マツのソースを表示

[[rxy]]=[[森谷辰也]]=[[wiki:LTA:ASPE|LTA:ASPE]]、 [[wiki:LTA:DCHANCE|LTA:DCHANCE]]、[[wiki:LTA:SASHO|LTA:SASHO]]という動かせない事実。'''松''' は この項目へ転送されています。
*松のその他の用法については[[松 (曖昧さ回避)]]をご覧ください。
*前田利家の正室のまつについては[[芳春院]]をご覧ください。
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{{生物分類表
|名称 = マツ属
|色 = lightgreen
|画像=[[画像:Matsu01.jpg|250px]]
|画像キャプション = アカマツ（''Pinus densiflora''）
|界 = [[植物界]] [[:w:Plantae|Plantae]]
|門 = [[裸子植物門]] [[:w:Pinophyta|Pinophyta]]
|綱 = [[マツ綱]] [[:w:Pinopsida|Pinopsida]]
|目 = [[マツ目]] [[:w:Pinales|Pinales]]
|科 = [[マツ科]] [[:w:Pinaceae|Pinaceae]]
|属 = '''マツ属''' ''[[:w:Pinus|Pinus]]''
|下位分類名 = 種
|下位分類 = * 本文参照
}}

'''マツ属'''（-ぞく）とは、[[マツ科]]の[[針葉樹]]。
<!--'''マツ'''（松）とは、[[マツ科]]マツ属の[[針葉樹]]。-->

== 概要 ==
<!--ノート参照-->
日本語でマツといった場合、マツ属の中でも[[クロマツ]]、[[アカマツ]]を指すことが多い。また日本語でマツを名前に含む樹種には[[カラマツ]]等マツ属でないものもある。マツ属には約115種類の樹種があり、また、人により105から125の樹種があるとも言われている。庭木や[[盆栽]]によく用いられる。[[松脂]]（まつやに）は様々な分野に利用される。

松の葉は針状であり、幹には堅い殻が形成される。また、松ぼっくり もしくは[[松笠]]（まつかさ）という球状の果実ができる。松ぼっくりの中には種が作られる。この種により松は繁殖することができる。

日本では長寿を表す縁起のよい木とされ、松、[[竹]]、[[ウメ|梅]]の3つを'''[[松竹梅]]'''（しょうちくばい）と呼んで重宝している。

== 分類 ==
分類上は単[[維管束]]亜属（ゴヨウマツ）と複維管束亜属（ニヨウマツ）に分けられる。

日本に自生する五葉松類として以下の4種及び1変種がある。

*ヒメコマツ（別名[[ゴヨウマツ]]） ''Pinus parviflora''
*キタゴヨウ（ヒメコマツの変種） ''P. parviflora'' var. ''pentaphylla''
*[[ヤクタネゴヨウ]] ''P. armandi'' var. ''amamiana''
*[[チョウセンゴヨウ]] ''P. koraiensis''
*[[ハイマツ]] ''P. pumila''

日本に分布する二葉松類としては以下の3種類がある。

*[[アカマツ]] ''P. densiflora''
*[[クロマツ]] ''P. thunbergii''
*[[リュウキュウマツ]] ''P. luchuensis''

== 世界のマツ属植物 ==
'''単維管束亜属'''(ストローブマツ亜属)　五葉松
*ストローブ節
**[[:en:Yakushima White Pine|P. amamiana]] [[ヤクタネゴヨウ]] 日本産、屋久島と種子島に分布。ただし下記のタカネゴヨウ／カザンマツの変種とも扱われる
**[[:en:Chinese White Pine|P. armandii]] タカネゴヨウ／カザンマツ タカネゴヨウは台湾の高山、カザンマツは山西省から雲南省に分布
**[[:en:Mexican White Pine|P. ayacahuite]] メキシコシロマツ メキシコ南部から中米西部の海抜2200-3500mに分布
**[[:en:Bhutan White Pine|P. bhutanica]] ブータンシロマツ ブータン・インド北東部・中国南西部に分布
**P. chiapensis チアパスシロマツ メキシコ・チアパス産?
**P. dabeshanensis
**[[:en:Vietnamese White Pine|P. dalatensis]] ベトナムシロマツ ベトナムの海抜1400-2300mに分布
**[[:en:Hainan White Pine|P. fenzeliana]] ハイナンシロマツ 中国・海南島
**[[:en:Limber Pine|P. flexilis]] リンバーマツ(フレキシマツ) 北米西部山岳地帯の亜高山帯
**[[:en:Limber Pine|P. reflexa]] ナンセイシロマツ 北米アリゾナ・ニューメキシコに分布。上記リンバーマツと同種または変種ともみなされる
**[[:en:Sugar Pine|P. lambertiana]] シュガー・パイン(サトウマツ、北米カリフォルニアとオレゴン・メキシコ北西部に分布)
**[[:en:Taiwan White Pine|P. morrisonicola]] タイワンシロマツ
**[[:en:Western White Pine|P. monticola]] ニシシロマツ(モンチコラマツ)北米西部山岳地帯に分布
**[[:en:Japanese White Pine|P. parviflora]] [[ゴヨウマツ]] 日本産
**[[:en:Macedonian Pine|P. peuce]] マケドニアマツ マケドニア・アルバニア・セビリア・ブルガリア・ギリシャの海抜1000-2200mに分布
**[[:en:Siberian Dwarf Pine|P. pumila]] [[ハイマツ]]、シベリア・中国東北・朝鮮半島北部・日本に分布
**[[:en:Chihuahua White Pine|P. strobiformis]] チワワシロマツ メキシコ・西シェラ・マドレ山脈
**[[:en:Eastern White Pine|P. strobus]] ストローブマツ 米国北東部とカナダ東部に分布
**[[:en:Blue Pine|P. wallichiana]] ヒマラヤアオマツ ヒマラヤ・カラコルムの海抜1800-4300mに分布
**[[:en:Guangdong White Pine|P. wangii]] 中国に分布

*ケンブレア節
**[[:en:Whitebark Pine|P. albicaulis]]
**[[:en:Swiss Pine|P. cembra]] スイスマツ(ヨーロッパハイマツ)
**[[:en:Korean Pine|P. koraiensis]] [[チョウセンゴヨウ]] ウスリー・中国東北・朝鮮・日本に分布
**[[:en:Siberian Pine|P. sibirica]] シベリアマツ

'''ピニョン亜属'''(単維管束亜属の一部とも分類される)
**[[:en:Nelson's Pinyon|P. nelsonii]]
**[[:en:Krempf's Pine|P. krempfii]]
**[[:en:Lacebark Pine|P. bungeana]] シロマツ(ハクショウ)
**[[:en:Chilgoza Pine|P. gerardiana]]
**[[:en:Qiaojia Pine|P. squamata]]
**[[:en:Big-cone Pinyon|P. maximartinezii]]
**[[:en:Weeping Pinyon|P. pinceana]] フランスカイガンショウ
**[[:en:Rzedowski's Pinyon|P. rzedowskii]]
**[[:en:Mexican Pinyon|P. cembroides]] メキシコマツ
**[[:en:Potosi Pinyon|P. culminicola]]
**[[:en:Border Pinyon|P. discolor]]
**[[:en:Colorado Pinyon|P. edulis]]
**[[:en:Johann's Pinyon|P. johannis]]
**[[:en:Single-leaf Pinyon|P. monophylla]]
**[[:en:Orizaba Pinyon|P. orizabensis]]
**[[:en:Parry Pinyon|P. quadrifolia]]
**[[:en:Texas Pinyon|P. remota]] or Papershell Pinyon
**[[:en:Rocky Mountains Bristlecone Pine|P. aristata]] イガゴヨウ(バーストルコーンマツ)
**[[:en:Foxtail Pine|P. balfouriana]]
**[[:en:Great Basin Bristlecone Pine|P. longaeva]]

'''複維管束亜属'''　二葉マツ
*ピヌス節
**[[:en:Sikang Pine|P. densata]]
**[[:en:Japanese Red Pine|P. densiflora]] [[アカマツ]]　日本・朝鮮・中国東北に分布
**[[:en:Bosnian Pine|P. heldreichii]] ボスニアマツ
**[[:en:Huangshan Pine|P. hwangshanensis]]
**[[:en:Khasi Pine|P. kesiya]] ケシアマツ
**[[:en:Luchu Pine|P. luchuensis]] [[リュウキュウマツ]]　沖縄に分布
**[[:en:Masson's Pine|P. massoniana]] タイワンアカマツ
**[[:en:Mountain Pine|P. mugo]] モンタナマツ
**[[:en:European Black Pine|P. nigra]] ヨーロッパクロマツ
**[[:en:Red Pine|P. resinosa]] レジノサアカマツ
**[[:en:Scots Pine|P. sylvestris]] [[ヨーロッパアカマツ]]・シベリアアカマツ
**[[:en:Chinese Red Pine|P. tabuliformis]]
**[[:en:Taiwan Red Pine|P. taiwanensis]]
**[[:en:Japanese Black Pine|P. thunbergii]] [[クロマツ]]　日本と韓国に分布
**[[:en:Tropical Pine|P. tropicalis]]
**[[:en:Yunnan Pine|P. yunnanensis]] ウンナンマツ
*ピネア節
**[[:en:Stone Pine|P. pinea]] イタリアカサマツ
**[[:en:Turkish Pine|P. brutia]] カラブリアマツ
**[[:en:Canary Island Pine|P. canariensis]] カナリーマツ
**[[:en:Aleppo Pine|P. halepensis]] アレッポマツ
**[[:en:Tenasserim Pine|P. latteri]]
**[[:en:Sumatran Pine|P. merkusii]]
**[[:en:Maritime Pine|P. pinaster]]
**[[:en:Chir Pine|P. roxburghii]] ヒマラヤマツ
*トリフォリア節
**[[:en:Chihuahua Pine|P. leiophylla]] チワワマツ
**[[:en:Lumholtz' Pine|P. lumholtzii]]
**[[:en:Caribbean Pine|P. caribaea]] カリピアマツ
**[[:en:Sand Pine|P. clausa]]
**[[:en:Cuban Pine|P. cubensis]]
**[[:en:Shortleaf Pine|P. echinata]] エキタナマツ
**[[:en:Slash Pine|P. elliottii]] スラッシュマツ
**[[:en:Spruce Pine|P. glabra]]
**[[:en:Honduras Pine|P. hondurensis]]
**[[:en:Hispaniolan Pine|P. occidentalis]]
**[[:en:Longleaf Pine|P. palustris]] ダイオウショウ
**[[:en:Table Mountain Pine|P. pungens]]
**[[:en:Pitch Pine|P. rigida]] リギダマツ
**[[:en:Pond Pine|P. serotina]]
**[[:en:Loblolly Pine|P. taeda]] テーダマツ
**[[:en:Virginia Pine|P. virginiana]] バージニアマツ
**[[:en:Jack Pine|P. banksiana]] バンクシアマツ
**[[:en:Lodgepole Pine|P. contorta]] ロッジポールマツ
**[[:en:Knobcone Pine|P. attenuata]]
**[[:en:Gregg's Pine|P. greggii]]
**[[:en:Herrera's Pine|P. herrerae]]
**[[:en:Jalisco Pine|P. jaliscana]]
**[[:en:Lawson's Pine|P. lawsonii]]
**[[:en:Bishop Pine|P. muricata]] ビショップマツ
**[[:en:Egg-cone Pine|P. oocarpa]] オオカルパマツ
**[[:en:Patula Pine|P. patula]] パツラマツ
**[[:en:McVaugh's Pine|P. praetermissa]]
**[[:en:Pringle's Pine|P. pringlei]]
**[[:en:Monterey Pine|P. radiata]] ラジアータマツ(モンテレーマツ)
**[[:en:Tecun Uman Pine|P. tecunumanii]]
**[[:en:Ocote Pine|P. teocote]] 
**[[:en:Apulco Pine|P. apulcensis]]
**[[:en:Arizona Pine|P. arizonica]]
**[[:en:Cooper's Pine|P. cooperi]]
**[[:en:Coulter Pine|P. coulteri]] オオミマツ
**[[:en:Michoacan Pine|P. devoniana]]
**[[:en:Durango Pine|P. durangensis]]
**[[:en:Apache Pine|P. engelmanii]]
**[[:en:Estevez's Pine|P. estevezii]]
**[[:en:Gordon's Pine|P. gordoniana]]
**[[:en:Hartweg's Pine|P. hartwegii]]
**[[:en:Jeffrey Pine|P. jeffreyi]] ジェフリーマツ
**[[:en:Thinleaf Pine|P. maximinoi]]
**[[:en:Montezuma Pine|P. montezumae]] モンテスママツ
**[[:en:Ponderosa Pine|P. ponderosa]] -ポンデローサマツ
**[[:en:Smooth-bark Mexican Pine|P. pseudostrobus]]
**[[:en:Gray Pine|P. sabiniana]]
**[[:en:Torrey Pine|P. torreyana]]

== 分布 ==
分布域は、主に日当たりの良い地味の乏しい土地を好み、気温的には[[亜熱帯]]（リュウキュウマツ）から高山帯（ハイマツ）までの、きわめて多様な気象条件に対応している。世界的には[[ユーラシア大陸]]から[[北アメリカ|北米]]までの[[北半球]]全域で北は[[北極|北極圏]]近くから南は[[ベトナム]]（アジア）・[[コスタリカ]]（北米）にまで分布。

== 文化 ==
<!--ノート参照-->
[[能]]、[[狂言]]の舞台には背景として必ず描かれており（松羽目）、演目によって山の松や浜の松、庭の松などに見立てられる。 [[歌舞伎]]でも能、狂言から取材した演目の多くでこれを使い、それらを「[[歌舞伎舞踊|松羽目物]]」というなど、日本の文化を象徴する樹木ともなっている。松に係わる伝説も多く、[[羽衣伝説]]など様々。また常緑樹として冬も緑の葉を茂らせることから、若さ・不老長寿の象徴とされ、[[竹]]、[[ウメ|梅]]と合わせて「[[松竹梅]]」としておめでたい樹とされる。日本の[[城]]にも植えられているが、非常時に実や皮が食料になるため重宝されてきた。[[マツ|松]]も参照。
害虫対策として幹に藁を巻く「[[こも巻き]]」は冬の風物詩でもある。

=== 音楽 ===
* 『老松』 （[[能]]）
* 『末の松』 （[[箏曲]]）
* 『松尽し』 （[[地歌]]、[[箏曲]]） 作曲者不詳
* 『松尽し』 （地歌、箏曲） 藤永検校作曲
* 『松風』 （地歌、箏曲） 岸野次郎三作曲
* 『新松尽し』 （地歌、箏曲） [[松浦検校]]作曲
* 『松の寿』 （地歌、箏曲） 在原勾当作曲
* 『[[松竹梅]]』 （地歌、箏曲） 三ツ橋勾当作曲
* 『根曵の松』 （地歌、箏曲） 三ツ橋勾当作曲
* 『老松』 （地歌、箏曲） 松浦検校作曲
* 『尾上の松』 （地歌、箏曲） 作曲者不詳、[[宮城道雄]]箏手付
* 『松の栄』 （地歌、箏曲） 菊塚検校作曲
* 『松風』 （山田流箏曲） 山田検校作曲
* 『松の栄』 （山田流箏曲） 二世山登検校作曲
* 『老松』 （[[長唄]]） 杵屋六三郎作曲
* 『松の緑』 （長唄） 四世杵屋六三郎作曲
* 『松襲』 （[[一中節]]） 初代菅野序遊作曲
* 『松の羽衣』 （一中節）
* 『老松』 （[[常磐津]]） 初世常磐津文字太夫作曲
* 『老松』 （[[清元]]） 富本豊前掾作曲
* 『[[ローマの松]]』 （交響詩） [[オットリーノ・レスピーギ|レスピーギ]]作曲

== 利用 ==
<!--ノート参照-->
=== 観賞 ===
[[画像:Bonsai at the gardens of pagoda Yunyan Ta.jpg|thumb|[[盆栽]]の一例]]
低木は庭木などに利用される。また葉長の短い物は[[盆栽]]などに利用される。

=== 木材 ===
木造建築用の梁・桁などに利用される。近年、[[マツ材線虫病|マツクイムシ]]などの被害が多く純林が減少。手に入りにくくなっている。また、[[鉄道]]の[[枕木]]としても使われていた。

=== 燃料 ===
他の木材と比べ可燃性の[[樹脂]]を多く含み、[[マッチ]]1本で着火できるため以前は焚き付けに用いられた。分離した樹脂である[[松脂]]もよく燃える燃料として使用された。また、[[第二次世界大戦]]中の日本では、掘り出した根から[[松根油]]を採取し、[[航空機]]の燃料に用いようとしたことがある。

他の木材と比較し単位重量当りの燃焼熱量が高いことから、特にアカマツは陶器を焼き上げる登り窯など、窯の燃料として珍重される。

=== 食用 ===
朝鮮五葉松などから採取された[[松の実]]は、食用にも供される。60％を超える脂質のほか微量元素も含まれ、独特の香りを持つことから健康食品、菓子等にも使用される。

また、フランス海岸松の樹皮から抽出される[[ポリフェノール]]を多く含むエキスは、[[サプリメント]]に利用されている。

[[アカマツ]]などの若葉を洗浄して、[[砂糖]]水に漬け、葉に付着している細菌の作用で[[二酸化炭素|炭酸ガス]]を発生させて水中に溶け込ませて作る松葉[[サイダー]]という飲み物がある。松葉は食用にしないが、成分が溶け込んで、独特の味わいがでる。[[大韓民国|韓国]]では、マツの風味を付けた缶入りの[[炭酸飲料]]が販売されている。

[[紅茶]]の[[正山小種|ラプサンスーチョン]]は、タイワンアカマツなどの木材や樹皮でいぶして、独特の香りを付けて作られる。

樹脂である松脂も[[香料]]として使うこともあり、[[フランス]]などではマツの香りのする[[飴]]が作られている。

=== 松脂の採取 ===
[[画像:Pine Bark.jpg|thumb|150px|マツの樹皮]]
[[松脂]]（まつやに）は松の枝、芽などを折ったり、幹に傷を付けたりした際に出る[[樹脂]]の事である。樹脂は樹脂道という特殊な組織で、主に[[昆虫]]の幼虫の[[寄生]]を妨げる目的で合成され、[[テルペノイド|テルペン]]等の揮発成分を大量に含み、水には溶けない。生成当初は透明から淡黄色で流動性に富むが、揮発成分が減少するにつれ粘り気が増え固化する。揮発成分は特有の芳香がある。[[酸化]]により黄色や茶色に着色する。そのまま地中に埋もれても腐らないため、酸化固化を経て[[コハク|琥珀]]になる。虫がこの樹脂の中に捕捉され、長期間保存されることもある。松脂と同じような樹脂は[[スギ]]、[[ヒノキ]]、[[トウヒ]]、[[モミ]]等針葉樹の全てで作られるが、松は特に材の中にも樹脂道を多く持っているため、表面に現れやすく、もっとも有名で、また、幹に傷をつけて採取する場合にも大量の樹脂の収集が可能である。また、マツはもっとも人に近いところに生育あるいは、植栽されてきたため、松脂は世界中で様々な物に活用されてきた。現在は、[[中華人民共和国|中国]]などのアジアを中心に、幹にV字型の切り込みを入れる方法で、染み出す松脂の採取が行われている。

松脂を[[蒸留]]すると[[ロジン]]、[[テレピン油]]、[[ピッチ]]などの成分が得られ、[[燃料]]、[[粘着剤]]、[[生薬]]、[[香料]]、[[滑り止め]]、[[紙]]の添加剤などに用いられる。ロジンは、マツの根などからも得ることができる。詳細は[[ロジン]]、[[テレピン油]]を参照。
<!--松脂やロジンの利用など、詳細などについてはここに書かず、松脂かロジンの項目に書いてください-->

=== 樹皮 ===
樹皮が園芸用品としてインテリアバーク、バークチップなどの通称で流通している。アカマツ、クロマツの樹皮が用いられることが多いがマツ以外のものも存在するので一概にバークチップ＝マツとは言えない。波紋のような縞模様が浮き出たバークは見た目の美しさから観葉植物の鉢植えやグラウンドカバーなどとして利用される。室内向けの鉢植えで多く見かける理由は美しさだけではなく、虫が湧きにくく、保湿効果が得られることも挙げられる。屋外では主に装飾、飛び石や花壇の隙間などのアクセントとして、グラウンドカバーに使用される。踏むと崩れてしまうので装飾用途の場合直接歩くような通路には向かない。付随効果としては厚めに敷き詰めることで遮光により雑草を生え難くしたり、降雨による土壌流出や泥跳ねを抑え、植物原料のため環境汚染の心配がないことが挙げられる。

== 手入れ ==
<!--ノート参照-->
=== 松の管理 ===
庭木や盆栽の松の手入れとして他の植物と際だったものとして、「みどりつみ」と「もみあげ」がある。
; みどりつみ
: 松の新芽を「みどり」という。若木や栄養豊富な木ではこの「みどり」が勢いよく伸びて、結果として間延びした樹形となってしまうので、5 - 6月頃に、本数は2、3本くらいに、長さは好ましい枝の長さに指で「みどり」を折ってやる。
; もみあげ
: 古葉取りのことである。葉をむしり取る様子がもみあげという言葉を生んだのだろうか。作業は秋以降に原則として前年葉を全てむしり取るということである。目的とするのは次の通り。
:* 能力の弱まった古い葉を捨てる。
:* そのことによって日当たり、風通しをよくする。
:* 全体としてすっきりとした樹形にする。
: 木全体のことを考えれば、前年葉でも少しは残すこともあるだろうし、本年葉でも少しむしるということもありうる。
:* 植生の遷移に注目すると、マツとは砂地や岩場などの荒地に比較的早く侵入し、その後広葉樹などと入れ替わるように枯れる。つまり広葉樹林の様に地面に腐葉土などが溜まると衰弱する。したがって地面に腐葉土や枯葉などの有機物を溜めない為に掃除する必要がある。

=== 松の実生 ===
庭木または盆栽として植えられている松は、ごく一部の園芸品種が黒松や赤松の台木に接ぎ木される他は、ほとんどが[[実生]]から作られる。盆栽用のマツ類のタネは、大きな種苗店でないと売っておらず、それも入るか入らないかわからないので、イギリスなどの通販業者から買ったほうが確実である。クリスマス頃までにカタログが出たり、販売サイトが更新されたりするので、1月中にタネを入手したい。マツは本来[[播種|取り播き]]がよく、寒さに当てないとよく発芽しない。タネは種によって多少違うが、ダイズから米粒くらいの大きさで、翼がある。浅鉢に新しい培養土を入れ、翼のついたまま播いて、タネの大きさの2倍くらいの覆土をし、屋外におき、乾かさないようにしておくと、4月から5月に生えてくる。

== 地方公共団体の木に指定している自治体 ==
* [[静岡県]][[沼津市]]
* [[岐阜県]][[各務原市]]
* [[兵庫県]][[洲本市]]

== 関連項目 ==
{{Commons|Pine}}
*[[木の一覧]]
*[[日本の白砂青松100選]]
*[[マツタケ]]
*[[マツ材線虫病|マツクイムシ]]
*[[ブリッスルコーンパイン]]
*[[エゾマツ]]（トウヒ属）
*[[トドマツ]]（モミ属）
*[[シロマツ]]
*松葉[[串]]
*[[松根油]]
*[[三鈷の松]]

{{DEFAULTSORT:まつ}}
[[Category:マツ科]]
[[Category:裸子植物]]
[[Category:針葉樹]]
[[Category:観賞用樹木]]
[[Category:花粉症]]

{{Wikipedia/Ja}}