連が指摘される{{誰|date=2015年1月14日}}地震の記録である。
* 8年前
** 大正4年（[[1915年]]）11月、東京で有感地震が過去最多の18回。
** その後地震は沈静化。
** [[大森房吉]]・[[今村明恒]]両博士の関東大地震論争。
* 1 - 2年前
*:以下は共に[[フィリピン海プレート]]内部の地震<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110915-OYT1T00724.htm 関東大震災の前震、フィリピン海プレート内部で]（読売新聞 2011年9月15日）</ref>。
** 大正10年（1921年） - [[茨城県]]南部で地震（M7.0）。
** 大正11年（1922年） - [[浦賀水道]]で地震（M6.8）、25人が死傷。
* 2 - 3ヶ月前
** 大正12年（1923年）5 - 6月、茨城県東方で200-300回の群発地震（有感地震は水戸73回、銚子64回、東京17回）<ref>[http://homepage2.nifty.com/cat-fish/swarm/sw1923.html 日本の群発地震 1923年] 群発地震研究会</ref>。

=== 本震 ===
[[File:Seismometer wave pattern of the Great Kantō earthquake at Hongo.jpg|right|thumb|200px|[[東京府|東京]][[本郷区|本郷]]の[[東京帝国大学]]地震教室で観測された本震の東西方向の波形。大きな揺れのため針は振り切れてしまっている<ref>{{Cite web|url=http://shima3.fc2web.com/kiyou-imamura.htm|title=４－１．大森房吉の失意と悔恨|accessdate=2014-10-7|author=[[島村英紀]]|date=2010-3|work=4．今村の予言どおり起きた関東大震災、地震予知の語り部・今村明恒の悲劇}}</ref>。]]
[[大正]]12年（[[1923年]]）[[9月1日]]午前11時58分32秒に関東地方南部を震源として発生した地震である<ref name="金森宮村"/>。この地震の震央の位置は研究者によって見解が異なっている。おもな説は、
* 相模湾のほぼ中央部を震央とする説
** [[今村明恒]][1924] 北緯34度58.6分、東経139度21.8分<ref>Imamura, A., Preliminary note on the Great aerthquake of S. E. Japan on Sept. 1, 1923, ''Seismological Notes of Imp. Earthquake Invest. Comm''. No.6, 1-22, 1924.</ref><ref name="Imamura1925">今村明恒(1925):[http://hdl.handle.net/2261/17471 關東大地震調査報告(1)], 震災豫防調査會報告, 第100號(甲), 21-65.</ref>、
** [[ハーバート・ターナー]][1927] 北緯35.0度、東経139.5度<ref>TURNER, H.H., International Seismological Summary for 1923, 201-203, ''University Observatory, Oxford'', 1927.</ref>、
** [[宇津徳治]][1979] 北緯35.1度、東経139.5度（震源域の中心）<ref name="Utsu1979">宇津徳治(1979): [http://hdl.handle.net/2261/12728 1885年～1925年の日本の地震活動 : M6以上の地震および被害地震の再調査], 東京大学地震研究所彙報. 第54冊, pp. 253-308.</ref>、
* 相模湾の北部を震央とする説
** Matuzawa[1928] 北緯35度16分、東経139度20分<ref name="Matsuzawa1928">松澤武雄(1928): [http://hdl.handle.net/2261/11027 最近の二三の大地震の観測及其走時曲線(第一回)] 東京帝国大学地震研究所彙報. 第5冊, 1928.8.24, pp.1-28.</ref>、
** [[ベノー・グーテンベルグ]]、[[チャールズ・リヒター]][1954] 北緯35 1/4度、東経139 1/2度<ref>Beno Gutenberg, Charles Richter, [https://archive.org/details/seismicityofthee009299mbp Seismicity of the Earth and Associated Phenomena], 2nd edition, ''Princeton University Press'', Princeton, 1954.</ref>、
** 宇佐美龍夫[1966] 北緯35.2度、東経139.3度<ref name="Usami1966">宇佐美龍夫(1966): [http://hdl.handle.net/2261/12310 日本付近のおもな被害地震の表], 東京大学地震研究所彙報. 第44冊第4号, 1967.3.31, pp. 1571-1622.</ref>、
* 山梨県の[[河口湖]]付近の東1[[里]](4km)余を震央とする説(Hirano[1924])<ref name="Hirano1924">平野烈介(1924): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmsj1923/2/4/2_4_116/_article 關東大地震の初動傳播速度と震源域], 気象集誌 第2輯, Vol.2, No.4, 116-121.</ref>、
* 神奈川県西部を震央とする説
** 金森博雄、宮村摂三[1970]の北緯35.4度±15km、東経139.2度±15km<ref name="金森宮村"/>、
** 浜田信生[1986]の北緯35度20.8±1.8分、東経139度8.9±1.4分<ref name="vol50p001">{{PDFlink|[http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kenshin/vol50p001.pdf 1923年関東地震の震源の深さについて] 浜田信生 験震時報50巻　pp.1-6, 昭和61年度}}</ref>、などがある。また、震源の深さは金森と宮村によれば0-10kmとされているが<ref name="金森宮村"/>、浜田(1986)は震源断層が出現しなかった事から10km以浅は考えに難く25kmとしている<ref name="vol50p001"/>。

当時の[[地震学者]]である[[石本巳四雄]]は東京本郷の加速度を300[[ガル|gal]]程度であったと推定している。また、東京横浜の山の手での卓越周期は0.3秒であったと述べている<ref>{{Cite|和書|author = 石本巳四雄|title = [[#Ishimoto (1935)|地震と其の研究]]|date = 1935|publisher = [[古今書院]]| pages = 102-115|ref = harv }}</ref>。この揺れは約9000km離れた[[ウイーン]]のオーストリア気象庁でも観測され<ref name="Kanamori1971" />、同庁が世界にいち早く関東地震の発生を報じたとされている<ref>{{Cite news |title= 関東大震災、ウィーンに地震記録　オーストリア気象庁が保存|date= 2014-03-10|url= http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014031001001369.html|accessdate=2014-03-14|agency=共同通信|publisher=[[47NEWS]]}}</ref>。

=== 地震の多元性 ===
今村(1929)は、地震波の記録から本地震は3つの異なる発震点から始まった多元地震であるとし、第一元は相模湾中央、第二元は[[丹沢山地]]方面、第三元は再び相模湾の小田原沖に戻ったとした<ref name="Imamura1929">今村明恒(1929): [http://doi.org/10.14834/zisin1929.1.783 大正十二年關東大地震震原の多元性と此地震に關聯せる斷層系との關係に就いて], 地震 第1輯, Vol.1, No.11, 783-792.</ref>。また、陸地測量部による精密測量の結果から、断層線の西部は南下り、東部は北下りであり、非局部大地震に伴う地形変動とした<ref name="Imamura1929" />。

北アメリカプレートとフィリピン海プレートがずれ始めたのち破壊は40秒から50秒かけて放射状に広がり、北は現在の[[川崎市]]の地下35km、南は現在の[[館山市]]の地下5km、東は房総半島端にまで広がり全体で長さ130km、幅70kmの岩盤（[[断層]]）が平均で2.1mずれた（金森(1971)の断層モデル）<ref name="Kanamori1971" />。

武村ら(1995)は、今村式2倍強震計の解析や体験談<ref name="Takemura1998"/>から、特に強い揺れを生んだのは破壊開始から数秒後に起きた小田原 - 秦野の直下での岩盤破壊（第1イベント/第一震）と、その約10 - 15秒後に始まった三浦半島の直下の破壊（第2イベント//第二震）であり多重震源地震<ref name="Takemura1995">武村雅之, 池浦友則(1995): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/47/4/47_4_351/_article/-char/ja/ 短周期データから見た1923年関東地震の多重震源性 体験談と地震記象の解釈], 地震 第2輯, Vol.47, No.4, 351-364.</ref>としている。震源に近い地域では地震計の針が振り切れたため正確な揺れの様子は不明であるが<ref name="Takemura1994">武村雅之, 池浦友則, 工藤一嘉, 大沼啓人(1994): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/47/2/47_2_193/_article/-char/ja/ 岐阜測候所で観測された1923年関東地震の本震・余震の記録], 地震 第2輯, Vol.47, No.2, 193-200.</ref>、体験談から大方の揺れの様子が分かっている<ref name="Takemura1995" /><ref name="Takemura1998">武村雅之(1998): [https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/50/4/50_4_377/_article/-char/ja/ 体験談から推定される1923年関東大地震の東京都における強震動], 地震 第2輯, Vol.50, No.4, 377-396.</ref>。第1イベントに近い小田原では揺れ始めてすぐに上下水平の強い揺れが襲い10 - 20秒間位やや弱まった後、再び強い水平動が襲ってきた。第2イベントに近い鎌倉や藤沢では最初の揺れはやや弱かったが、暫くして強い揺れが襲ってきたという<ref name="Takemura1995" /><ref name="Takemura1998" />。[[東京府|東京]]でも、例えば中央気象台の地震掛であった中村左衛門太郎の体験談では主要動の途中で振動方向が南北から東西に変化したという<ref name="Takemura1995" />。これら2つのイベントが組み合わさっていることから、「双子の地震」や「2つの地震の組み合わせ」などと呼ばれることもある<ref name="Takemura1995"/><ref>[http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923--kantoDAISHINSAI/index.html 中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年7月 1923 関東大震災] 中央防災会議</ref>。

=== 各地の震度 ===
[[File:1923 Kanto earthquake intensity-2.png|thumb|right|240px|関東地震の震度分布]]
中央気象台（現・[[気象庁]]）による観測では最大[[気象庁震度階級|震度]]は東京などで震度6であったが<ref>中央気象台月別全国地震調査原稿大正12年9月</ref>当時は震度7の階級は設定されておらず、被害状況から、小田原など相模湾岸および房総半島南部で震度7に達したと推定されている<ref group="注">東大教授 纐纈一起によれば、震度7の地域は、神奈川県南部の広い地域、東京都東部、千葉県南部の各地域に存在し、面積は阪神淡路大震災の数倍になる。</ref>。また東京においても、砂町や羽田などの東京湾沿岸や三河島など内陸で震度7に達したと推定されている<ref>[http://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2003/tokushu/toku02.htm 特集:関東大震災を知る] 3度揺れた首都・東京</ref><ref>[http://www.jishin.go.jp/main/chousa/04aug_sagami/f11.htm 1923年9月1日関東地震の関東地方における震度分布] （武村[[#Takemura (2003)|『関東大震災 -大東京圏の揺れを知る』]],2003）</ref>。

{| class="wikitable"
|-
! style="width:3em; white-space:nowrap;" | 震度
! 観測所
|-
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| （[[小田原市|小田原]]） 
|-
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| [[熊谷市|熊谷]]・[[布良]]（[[富崎村|富崎]]）・[[東京市|東京]]・[[横須賀市|横須賀]]・[[甲府市|甲府]] 
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| [[宇都宮市|宇都宮]]・[[銚子市|銚子]]・[[長野市|長野]]・[[飯田市|飯田]]・[[沼津市|沼津]]・[[浜松市|浜松]]・[[宮津市|宮津]]
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| [[福島市|福島]]・[[水戸市|水戸]]・[[筑波山]]・[[足尾町|足尾]]・[[前橋市|前橋]]・[[松本市|松本]]・[[伏木町|伏木]]・[[福井市|福井]]・[[名古屋市|名古屋]]・[[彦根市|彦根]]・[[大阪市|大阪]]・[[堺市|堺]]・[[徳島市|徳島]]
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| [[石巻市|石巻]]・[[八丈島]]・[[高田市|高田]]・[[新潟市|新潟]]・[[金沢市|金沢]]・[[高山市|高山]]・[[津市|津]]・[[八木町 (奈良県)|八木]]（[[橿原市|橿原]]）・[[和歌山市|和歌山]]・[[松山市|松山]]・[[熊本市|熊本]]
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| [[潮岬]]・[[浜田市|浜田]]・[[多度津町|多度津]]
|}

=== 規模 ===
[[河角廣]]により本地震のマグニチュードは7.9と推定されたが<ref name="Kawasumi1951" />、その根拠は東京の震度を6とし、震央距離を100kmと仮定したものと思われている<ref>[http://www.zisin.jp/modules/pico/index.php?content_id=2074 日本地震学会 続・揺れのお話]</ref>。坪井(1964)も7.9が妥当としているが<ref>Tsuboi, C., 1964, Time Rate of Energy Release by Earthquakes in and near Japan-Its General Uniformity and Variability, ''J. Phys. Earth.'', '''12''', 25-36.</ref>、日本国外の地震波形を用いて解析するとM8以上となる傾向があり<ref name="Usami2003p272" />、M8.2<ref>Gutenberg, B., and C. F. Richter, 1954, ''Seismicity of the Earth'', Hafner Publishing Company, New York.</ref>、M8.3<ref>Richter, C. F., 1958, ''Elementary Seismology'', W. H. Freeman Co., San Francisco.</ref><ref>Duda, S. J., 1965, [http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0040195165900351 Secular Seismic Energy Release in the Circum-Pacific Belt], ''Tectonophysics'', '''2''', 409-452.</ref>、表面波マグニチュードMs8.2<ref name="金森宮村">{{Cite journal|和書|author=[[金森博雄]]|author2=宮村摂三|date=1970-6-10|title=Seismomentricak Re-Evalution of the Great Kanto Earthquake of September 1, 1923|journal=東京大学地震研究所彙報|volume=第48冊|issue=2|pages=115-125|publisher=東京大学地震研究所|issn=09150862|url=http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/12506/1/ji0482002.pdf|format=PDF}}</ref>などが報告されている。

武村雅之、池浦友則、野澤貴(1999-2000)は、秋田、仙台、長崎など7箇所の今村式強震計の記録データを元に、M{{sub|J}} = 8.1±0.2 と推定した。但し、従来から用いられている M 7.9 は決定精度誤差の範疇であり妥当であるとしている<ref>武村雅之、池浦友則、野澤貴(1999-2000)、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/52/4/52_4_425/_article/-char/ja/ 関東地震のマグニチュード] 地震 第2輯 Vol.52 (1999-2000) No.4 P425-444</ref>。この結果は、当時の観測記録で振り切れていない完全な記録をもとに評価したものであり、中央防災会議の災害教訓の継承に関する専門調査会における平成18年7月の報告書（1923 関東大震災報告書─第1編─）に掲載されている<ref>『中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書』2章, p36.</ref>。

[[金森博雄]](1977)はモーメントマグニチュードをMw7.9とし<ref name="金森宮村"/><ref name="Kanamori1977">Kanamori, H., 1977, [http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/JB082i020p02981/abstract The energy release of great earthquakes], ''J. Geophys. Res.'' '''82''', 2981-2987.</ref>、行谷(2011)らはMw8.0と推定している<ref name="Namegaya2011">行谷佑一、佐竹健治、宍倉正展(2011): {{PDFlink|[https://www.gsj.jp/data/actfault-eq/h22seika/pdf/namegaya.pdf 南関東沿岸の地殻上下変動から推定した1703年元禄関東地震と1923年大正関東地震の断層モデル]}}, 活断層・古地震研究報告, 第11号 産業技術総合研究所</ref>。中央防災会議の首都直下地震モデル検討会による大正関東地震断層モデルではMw8.2と見積もられており、同検討会はこのモデルの方が地殻変動や津波の高さの再現性が良いとしている<ref name="shutochokkajishinmodel" />。

=== 津波 ===
関東地震の原因とされるフィリピン海プレートの沈み込みによって生じたプレート境界の跳ね返りによって<ref name="hyoka04" />、[[津波]]が発生した。地震の数分後、[[太平洋]]沿岸地域から[[伊豆諸島]]にかけて津波が襲った。
* [[熱海市|熱海]]では地震後5 - 6分で引波となり間もなく第1波が襲来し、さらに5 - 6分して第2波は7 - 8m、局地的に高さ12m（40[[尺]]）に及び家屋流失 162戸<ref name="toba.12893"/>、死者行方不明92名<ref name="toba.12893"/>の被害が発生した<ref name="Ikeda1925">池田徹郎(1925): [http://hdl.handle.net/2261/17491 伊豆安房方面津浪並ニ初島地變調査報告], 震災豫防調査會報告, 第100號(乙), pp.97-112.</ref>。また、海岸から200m内陸まで、地盤高7mまでが浸水したとされている<ref name="toba.12893">羽鳥徳太郎、[http://hdl.handle.net/2261/12893 熱海・初島における1923年関東地震津波の挙動] 東京大学地震研究所彙報. 第58冊第3号, 1984.1.14, pp. 683-689</ref>。
* 初島 地盤が隆起し集落内に津波は侵入しなかった。津波の高さは漁港付近で1.8m程度、島の西側で3m程度<ref name="toba.12893"/>。
* 伊東では波高9mとなり海岸から浜海道までの集落はほとんど流失、宇佐美村でも111戸が流失した。下田町では波高2.5m、湾外では4m程度であった<ref>『中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書』3章, pp96-97.</ref><ref name="Shizuoka pref.1923">警察庁(1923): [http://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/Detail_F2008022112533307252 静岡県大正震災誌]</ref>。
* 鎌倉 地震直後に2 - 300m潮が引き、10分程で第1波が襲来し第2波が最大で、[[材木座海岸|材木座]]付近で波高5 - 6mに達した<ref>『中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書』3章, p94.</ref>。
* 房総半島 伊豆程の津波とはならず概ね2m程度（6 - 7尺程度）と3m（10尺）超える所は少なかったが、相浜で高さ9m（30尺）の津波を記録し63戸が流失した。館山測候所付近では、先ず引波が200m余（2[[町 (単位)|町]]余）、水深約9m（30尺）に及び、来襲した津波の高さは1.8m（6尺）程度であった<ref name="Ikeda1925" />。
* 外房沿岸 元禄津波で甚大な被害となったのとは対照的で、元禄津波は波高7m前後で10mに達した所もあるの対し、大正津波は2m前後であった<ref name="Hatori1976" />。
* [[東京湾]]内 [[験潮場|検潮所]]の記録では、[[深川 (江東区)|深川]]、[[芝浦]]、千葉で両振幅1m程度であり<ref>『中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書』3章, p99.</ref>、内房沿岸では東京湾内に向かって元禄津波よりも急速に減衰している<ref name="Hatori1976" />。

=== 地盤の隆起・沈降 ===
地震によって北米プレートがフィリピン海プレートに乗り上げる形で跳ね返り{{要出典|date=2015年1月14日}}、房総半島南部で隆起、[[丹沢山地]]など内陸部で沈降した。
この沈降により丹沢山地では土石流が発生した。元禄地震でも同様の地殻変動と思われる記録があり、また房総半島南部には大正関東地震、元禄地震およびそれ以前の地震の際に隆起したと見られる[[海岸段丘]]が発達し、元禄地震による段丘は特に段差が大きい<ref name="Shishikura2005" />。房総半島のうち[[震源]]に近い南部地域や相模湾に接する三浦半島全域、相模湾北岸（現在の[[江ノ島]]がその例である）などで地盤の隆起が確認され、[[東京府]][[南葛飾郡]]地域では地盤の沈降が確認された。隆起や沈降量は、陸地測量部および海軍水路部による測量結果から推定された<ref name="Tanakadate1926a">田中舘秀三(1926): [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.38.3_130 關東大地震と海岸の昇降運動 (其一) ], 地學雜誌, Vol.38, No.3, 130-135.</ref><ref name="Tanakadate1926b">田中舘秀三(1926): [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.38.4_188 關東大地震と海岸の昇降運動 (其三) ], 地學雜誌, Vol.38, No.4, 188-201.</ref><ref name="Tanakadate1926c">田中舘秀三(1926): [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.38.6_324 關東大地震と海岸の昇降運動 (其三) ], 地學雜誌, Vol.38, No.6, 324-329.</ref><ref name="Tanakadate1926d">田中舘秀三(1926): [http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.38.7_374 關東大地震と海岸の昇降運動 (其四) ], 地學雜誌, Vol.38, No.7, 374-390.</ref>。

隆起・沈降量は以下の通り:
{| class="wikitable sortable"
!地域!!隆起・沈降||隆起・沈降量
|-
|[[九重村 (千葉県)|九重村]]||隆起||1.81m
|-
|[[北条町 (千葉県)|北条町]]||隆起||1.57m
|-
|[[大磯町|大磯]]||隆起||1.81m
|-
|[[茅ヶ崎市|茅ヶ崎]]||隆起||1.4m
|-
|[[初島]]||隆起||1.8m
|-
|[[平井村 (東京府)|旧平井村]]||沈降||0.38m
|-
|[[砂町]]||沈降||0.27m
|-
|[[亀戸]]||沈降||0.24m
|}

=== 余震 ===
* 9月1日
** 12:01 M7.2 [[東京湾]]北部<ref name="地学雑誌1999">[http://dx.doi.org/10.5026/jgeography.108.4_440 1923年関東地震の本震直後の2つの大規模余震 -強震動と震源位置-]武村雅之 地學雜誌 Vol.108(1999) No.4 P 440-457,{{JOI|JST.Journalarchive/jgeography1889/108.4_440}}</ref><ref group="注">気象庁の記録では、12:01に伊豆大島近海でM6.5の余震が発生したとされている。{{Cite web|url=http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php|title=気象庁震度データベース検索|publisher=[[気象庁]]|accessdate=2012-05-17}} </ref> - [[東京23区]]や[[神奈川県]]東部の[[横浜]]・[[川崎]]で強く揺れを感じる<ref name="地学雑誌1999" />。
** 12:03 M7.3 神奈川県・[[山梨県]]・[[静岡県]]県境付近<ref name="地学雑誌1999" /><ref group="注">気象庁の記録では、12:03に相模湾でM7.3の余震が発生したとされている。{{Cite web|url=http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php|title=気象庁震度データベース検索|publisher=気象庁|accessdate=2012-05-17}} </ref> - 神奈川県西部、静岡県東部、山梨県で強い揺れを感じる<ref name="地学雑誌1999" />。
** 12:17 M6.4 伊豆大島近海
** 12:23 M6.5 相模湾
** 12:40 M6.5 相模湾
** 12:47 M6.8 [[山梨県]]中・西部
** 13:31 M6.1 [[静岡県]]東部
** 14:22 M6.6 静岡県伊豆地方
** 15:19 M6.3 [[茨城県]]沖
** 16:37 M6.6 静岡県東部
* 9月2日
** 11:46 M7.3 [[千葉県]]南東沖
** 18:26 M6.9 千葉県東方沖
** 22:09 M6.5 静岡県伊豆地方
* 大正13年（[[1924年]]）[[1月15日]]05:50 M7.3 神奈川県西部（丹沢地震） - 死者19名、負傷者638名

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{reflist|group=注}}
=== 出典 ===
{{reflist|2}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=阿部勝征ほか |editor=佐藤良輔編著 |title=日本の地震断層パラメーター・ハンドブック |publisher=[[鹿島出版会]] |date=1989-03-25 |isbn=978-4-3060-3232-3 |ref=Sato et al. (1989)}}
* {{Cite book|和書|author=萩原尊礼ほか |title=古地震 -歴史資料と活断層からさぐる |publisher=[[東京大学出版会]] |date=1982 |isbn= |ref=Hagiwara (1982)}} [http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004113245-00 国立国会図書館サーチ]
* {{Cite book|和書|author=石橋克彦 |title=大地動乱の時代 -地震学者は警告する- |publisher=[[岩波書店]] |date=1994-08 |isbn=978-4-00-430350-3 |ref=Ishabashi (1994)}}
* {{Cite book|和書|author=石橋克彦 |title=南海トラフ巨大地震 -歴史・科学・社会- |publisher=岩波書店 |date=2014-03 |isbn=978-4-00-028531-5 |ref=Ishabashi (2014)}}
* {{Cite book|和書|author=石本巳四雄 |title=地震とその研究|publisher=古今書院 |date=1935 |isbn= |ref=Ishimoto (1935)}} [http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001802637-00 国立国会図書館サーチ]
* {{Cite book|和書|author=寒川旭 |title=地震の日本史 -大地は何を語るのか- |publisher=[[中公新書]] |date=2007-11 |isbn=978-4-12-101922-6 |ref=Sangawa (2007)}}
* {{Cite book|和書|author=武村雅之 |editor= |title=関東大震災 -大東京圏の揺れを知る |publisher=鹿島出版会 |date=2003-05 |isbn=978-4-3060-9370-6 |ref=Takemura (2003)}}
* {{Cite book|和書|author=都司嘉宣 |title=千年震災 -繰り返す地震と津波の歴史に学ぶ |publisher=ダイヤモンド社 |date=2011-05 |isbn=978-4-478-01611-4 |ref=Tsuji (2011)}}
* {{Cite book|和書|author=宇佐美龍夫 |title=最新版 日本被害地震総覧 416‐2001 |edition= |series= |volume= |publisher=東京大学出版会 |date=2003-04 |isbn=978-4-1306-0742-1 |ref=Soran (2003)}}
* {{Cite book|和書|editor=武者金吉 |title=大日本地震史料 増訂|publisher=文部省震災予防評議会 |date=1941 |isbn= |ref=Shinsaiyobo (1941)}} [http://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=46040070 国立国会図書館サーチ]
* {{Cite book|和書|editor=東京大学地震研究所 |title=関東大地震50周年論文集 |publisher=  |date=1973-08 |isbn= |ref=Tokyo Univ. (1973)}} [http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000632925-00 国立国会図書館サーチ]
* {{Cite book|和書|editor= |title=日本歴史地名大系 14 神奈川県の地名 |edition= |series=日本歴史地名大系 <!--|volume=第14巻--> |publisher=平凡社 |date=1984 |isbn= |ref=NRCT14}}
* [http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923--kantoDAISHINSAI/index.html 中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成18年7月 1923 関東大震災]

<references group="注"/>

== 関連項目 ==
* [[首都直下地震観測網]](MeSO-net)

== 外部リンク ==
* [http://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2003/tokushu/toku02.htm KAJIMAダイジェスト・ 特集：関東大震災を知る]
* 羽鳥徳太郎、[http://hdl.handle.net/2261/12603 元禄・大正関東地震津波の各地の石碑・言い伝え] 東京大学地震研究所彙報. 第50冊第4号, 1976.3.31, pp. 385-395
* 武村雅之、浜田信生、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/zisin1948/49/2/49_2_141/_article/-char/ja/ 近地観測点における1923年関東地震によるP波波形の特徴 気象庁に保存されている地震記録の写真について] 地震 第2輯 Vol.49 (1996-1997) No.2 P141-168,{{JOI|JST.Journalarchive/zisin1948/49.141}}
* {{PDFlink|[http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol3.pdf 『なゐふる第3号』p.4「関東大地震（大正12年9月1日）」]}} 日本地震学会
* [http://www.giroj.or.jp/disclosure/q_kenkyu/19.html 地震保険研究19 1923年関東地震の震度分布の再現] 損害保険料率算出機構

{{デフォルトソート:かんとうししん}}
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